サードウェーブから、ゲーミングPC「GALLERIA(ガレリア)」の新モデルが登場した。ケースデザインが7年ぶりに刷新されたほか、性能面も大きく進化。長期にわたって安定して使用できるよう冷却性能も強化されており、ゲーマーにとってはまさに「相棒」のような頼れる製品に仕上がっている。

今回はそのラインナップのうち、外装にアルミ素材を採用した「GALLERIA U-Series」を試すことができたので、外観や使用感、パフォーマンスなどを紹介していこう。

  • サードウェーブのゲーミングPC「GALLERIA(ガレリア)」

● 新ケースを採用し、4シリーズ展開に

新しいデザインのケースは、外装の素材や塗装の違いにより2タイプある。そのうちヘアライン加工が施されたアルミを採用しているのが「SKプレミアム」で、ガンメタリック塗装のスチール製が「SKスタンダード」となっている。金属部の仕上げが異なるだけで、フォルムやサイズなど基本的な部分は共通。なおケースのサイズは、ミニタワーとミドルタワーの2種類が用意されている。

  • アルミ外装の「SKプレミアム」ケースを採用したモデル

  • ガンメタリック塗装のスチール製「SKスタンダード」ケース採用モデル

ラインナップは全部で4シリーズ。シリーズ名はそれぞれの特徴を表す英語からとられており、上位シリーズから順に「U(Ultimate=究極)」、「Z(Zealot=熱狂)」、「X(eXtend=伸展)」、「R(Refine=洗練)」となっている。最高峰を目指すなら「U」、プレイの幅を広げたいなら「X」という具合に、自分が目指すゲームスタイルに合うシリーズがわかりやすいのが印象的だ。

なお直販サイトでは、各シリーズともIntel Core搭載モデルとAMD Ryzen搭載モデルのいずれかを選ぶことができる。グラフィックスはどちらもNVIDIA GeForce GTX 1650からRTX 2080Tiまでの中から選択可能だ。

GALLERIAの外観をぐるりと回してチェック!

● 待望のLEDライティングを搭載

新ケースのデザイン上のポイントはいくつかあるが、もっとも目を引くのがフロントパネルの外周に沿って配置されたライン状のLEDだろう。従来モデルはLEDが搭載されていなかったためゲーミングPCらしい光の演出を楽しむことができなかったが、新モデルではその数少ない弱点を克服してきた。

  • 工場出荷時はLEDの色はブルーに固定されているが、制御アプリを利用することで色やエフェクトを変更することができる

LEDはRGBフルカラーに対応しており、制御アプリで色やエフェクトを変更することができる。アプリはプリインストールされていないが、無償でダウンロードしてインストールすることが可能。ただし、マザーボードごとに使用アプリが異なるので注意が必要だ。ASUS製マザーボードは「Armoury Crate」、ASRock製は「Polychrome RGB」を使う。なお、どちらもLEDの消灯はアプリを使わずともUEFI BIOS Utilityで設定できる。

  • 制御アプリ「Armoury Crate」の画面。色や点滅具合をカスタマイズできる

今回はASUS製マザーボードのため「Armoury Crate」を利用しているが、基本的な機能は「Polychrome RGB」もあまり変わらないと思われる。エフェクトは、単色固定の「スタティック」のほか、息づかいのようなゆっくりした点滅の「ブレス」、単純点滅の「ストロボ」、虹色に色が変わる「レインボー」、複雑に点滅する「星空」、音声出力と同期する「ミュージック」などが利用可能だ。単純に雰囲気を盛り上げるだけでなく、eスポーツのチーム分けをわかりやすくするなどの目的にも活用できる。

LEDの色やエフェクトを変更した例。やはりLEDはあった方がテンションが高まる

● 使い勝手と見た目のよさを両立

新ケースには、LED以外にもさまざまな機能が搭載されている。いずれも使い勝手と見た目のよさを両立しているのが特徴だ。

  • 左側にクリアサイドパネルを搭載。内部パーツを見ることができる

たとえば、左側のサイドパネルは一部がクリアなアクリルウインドウになっており、内部パーツを外部から見ることができる。LEDパーツを装備したグラフィックボード(グラボ)を使っている場合、そのライティングを楽しめるのはゲーマーにとって魅力的なポイントだ。

クリアサイドパネルからグラボのLEDライティングを楽しむことが可能

本体上部には、斜め45度のコンソールパネルが搭載されており、電源ボタンやUSBポートなど、よく使うスイッチやインタフェースにアクセスしやすくなっている。

  • 上部のコンソールパネル。電源ボタンとリセットスイッチ、USBポート4基、3.5mmオーディオジャックなどが搭載されている

このほか、同クラスのゲーミングPCよりも大きな140mmサイズのファンを搭載したり、天面やサイドパネルにメッシュ状の吸排気口を設けるなど、冷却性能も大幅に強化されている。実際に本体を机上に設置して重量級ゲームを動かしてみたが、動作が安定しておりファンの音が低く小さいため、プレイに没入しやすかった。

  • サイドパネル前方にメッシュ状の吸気口、天面に排気口が設けられ、内部に140mmサイズのファンが搭載されるなど、将来的に主要パーツの高発熱化が進んでも耐えられるよう冷却性能が強化されている

● 気になる性能をベンチマークでチェック!

今回試したのは、ラインナップのうち「U-Series」のIntel Core搭載モデル「GALLERIA UA9C-R80T」をベースにしたもので、CPUが10コア20スレッドのIntel Core i9-10900K、グラフィックスがNVIDIA GeForce RTX 2080 Ti、メモリが16GB DDR4 SDRAM、ストレージが1TB NVMe SSD+1TB SATA SSD+2TB HDDという構成だった。

試用機の主なスペック
CPU Intel Core i9-10900K
(3.70GHz-5.20GHz/10コア/20スレッド)
グラフィックス NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti 11GB
(HDMI×1、DisplayPort×2、USB TYPE-C×1)
メモリ 16GB DDR4 SDRAM(PC4-23400)
ストレージ 1TB NVMe SSD、1TB SATA SSD、2TB HDD
ケース SKプレミアム

その性能をチェックするため、まず「CINEBENCH R20」「PCMark 10」「3DMark」「CrystalDiskMark」を実施した。

CINEBENCH R20
CPU(マルチコア) 6173pts
CPU(シングルコア) 545pts
  • CINEBENCH R20の結果。10コア20スレッドのCPUを搭載しているだけあって、マルチコアのスコアが非常に高い

PCMark 10
総合スコア 7872
Essentials 10677
Productivity 9944
Digital Content Creation 12469
  • PCMark 10の結果。基本性能を示すEssentials、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivity、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationのいずれもが快適に動作する目安の3,000を大きく超えている

3DMark(Graphics score)
Time Spy Extreme 6632
Time Spy 13820
Fire Strike Ultra 7869
Fire Strike Extreme 16016
Fire Strike 32961
  • DirectX 12世代の代表的なテストであるTime Spyの結果。Graphics scoreが13000を超えており、3D性能の高さがわかる

CrystalDiskMark(1TB NVMe SSD)
1MiB Q8T1シーケンシャルリード 3341.97MB/s
1MiB Q8T1シーケンシャルライト 2998.77MB/s
1MiB Q1T1シーケンシャルリード 1788.32MB/s
1MiB Q1T1シーケンシャルライト 2478.49MB/s
4KiB Q32T16ランダムリード 1411.13MB/s
4KiB Q32T16ランダムライト 2930.41MB/s
4KiB Q1T1ランダムリード 53.77MB/s
4KiB Q1T1ランダムライト 174.97MB/s
  • システムがインストールされているSSDはNVMe接続だけあってシーケンシャルリードが3000MB/sを超えており、非常に高速

CrystalDiskMark(1TB SATA SSD)
1MiB Q8T1シーケンシャルリード 556.73MB/s
1MiB Q8T1シーケンシャルライト 530.80MB/s
1MiB Q1T1シーケンシャルリード 543.56MB/s
1MiB Q1T1シーケンシャルライト 519.76MB/s
4KiB Q32T16ランダムリード 402.54MB/s
4KiB Q32T16ランダムライト 341.49MB/s
4KiB Q1T1ランダムリード 40.84MB/s
4KiB Q1T1ランダムライト 99.26MB/s
  • 試用機にはセカンダリディスクとしてSATA接続のSSDも搭載されていた

CrystalDiskMark(2TB HDD)
1MiB Q8T1シーケンシャルリード 199.44MB/s
1MiB Q8T1シーケンシャルライト 191.26MB/s
1MiB Q1T1シーケンシャルリード 199.22MB/s
1MiB Q1T1シーケンシャルライト 192.12MB/s
4KiB Q32T16ランダムリード 1.75MB/s
4KiB Q32T16ランダムライト 1.25MB/s
4KiB Q1T1ランダムリード 0.62MB/s
4KiB Q1T1ランダムライト 1.16MB/s
  • 試用機には2TBのHDDも搭載されていた。HDDとしては十分高速だ

10コア20スレッドのIntel Core i9-10900KとNVIDIA GeForce RTX 2080 Tiを搭載しているだけあって、CPUやグラフィックスの性能が非常に高いことがわかる。特にグラフィックスは1つ前の世代のGTX 1080 Tiに比べて、負荷が高いテストほどスコアが向上する傾向にあり、Direct X12の4K解像度でのテスト「Time Spy Extreme」では50%近くアップしている。

そこで、代表的なPCゲームでも性能をチェックしてみた。

PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
解像度 グラフィック
設定
平均フレームレート
1,920×1,080 非常に低い 220fps
1,920×1,080 212fps
1,920×1,080 ウルトラ 198fps
2,560×1,440 非常に低い 220fps
2,560×1,440 206fps
2,560×1,440 ウルトラ 172fps
3,840×2,160 非常に低い 194fps
3,840×2,160 124fps
3,840×2,160 ウルトラ 90fps

※インゲームでのFPS上限値を無制限に、レンダリングスケールを100に設定し、全体的なグラフィックの品質を「非常に低い」「中」「ウルトラ」にしてFrapsで計測。それぞれ2回実行して平均値を出している。

  • PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDSはトレーニングモードで計測。4Kの中くらいまでなら高リフレッシュレート液晶ディスプレイでヌルヌル快適にプレイできる。
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ハイクオリティなPLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDSでも十分快適。フルHDならいずれも高リフレッシュレート液晶の性能を生かして、ヌルヌル動く滑らかな映像でプレイできるのがわかる。

メーカーでは、GTX 1660 Super以上のグラフィックスを搭載したモデルをヘビーゲーマー向け、GTX 1650搭載モデルをライトゲーマー向けと位置付けている。PCゲームの種類や、プレイする環境によってはRTX 2080 Tiほどの性能がなくても楽しめるので、予算や目的、環境に合わせて選ぶのをおすすめする。どの構成にしても、冷却性能に余裕のあるGALLERIAならCPUやグラフィックスの本来の性能を十分に発揮してくれるはずだ。

最後に、今回の試用機のベースモデル「GALLERIA UA9C-R80T」の基本仕様を紹介しておく。CPUグリスから電源に至るまできめ細かくカスタマイズできるので、ぜひ自分好みの構成にして、頼りになる「相棒」をゲットしてみてほしい。

標準スペック

メーカー サードウェーブ
型番 GALLERIA UA9C-R80T
CPU Intel Core i9-10900K
メモリ 32GB DDR4 SDRAM
SSD 1TB NVMe SSD
HDD 2TB HDD
光学ドライブ -(カスタマイズで選択可能)
グラフィックス NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti 11GB
(HDMI×1、DisplayPort×2、USB TYPE-C×1)
OS Windows 10 Home 64ビット
LAN ギガビットLANポート
インタフェース 前面:USB 3.2 Gen1 Type-A×4、背面:USB2.0×2、USB3.2 Gen2×2(Type A×2)、USB3.2 Gen1×2(Type A×2)
ケース ガレリア専用 SKケース(ATX)プレミアム(アルミ)
サイズ W220×D440×H480mm
重量 約14kg
価格 359,980円(税別)

[PR]提供:サードウェーブ