2010年9月のニュース検索急上昇ランキングで1位となった「尖閣」が、同11月に動画検索1位となって再登場。新聞社の2010年10大ニュースにも入ったこの出来事がこれだけ騒がれたのもYouTubeへの動画投稿があったからこそ、と言えるだろう。行動の可否については様々な意見があるが、ネットの速さと広さがネット住民以外にも広く認識された機会となったことは間違いない。

2010年11月のGoogle検索急上昇ワード

■PC検索ランキング
順位 ■通常検索 ■イメージ検索
1位 松平健 シュエルー
2位 ライラの冒険 比留川游
3位 アジア大会 いきものばかり
4位 アニソン大辞典 三浦皇成
5位 海老蔵 福島千里
6位 黄砂 七尾藍佳
7位 タクティクス オウガ 攻略 つぐみ
8位 iOS4.2 桜井舞
9位 いきものばかり ウィリアム王子
10位 火鍋 銀座 海老蔵
■その他の検索ランキング
順位 ■動画検索 ■ニュース検索 ■レシピ検索
1位 尖閣 稼頭央 コラーゲン鍋
2位 尖閣諸島 松平健 かぼちゃ
3位 美男ですね 漫画家 レシピ
4位 ユーチューブ 日本一 大根
5位 初音ミク 神風 カレー
6位 イケメンですね 海保職員
7位 いきものがかり 海老蔵 白菜
8位 カラ iOS4.2 さつまいも
9位 コブクロ 賞金王
10位 佐藤かよ 配偶者控除 豆腐
※本データは、Google Zeitgeistのアルゴリズムに基づき、日本における検索傾向を集計したものです。前月から検索量が増加しているクエリを抽出しています。提供/Google

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アジアの壁は高かった……日本スポーツ界の課題

2010年は冬季五輪やサッカーワールドカップなど、世界的なスポーツイベントが開催された。2010年11月の急上昇ランキング3位に入った「アジア大会」もその一つだ。アジアオリンピック評議会が4年に1回主催するもので、今回が16回目。45の国と地域から約1万人が参加し、42競技・476種目という大規模な競技大会である。カバディやセパタクロー、囲碁といった、他のスポーツイベントであまり見られない種目があることも特徴だ。テレビ中継される機会は少なかったが、日本女子選手として初めての100m・200m二冠を達成した陸上の福島千里選手、男女とも初優勝に輝いたサッカーなど、多くの競技で日本人選手の活躍が報じられた。しかし、最終的な金メダル獲得数は目標の60個に届かず48。獲得数1位の中国(119個)・2位の韓国(76個)に水をあけられ、2012年のロンドン五輪に向けた課題も見えた形となった。

4位の「アニソン大辞典」は、NHK-FMで放送された秋の特集番組。放送は11月9日~13日、16日~20日の計10日間に渡り、各回2001~2010年の10年間を1年ずつ順に追う内容となっていた。同時にWeb上では"アニソン大辞典"ページに掲載するコンテンツの募集が行われ、2001年以降に放送された作品を対象にタイトルとエピソード(作品・歌手・声優・作曲者等について)をリスナーが投稿。辞典というよりは「曲もいいしアニメも面白くて最高です」のようなラジオ番組向けお便りのような内容が多いのだが、100タイトル以上が掲載され現在も閲覧が可能となっている。

「海老蔵」(5位)事件が最初に報じられたのは11月24日。つい最近までワイドショー番組等で騒がれていたような記憶があるのだが、よく1カ月も話題を引っ張ったものである。約1カ月を経て何となく事態が収束へ向かったようだが、これ以上何か騒がれたとしても見ている方もチャンネルを変えるほど飽きてますので、各局には悪しからずご了承のほど。

日本一に輝いた「ロッテ」「早稲田」、そして「おやつ」

動画検索は1位・2位が「尖閣」「尖閣諸島」と、中国漁船衝突問題関連のワードが占めた。YouTubeに投稿された動画が見つかり、それが瞬く間にネット上へ広まった一晩の出来事は、ネットが世界を相手にメディアとなったときの威力を見せ付けた。それを追うように、翌日のニュース番組でYouTubeからダウンロードしたと思われる動画が繰り返し放映されたことも印象的だった。動画検索のランキング4位に今さら「ユーチューブ」というワードが入っているのは、これまで同サイトを知らなかった人が報道でその名称を聞き、アクセスを試みたことによるものではないだろうか。この投稿動画が注目されたことにより、漁船が海上保安庁巡視船に衝突したことそのものよりも、機密扱いだった映像が簡単にネット上で公開されたこと、およびその経緯と犯人探しに問題がすりかわったようなきらいがある。視聴者が衝撃的な映像に見飽き、投稿した海上保安庁職員の処分も確定した頃にはあまりニュースにもならなくなったが、本来の問題はまだ何も解決していない。

ニュース検索では尖閣諸島問題よりも、8年ぶりの日本復帰が報じられたプロ野球選手「松井稼頭央」の注目度が高かった。4位の「日本一」は第7戦まで激しい戦いが続いたプロ野球日本シリーズや、早稲田の大学野球初優勝が影響したと思われるが、実は「おやつ日本一」が決定した日付に急激な上昇が見られたようだ。突然現実を突きつけるのが10位の「配偶者控除」。こども手当上積みのための財源として有力視されていたが、結局見送られ、相続税の増税や高所得者の給与所得控除、成年扶養控除の縮小などが引き当てられることとなった。子供のない世帯や単身者は、そろそろ言いたいことも溜まっているのではないだろうか。

「日本一」の人気度の傾向。関連クエリとして「日本一ソフトウェア」「ロッテ」などを抜いて「おやつ日本一」が

レシピ検索のトップは「コラーゲン鍋」。お肌の乾燥が気になる季節だけに、食べ物にも気を配りたいという女性たちの気持ちが反映されているようだ。しかし、コラーゲンを摂取したところで消化吸収時には普通のたんぱく質やプロテインと同じく一度アミノ酸まで分解される。食べた分が直接肌に吸収されるワケではないので、過度に期待しないほうがよいだろう。ランキングではその他、大根や白菜など季節の食材が多く並んでいるが、その中にあって定番メニューの「カレー」がランクインしたことに注目。需要は通年ある上に、とくに高まるのは夏だという印象があるため、このタイミングで急上昇とは意外だ。

ところでこのGoogleレシピ検索には、材料のほかに「調理時間」や「エネルギー」で絞込みがのできる機能がある。今回は30分以下でできるカレーを探し、調理してみた。手早く作りたい時やヘルシーな献立にしたい時にお勧めの機能だ。

グッチ裕三のレシピ「ニュートンカレー」。リンゴが隠し味でなく鶏と並んでメインの具。調理時間「20分」となっていたが……

30分ほどかかってしまった。お味は強烈にフルーティかつスパイシーで、甘・酸・辛が一体となった濃厚な旨味が楽しめます

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新潟県央情報交差点:……おやつ日本一に輝いた新潟県弥彦村・分水堂菓子舗の「パンダ焼き弥彦むすめ餡」