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"伴走型"で継続性のあるDX導入とは? - 東急ベルのECサイト事例

[2021/09/01 09:30]伊藤正子 ブックマーク ブックマーク

9月1日、社会全体のデジタル化に拍車をかけるべく、ついにデジタル庁が発足する。日本企業におけるDXの推進も、ますます加速していくだろうことは言うまでもない。その一方で、総務省が7月に公開した「令和3年版 情報通信白書」では、多くの企業がDXを進める上でIT人材不足や資金不足、技術的な知識不足といった課題を抱えていることが指摘されている。

こうした状況を踏まえ、サイボウズは8月27日、オンラインメディアセミナー「理想なきDXは『ダメックス』? サイボウズが紐解くDXの3大失敗原因と解決法 ~東急のkintone導入事例から成功の秘訣を解き明かす~」を開催した。

セミナー前半では、サイボウズ 事業戦略室 kintoneビジネスプロダクトマネージャー 相馬理人氏が登壇し、日本における最新のDX失敗パターンとその解決法について解説(関連記事:ダメなDX=「ダメックス」を解決する3つのポイントとは? - サイボウズ)。

後半では、相馬氏の司会の下、ローコード/ノーコード開発ツール「kintone」の導入支援を行うミューチュアル・グロース セールスプロモーション部 部長 澤田周五郎氏と、同社の支援を受けてDXを前進させた東急 リテール事業部 東急ベル推進グループ 事業推進担当 シニアマネジャー 須田良昭氏によるトークセッションが行われた。

須田氏、澤田氏

澤田氏によれば、DXを実現していくには、改革を進める企業自身だけでなく、それをサポートするSIerにも新たな体制や方法論の導入が必要だという。

本稿では、トークセッションの内容を基に、DXの現場を知る当事者たちの”生の声”をお届けする。

Excelを駆使していたECサイトの”裏側”

東急が運営する東急ベルでは、「ホーム・コンビニエンスサービス」と銘打ち、東急線沿線を中心に食品/日用品の宅配や家事代行、ネットスーパーなど70以上のサービスを提供している。そのうちの一つ、食品を主に扱うECサイト「SALUS ONLINE MARKET」のバックオフィス業務では、その多くがExcel中心で対応されていた。

具体的には、サイトから注文情報を抽出してExcelで管理し、各店舗への商品発注や、実際に商品が発送されたかどうかの進捗/支払いの確認もExcelベースで実施。また、商品情報の定期的なメンテナンスでは、指定のExcelで店舗からデータを受領してECサイトに反映するため、Excelからの転記や入力内容のダブルチェックに多大な労力がかかっていたのである。

kintone導入前

東急は、いかにしてこうした状況を打開していったのか。セッションでは、そのプロセスが順を追って語られた。

――まず、今回のDXプロジェクトが始まったきっかけを教えてください。

須田氏:ECサイトを開設したものの、バックオフィス業務に手が回らず、Excelを多用していて、担当者からは「勘弁してほしい」と言われていました。作業が煩雑になっていたので、何かシステムを入れて効率化を図らないといけないと考えたのがきっかけですね。

また、散在する情報を一元化することで、売上拡大や販売促進にも注力したいと思っていました。とは言え、システム改修の度に費用がかかるスクラッチ型だとコスト的に厳しいですし、改修を内製でやるスキルはないしという状態で探していたところ、内製化まではいかなくても自分たちでできそうなkintoneに出会いました。

――導入に際してはいろいろな選択肢があったと思いますが、ミューチュアル・グロースさんを選んだ理由は?

須田氏:システム開発となると、ある程度長期にわたるので、信頼できるパートナーが重要だと思います。kintoneを導入すると決めてから、いくつかの導入支援企業にプレゼンしてもらったのですが、当社側の担当者6名が満場一致で選んだのがミューチュアル・グロースさんでした。多分、皆パートナーとして信頼できる関係が築けそうだと感じたのではないかと思います。

――そうした場で満場一致で決まるケースは珍しいと思います。どんな提案だったのでしょうか?

澤田氏:提案当時、kintoneを導入することは決まっていましたが、”箱”を提供するだけではうまくいきません。メンテナンスしやすいかたちにするために、kintoneはローコード/ノーコードで一部カスタマイズ(プログラミング)することもできますが、カスタムは極力控えて標準機能やプラグインを十分活かすような構成をご提案しました。

また、kintoneのもう一つの側面として、個別の業務に対応するだけでなく、業務改善プラットフォームという位置付けもあります。そうしたサイボウズさんのコンセプトをお伝えしたり、対応する代表的な機能を紹介したりしました。

開発の進め方に関しては、最初に全て定義して一括で進めていくような従来型のモデルではなく、(顧客と)一緒に柔軟に進めていくアジャイル的な発想を入れ込むように意識しました。

ポイントとして、長期的に接することになるので人との相性の善し悪しはプロジェクトの成否に影響します。そのため、体制図をご案内するというよりは、個人の人柄やkintoneへの理解度といった個人を中心とした紹介を提案のなかに含めました。

――言われた要件に対して「うちはこれを使って○○円でできます」といった提案が一般的だと思うのですが、こうした提案を聞いて、受け手側としてはいかがでしたか。

須田氏:正直、ちょっと抵抗感はありました。通常、完成されたシステムが納品される場合がほとんどので、一緒に作り上げていくという提案に対して「我々でできるのか」という懸念はあったと思います。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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