マイクロソフトが主催する国際ITコンペティション『Imagine Cup 2010』が7月3日(現地時間)、ポーランドの首都ワルシャワで開幕した。ポーランド元首相で現副首相であるWaldenar Pawlak氏も参加したグランドオープニングセレモニーは、文化科学宮殿(Palace of Culture)前で行われた。
国際ITコンペティション『Imagine Cup 2010』レポート
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ヨーロッパ大陸の中心に位置し、中央ヨーロッパの政治、経済、交通の要衝となっているここワルシャワは、ショパンやキュリー夫人といったように、文化と科学という異なる分野から偉人たちを生み出してきた。街そのものも、戦争の廃墟から復元された歴史的な建物と近代的な建物といった具合に対照的なものが混在し、独特な雰囲気を生み出している。
そんなワルシャワを象徴するかのような建物のひとつが「文化科学宮殿」だ。当時、旧ソ連スターリンの指示で建てられたという42階の建物の中には、金融や外資など先進的な企業のオフィス、ポーランドの科学アカデミーをはじめとして、映画館、博物館、図書館までが入っている。
テクノロジーを活用して、世界の社会問題を解決する
マイクロソフト・ポーランドのジェネラルマネージャーJacek Murawski氏 |
オープニングに登壇したマイクロソフト・ポーランドのジェネラルマネージャー Jacek Murawski氏はまず、「ここにいるみんな(69カ国400人)は、世界170カ国、33万人以上が参加した予選を勝ち抜いて選ばれた人たちです。つまりすでに勝者であり、各国の代表者であることに誇りを持ってほしい」と、参加した会場の学生たちを称えた。そして、「経済事情や文化などが異なる国々が多数参加していることにも、そして、"ガールズ"がこんなに多いことにも感銘を受けている」と、女子学生たちに向けての特別な声援も送った。
2010年の大会テーマは、"テクノロジーを活用して、世界の社会問題を解決する"。Murawski氏は、困難なテーマに取り組む学生たちに語りかけた。
「この大会は、先端の情報技術を駆使して競い合うコンペティションだが、重要なことは、実際の課題として『国際ミレニアムの開発目標』が底にあること。課題の中には解決不可能と思われることもあるが、決してそんなことはない。私が19歳のころのポーランドを振り返れば、絶望的と思えるような経済状況や教育レベルの低さなど、問題が山積みだった時代がある。だからこそ、20年間のポーランドの発展を見てきた中で、無理難題と思われたものでも取り組む姿勢を持てば、きっと解決できると確証している。未来を君たちに託したい」。
ショパンから学生へ「伝統を重んじつつ、積極的にチャレンジせよ」
「エンジニアであり、過去にポーランドの首相を2度務め、ポーランドの発展に寄与してきた人物」として紹介されたポーランド副首相のWaldenar pawlak氏。学生たちへのウェルカムメッセージの中で、「ポーランドは、ショパン、コペルニクス、キュリー夫人といった人物の故郷であり、今年はショパン生誕200年という記念の年です。そこで、ショパンであれば、今の私たちにこんなことを告げるのではないでしょうか」。ショパンの代弁として「Traditionally Modern(トラディショナリー・モダン)であれ」と学生たちに投げかけた。
ポーランド副首相のWaldenar pawlak氏は昨年のエジプト大会にも訪れている |
このメッセージは、「伝統的精神で臨む、積極的かつ創造的なチャレンジ」を続けてほしいという意味合いを持つ。まさに、これからの技術発展のあり方を正しく導いていくためのキーワードと考えられる言葉だ。
マイクロソフト、グーグル、ツイッターに続け
エデュケーション担当でコンペティション責任者を務めるJon Perera氏 |
最後に登壇したマイクロソフト エデュケーション担当で競技責任者を務めるJon perera氏からも熱いメッセージが送られた。「Window Phone 7、Silverlight、クラウドと、今年はこれまでにない技術革新の真っ只中にいる年である。その中で、君たちの世界的課題に対する真剣な取り組みと、高度なプロジェクトな内容に大きな感銘を受けている。振り返ってみると、マイクロソフトに始まりグーグル、フェイスブック、ツイッターと、25歳以下の学生ベンチャーから生まれたテクノロジーカンパニーが、イノベーションを起こしてきた。だから、次にイノベーションを起こすのは、ここにいる君たちなんだ。世界のリーダーとして活躍することを期待している」。
実際のコンペティションは、現地時間7月4日より、ラウンド1、ラウンド2、決勝の順に進み、優秀賞の発表と授賞式はImagine Cup最終日となる8日、オペラハウスにて行われる。追ってレポートしていく予定だ(下記はPAKENがプレゼンするソリューションの概要ビデオ)。
『Imagine Cup 2010 Poland』大会の模様はこちらでチェック!
日本チームTwitterアカウント | @ImagineCupJP |
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Twitter用ハッシュタグ | #Imaginecupj |
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Imagine Cup 2010 Poland 公式サイト | こちら |
Imagine Cup 2010 Poland 動画サイト | こちら |