LINEは12月5日、LINEアカウントメディア プラットフォームの記者発表会の中で、同社が運営するキュレーションプラットフォーム「NAVERまとめ」の新運営方針を明かした。ここ最近のキュレーションメディアの問題を契機に、「以前から社内で議論してきた内容を実施に移すことになった」という。

LINE 上級執行役員 メディア担当 島村 武志氏

ロボット検索の欠点を補うキュレーションプラットフォーム

発表したLINE 上級執行役員 メディア担当 島村 武志氏は、NAVERまとめの立ち位置について、「コンテンツを生み出すメディアではなく、あくまで情報流通の役割を担うプラットフォーム。ロボット検索ではドキュメントとして優れたものが上位にくるため、本当においしいラーメン屋、本当に雰囲気の良い女子会会場を見つけるのは難しい。そこを補うために、ユーザーがそれぞれの価値感でまとめて共有してもらうためのサービス」と解説。

続けて、「誰でも使えるオープンな場を提供しつつ、ホワイトリスト施策によりサイトのガイドラインや法規制に反するものを排除してきた」とこれまでの活動を振り返り、「もちろん運営側では判断できないものもあるが、申請を簡略化するなどして、問題あるコンテンツの情報を集める施策も展開している。昨今の問題を受けて新たに規制するような必要性は、現段階ではない考えている」とコメントした。

2つの新方針を発表 - 「難しいチャレンジだが2017年中に開始」

そのうえで、今後の方針として以下の2点を発表。いずれも具体策は検討中だが、2017年中の運用開始を目指すと言う。

1. まとめ作成者にオーサーランクを適用
2. 1次情報発信者の権利保護、まとめられた場合にインセンティブを還元

1つ目のまとめ作成者のオーサーランクに関しては、LINE IDでの認証を検討しているほか、作成者のバックグラウンドや過去の実績をベースに審査/認証/ランク付けする方針。また、オーサーランクによってまとめコンテンツの表示順やインセンティブレートを変えていくことを検討している。「情報の真贋については、時間とともに変わることもあるので運営側で見極めるのは難しい。まとめ作成者の実績や”人となり”で、少しでもユーザーに判断基準を提示できれば」と説明した。

一方、1次情報発信者の権利保護に関しては、「まとめられる権利があれば、まとめられない権利もある」と述べ、1次情報発信者側で利用範囲を設定できる機能を追加する意向を発表。サイト/URL単位で1次コンテンツのオーサー登録を受け付け、審査/認証が完了するとこの機能が有効になる見込み。加えて、広告収益の配分は、まとめ作成者にしか行われなかったが、今後はまとめられた側にも還元する予定だという。

いずれも実現に向けては課題がいくつかあるうえ、運営側で必要なリソースも大幅に増えることになるため、「NAVERまとめとしては利益を削ることになるかもしれない」とコメント。「それでも、運営者の責務として実施しなければならないと考えている」とし、本気で取り組む決意を示した。