若者はググらない(検索サイトを使わない)――以前は驚かれたこの行動も、そろそろ世代を超えて浸透しつつありますね。ググらないといっても検索しないわけではなく、検索サイトではなくSNSを検索して情報を得ているのです。

最新のニュースを知るならTwitter、ファッションやコスメについて知りたいならInstagramといった具合です。お父さん世代でも、地震が起きたらすぐTwitterに集合し、震度を確認している人もいるでしょう。SNSは人とつながるだけでなく、情報を共有する場としても便利に使われていますね。

最近は、賃貸マンションといった物件探しもSNSで行っている人が増えています。基本的には不動産情報検索サイトで物件を探し、写真や説明で物件を吟味しますが、型どおりの情報しか入手できません。でもSNSでは、もっと様々な形で情報が発信されているのです。

  • 賃貸物件を探すことにも、SNSが活用されています(写真はイメージ)

例えばInstagram。おしゃれなデザイナーズ物件を紹介するアカウント「グッドルーム(@goodroom_jp)」や、街の魅力を紹介している「Woman.CHINTAI(@woman.chintai)」が人気です。インテリア好きも集まるInstagramですから、センスの良い部屋作りを見るだけでも楽しいでしょう。Instagramには動画も投稿できるので、おすすめ物件の紹介動画を公開しているアカウントもあります。

動画といえば、YouTubeですね。YouTubeでは物件探しのコツを解説している動画が多く見られます。不動産のプロやYouTuberが発信する情報は、クチコミと同様の説得力があり、参考になります。

短尺動画アプリTikTokですばやく内見

そして、動画といえばもうひとつ、TikTokがあります。TikTokで人気のアカウント「けんちょび@オシャレなお部屋紹介(@kenchobi_house)」さんと、「ひがし@カップル専門不動産(@queenstyle.daichan)」は、30秒程度で物件を紹介する動画を公開しています。

TikTokで賃貸物件の内見、というと意外に感じますが、実際に動画を見てみると、短い時間で簡潔に多くの情報が得られます。部屋の中を歩きながら動画を撮影しているので、玄関を入って、右側に洗面所、さらに進むとキッチンがある、リビングの日当たりはこんな感じ、といった情報が30秒ほどでわかるのです。

けんちょびさんにお話を伺ったところ、「コロナ禍でお客さまが内見できないため、発信を始めた」とのこと。TikTokでは、20才前の学生など若い世代からの問い合わせが多く、TikTok経由の契約実績は23件にのぼるそうです。TikTokでは動画を早回しにして、閲覧者が飽きないように工夫しています。問い合わせはTikTokのプロフィールに掲載しているLINE@アカウントから受け付けています。メールや入力フォームでも気軽に問い合わせられますね。

ひがしさんはカップル向きの物件を専門にしています。TikTokでは、同棲後の暮らしを想像できるような情報をふんだんに入れているとのこと。フォロワーが5万以上もいることから、動画を見ながら二人の将来を話しているカップルも多そうです。

発信する側としては、写真や動画を簡単に用意できる、ハッシュタグで検索してもらえる、費用があまりかからないなどのメリットがあるSNS活用。物件を探す側としても、不動産情報検索サイトとは違う情報を得られる、問い合わせのハードルが低いといったメリットがいっぱいです。ビジネスで新たな展開をしたい方、新鮮な情報を得たい方、ぜひSNSを上手に使ってくださいね。