マウスコンピューターのクリエイター向けブランド「DAIV」から登場した「DAIV 5P」は、モバイル性を高めたクリエイター向けノートPCだ。モバイル性を重視したものではCPU内蔵GPUを利用するものが多い中、同製品は外部GPUを搭載したワンランク上の性能を15.6型に収めつつ、さらに軽さも実現している。オフィスを離れて仕事をする方にぜひ注目してほしい製品だ。

クリエイターがノートPCを検討するとき、大きく2つのニーズがあげられるだろう。ひとつはパフォーマンス重視。自宅や事務所での使用を念頭に、できるだけ省スペースにしつつ、その上で生産性の高さを求めるニーズだ。そしてもうひとつはモバイル重視。Webデザイナーや写真補正など2Dベースの業務に関わる方や、制作環境よりも成果物を出先でプレゼンテーションするような方なら、軽さやバッグに入るサイズ感が重要となる。DAIV P5は特に後者の方に最適なモデルだ。

DAIV 5Pは、15.6型という制作環境にとってうれしい大画面液晶パネルを採用している。15.6型はモバイルノートPCのジャンルでは大きめな印象があるが、DAIV 5Pの本体サイズはW356×D233×H17.9mm。フットプリントのW356×D233mmも比較的コンパクトで、既存の15.6型対応バッグなら、むしろ若干ゆとりがあるくらいのサイズ感だ。そして注目すべきは17.9mmという薄さ。突起部含まずの数値だが2cmを切るスリムボディはバックへの収まりもいい。

  • 15.6型の大画面でも場所をとらないコンパクトなサイズが魅力

  • 1円玉(直径2cm)よりも薄い

そして重量は約1.53kg。現在の13.3型モバイルノートPCが1kg前後で、それより500g程度重量が加算されるものの、15.6型でディスクリートGPUも搭載している。本製品と同様の構成の製品はおおむね2kg前後になることが一般的で、それらと比べるとかなり軽量だ。そして1.53kgなら、バッグに入れて持ち運んでも重いという印象は少ない。十分なモバイル性があるといえるだろう。

  • 実測は公称よりもさらに軽い1.507kg

こうしたスリム&軽量ボディを実現できたのは、筐体素材としてマグネシウム合金を採用したのが大きい。比重でいえば一般的なアルミに対してマグネシウムは3分の2。それだけ軽量化が可能になる。そしてマグネシウム合金は強度にも優れており、ここが薄さを実現できたヒミツだ。さらに最近のノートPCのトレンドといえる狭額縁(ナローベゼル)の液晶パネルが本体幅を狭めている。

  • 左右、上部のベゼルが狭く、それが本体サイズのコンパクト化を実現している

このように本製品はスリム&コンパクトであるとともに、シルバーの筐体カラーによる清潔感もある。ノートPCとしてスタイリッシュな製品だ。

  • 清潔感あふれる明るめのシルバーは汚れも目立ちにくい

モバイル重視といえばバッテリー駆動時間も重要だ。本製品ではリチウムイオンからリチウムポリマーへとバッテリー素材を変更し、容量も従来モデル比2倍に増大させたという。バッテリー駆動時間は公称約18.5時間。PCMark 10のバッテリーテストでは、Modern Officeシナリオ(電源設定:省電力、ディスプレイ輝度50%)で12時間57分だった。同時にその際のパフォーマンススコアも5912と高い。つまりモバイル性がありつつ、高い生産性を維持できるということだ。

  • PCMark 10、バッテリーテストのModern Officeシナリオ

充電方法はACアダプタ方式だ。ACアダプタの出力を見ると90W。大きさもモバイル向けPCと比べるとひと回り大きい。ただし先のバッテリー駆動時間テストのとおり、長時間持つので持ち運びが必要となる機会は少ないだろう。

  • ディスクリートGPUを搭載するためACアダプタも出力90Wとやや大きめ。本体背面の大半を排気用スリットが占めている

クセがない、過不足もないスタンダードなインタフェース仕様

インタフェースは左右側面に搭載している。左側面には有線LAN、USB 2.0、USB 3.0、オーディオ入出力、microSDカードリーダーを搭載。右側面にはUSB 3.0(Type-C)、USB 3.0、HDMI、電源ジャックを備えている。USBはType-A/C合わせて4ポートあるので十分だろう。そして折り畳み式有線LANポートは業務において安定した高速ネットワークを利用できる点でメリットがある。このほか無線LANはWi-Fi 6に対応している。

  • 左側面。スリムでありながらも有線LANを搭載。USBも2つ、microSDカードリーダーもある

  • 右側面にはこれからの時代のUSB Type-Cや映像出力のHDMI、ACジャックなど

  • 無線LANは最新規格のWi-Fi 6対応

クリエイターの方は液晶パネルのスペックにも気を配るだろう。本製品のパネル駆動方式は公開されていないが、視野角は上下左右約170°、sRGB比約102%、NTSC比約72%といったスペックになる。同社ラインナップにはOLEDパネル搭載モデルもあり、その色域カバー率にこそ及ばないものの、写真を表示させて確認した限りではこのパネルでも比較的良好といえる。

  • 液晶パネルの色味も視野角も十分

キーボードは88キーの日本語配列。ホワイトLEDを採用したキーボードバックライトも備えている。配列は、PageUp/PageDown、Home/EndなどがEnterの右の一列に配置されているところを除けば、標準的なキーボードが採用されている。

  • キーボード配列も従来モデルから見直した点。実際、右端1列を除けば標準的な配列といえる

  • キーボードバックライトはホワイトで、最大光量も控えめ

パームレスト部分のタッチパッドもかなり大きめ。タッチパッド左上にはダブルタップでタッチパッド自身をON/OFFできるセンサーも搭載されている。

  • 大きめのタッチパッドで操作はなかなか快適。マウス併用時のためのタッチパッドON/OFFセンサーも便利だ

Windowsログイン機能は、指紋認証センサーはなくWebカメラ(100万画素)によるWindows Hello顔認証を使うことになる。一般的なノートPCと同様、Webカメラはディスプレイの上部ベゼルに搭載されており、その左右にはデュアルアレイマイクもある。Web会議などの用途で、本体のみでも対応できる十分なスペックといえるだろう。

  • WebカメラはWindows Hello対応で顔認証ログインが利用できる