マイナンバー制度っていうけれど、企業は何をやらなければいけないの？

マイナンバー対応を簡単・スムーズに実現するクラウドサービスが誕生

ここまでの説明でお分かりのとおり、企業にとってマイナンバーの影響を強く受けるのが、人事や経理にかかわる業務だ。源泉徴収、住民税徴収、社会保険料の支払い、それに法定調書の準備のため、まず従業員や従業員の家族、取引先などのマイナンバーを取得しなければならない。そしてマイナンバーを記載した帳票へと変更するなど、事務自体も大きく変わることになる。

実はこの、従業員などからマイナンバーを取得する手続きに頭を悩ませている企業がとても多い。マイナンバーを取得する際は、本人に利用目的を明示するとともに、他人へのなりすましを防止するために厳格な本人確認を必須とするからだ。この本人確認には、正しい番号であることの確認（番号確認）と現に手続きを行っている者が番号の正しい持ち主であることの確認（身元確認）が必要なのだが、原則として以下の3つのうちいずれかの方法で行わねばならない。

① 個人番号カード（番号確認と身元確認）
② 通知カード（番号確認）と運転免許証など（身元確認）
③ 個人番号の記載された住民票の写しなど（番号確認）と運転免許証など（身元確認）

対面だけでなく、郵送、オンライン、電話によりマイナンバーを取得することもできるが、この場合にも、上記の番号確認と身元確認が必要だ。いずれにしても、従業員が多ければ多いほど、本人確認の手続きが極めて煩雑な作業となりそうなことは容易に想像できるのではないだろうか。とりわけアルバイトを多く抱える多店舗を展開する企業にとっては、悲鳴を上げたくなるような作業だろう。また、従業員にとっても、「いちいち書類を用意して提出しなければならないなんて面倒！」と感じるはずだ。

そうしたマイナンバー対応を筆頭とする、人事担当者の数々の悩みの解決策となるのが、ヒューマンテクノロジーズがこの3月にリリースした人事・人材管理のクラウドサービス「huubHR（ひゅーぶえいちあーる）」だ。同製品を使えば、エクセルや紙などでバラバラに管理されていることの多い人事データを、Web上でシンプルに一元管理できるようになるのである。

同社チャネル開発部の高尾氏は、「マイナンバー制度で求められているセキュリティに関しても、データベースの二重化やデータのバックアップ、SSL暗号通信、脆弱性診断、マイナンバー部分の暗号化保管など各種対策を実施していますので、安心してお使いいただけます」と語る。

煩雑で難しいセキュリティ対策を自社で手がけるより、その道のプロに任せてしまったほうが、楽だし安全だと言えよう。

そんなhuubHRの特徴の1つとして、管理項目を自由にカスタマイズできる柔軟性の高さがある。こうしたこだわりは、パッケージソフトではあまり見られないものだ。自分の会社のニーズに合わせて、管理項目を簡単かつ自由に好きな名称で作成できることがどれだけメリットが大きいかは、人事業務に携わる人々であればすぐに実感してもらえるだろう。

「huubHR」の個人管理項目画面。自由度が高く、自分好みにカスタマイズが可能

もう1つの大きな特徴は、「更新日付」と「適用日付」での履歴管理ができる点だ。あの人のあの頃の給与はどうだった？部署異動前の役職は何だったっけ？……など、従業員ごとの情報の推移を、入社から退職まで無期限に見られるのである。同様なことをもしエクセルでやろうとしたら……考えるだけで目が眩んでしまう。

他にも、柔軟なデータのエクスポート・インポート、検索フィルタリングなど、人事業務で“使える”機能が満載だ。

そして、マイナンバー制度の開始に向けて、マイナンバー対応機能もこの夏に次々とリリース予定となっている。例えば、前述の多くの企業が悩むマイナンバー取得にしても、従業員が自分自身で確認書類をスマホで撮影し、専用サイトからアップロードできるようになる。これならば、アルバイトをはじめ従業員は自宅でも簡単に手続きが完了できる。管理する側もマイナンバー取得に関わる作業を大幅に軽減することが可能だ。

「各店舗から本社に書類をどうやって送るのかといった、安全面の問題も回避することができます」と高尾氏は言う。

同社では、2004年よりクラウド勤怠システム「KING OF TIME（キングオブタイム）」を提供しており、これまで4500社、350000人の利用実績を誇る。そこで培われたノウハウや技術を活かしたのが、huubHRなのだ。このKING OF TIMEとの連携機能も目下開発中であり、近々人事データと勤怠データの連携が実現する予定だ。今後も、ヒューマンテクノロジーズが提供する「huubHR」の動向に注視すべきだろう。