少し古いMacBook Proも、まだまだ現役。Mavericks(OS X 10.9)の動作対象機種には、2007年に発売されたMacBook Proも含まれている。MacBook Proの内蔵HDDを最新のSSDへと換装して、Mavericksを快適に使えるようにしてみてはいかがだろうか。

2012年にも、MacBook Pro 13インチモデル(Mid 2010)の内蔵HDDをSSDへ換装する方法を紹介しているが、OS環境もSSDの世代も新しくなっているので、ここで改めてMacBook ProのSSD換装をまとめてみたい。以前の記事では、OSは「Mountain Lion」(OS X v10.7)、換装用のSSDはサムスンの「Samsung SSD 830」だった。2014年3月現在、OSは「Mavericks」(OS X 10.9)、サムスンのSSDは「Samsung SSD 840」から「Samsung SSD 840 EVO」へと世代が変わっている。今回は最新のSamsung SSD 840 EVOを使うが、別シリーズとのベンチマーク比較も行う。

Mavericksを快適に使うために

最新OS「Mavericks」は数世代前のMacでも動作するが、どうせなら快適に使いたいもの

サムスンの最新となる(2014年3月現在)2.5インチSSD「Samsung SSD 840 EVO」

PCには、システム全体の処理速度低下につながる原因(ボトルネック)となる要素がいくつかある。演算を担うCPUはその代表格で、CPUのクロック数やコア数はパフォーマンスに直結する。アプリケーションの一時作業領域となるメモリも、十分な容量を確保しなければページアウトが頻発して速度低下を引き起こす(ページアウトを簡単にいうと、メモリの内容をHDD/SSDなどのストレージに書き出し、当座必要なメモリ領域を確保すること)。また、USBなど外部機器の接続インタフェース規格、IEEE 802.11acなど無線LANの規格も、旧規格より新規格のほうがパフォーマンスは有利だ。

それらがボトルネックとして認識されるのは、OSをバージョンアップするタイミングだ。OSが世代交代するたびにハードウェアの要求スペックが引き上げられ、買い替えの需要を生み出す。こうしたエコシステムのもと、PC業界は成長してきた。

Macに関していう限り、ここ数年、OSが要求するハードウェアスペックの切り上げ幅は穏やかだ。メニーコア/64bit CPU以上を要求したLion(OS X 10.7)以降は、要求スペックの目立った変更は行われていない。実際、Mountain Lion(10.8)と最新のMavericks(10.9)は、2007年発売のMacBook Proが動作対象機種とされるなど、対応モデルは同じだ。

現在利用しているOS環境をそっくりそのまま高速化できたら……ボトルネック化した内蔵HDDが目の付けどころだ

とは言っても、OSが多機能化/高機能化の方向を目指していることに変わりはない。多機能になればアプリケーションのサイズは肥大化し、それだけ起動時間を要することになる。クラウドの連携強化はすなわちトラフィックの増加につながるため、より高性能なCPUを積むマシンのほうが有利なことは確かだ。数年前のMacはまだまだ現役で使えるが、OSのバージョンアップに合わせて、手を加えるべき箇所は加えたほうがいい。

ではどこに手を加えるべきかというと……それは「内蔵ディスク」だ。特に数世代前のノート型機の場合、内蔵2.5インチHDDの読み取り速度はせいぜい数十MB/秒、ここを高速化できればシステム全体のパフォーマンスは確実に向上する。CPUは換装できなくても、内蔵ディスクをスピードアップできれば、Macの操作感は体感できるレベルで変わるはずだ。