9月9日のAppleスペシャルイベントでは、iPad Proのプレゼンテーションの終盤に、価格のみがアナウンスされたiPad mini 4。イベント後に実施されたハンズオンでも、ひっそりと陳列され、ちょっと目立たてなかったiPad mini 4。しかし、中味のほうは着実な進化を遂げていた。本稿では存在をしっかりアピールしているiPad mini 4の強化点を探り、その魅力を紹介していきたい。

iPad mini 4

外観から見ていこう。幅は134.8mm、高さは203.2mm、厚さは6.1mm。販売が終了してしまっているので、全モデルのiPad mini 3と比較することの意味はさほどあるとも思えないが、一応、チェックすると、幅は0.1mm、高さは3.2mmそれぞれ大きくなっている。一方、厚さは1.4mm薄くなっている。重量はというと、Wi-Fiモデルは298.8gで、Wi-Fi+Cellularモデルは304g。こちらもiPad mini 3と比べると、Wi-Fiモデルは32.2g、Wi-Fi+Cellularモデルで37g軽くなっている。30g強、40g弱の軽量化が図られているのだが、これ、いろいろと携行するユーザーにとっては嬉しいことだ。筆者は現在、iPad Air 2のWi-Fi+Cellularモデルを携行しているが、その前は初代iPad miniを持ち歩いていた。iPad miniもWi-Fi+Cellularモデルだったのだが、当時は大容量のバッテリー積んだモバイルルーターとして活躍する場面が多かったと記憶している。iPad Air 2もiPad miniも同じような使い方をしているのだが、段々と増える荷物に耐えられなくなりつつあり、そんなに使用感変わらないならiPad mini 4にしようかなという気になってきている。この軽量化は意外とアドバンテージとしては大きいと思えるのだ。

薄くなり軽量化が図られている

ディスプレイのサイズは7.9インチ、解像度は2,048×1,536ピクセルで、現行モデルとして残ったiPad mini 2と同じ(3とも同じ)。外見からは分からないが、ディスプレイ部分は設計が見直され、iPad Air 2と同様の「フルラミネーションディスプレイ」構造が採用されている。カバーガラスとタッチセンサー、LCDという各層のギャップを除去しているのだが、これにより薄く、軽くなるだけでなく、各層間で生じていた光の反射がなくなり、より良い画質、より鮮やかな色をより優れたコントラストで表現できるようになった。反射防止コーティングも施され、屋外で使用する場合での視認性が高くなっている。

消音/回転ロックの切り替えスイッチが廃止され、「コントロールセンター」から切り替えを行うという仕様になった

スピーカーの穴は2列だったのが1列に変更となっている

サイズ以外の外観はと言うと、ボタン類の配置が変更されている。iPad mini 3以前のモデルでは本体の右の音量調整ボタンの隣に消音/回転ロックの切り替えスイッチが存在していたが、それが廃止され、iPad Air 2のように画面下からスワイプした際に現れる「コントロールセンター」から切り替えを行うという仕様になった。またスピーカーの穴が2列だったのが1列になっている。この辺は薄型になったことと関連していると推測される。

iPad mini 4 SmartCover

iPad mini 4 シリコーンケース

若干、寸法が変わったということで、純正アクセサリも新しくなっている。「iPad mini 4 SmartCover」と「iPad mini 4 シリコーンケース」の2種類がラインナップされており、それぞれ10のカラーバリエーションを用意している。

背面のiSightカメラは8メガピクセルに

前面のFaceTime HDカメラは撮影機能が強化された

続いて、カメラ機能を紹介。背面のiSightカメラは8メガピクセルとなった。これもiPad Air 2と同等である。前面のFaceTime HDカメラは1.2メガピクセルで、iPad mini 2/3と同じだが、センサーが強化され、より大きなピクセルが採用されたことで、明るさが足りない場所での性能が向上している。また、iSightカメラ、FaceTime HDカメラともにバーストモードに対応。さらに動画でのスローモーション撮影が可能となっている。つまり、ほとんどiPad Air 2と同性能/同機能となったのである。

Touch IDは反応速度が従来の倍に

Touch IDも改良され、反応速度が従来の倍となった。また、センサーに気圧計が加わっている。地味な強化点だが、こういうところでも着実な進化が見られる。