ファッションブランド「Maison Margiela」(メゾン マルジェラ)のスマートフォンが海外で発売になりました。ベースモデルとなっているのはサムスンの縦折り式モデル「Galaxy Z Flip4」です。このGalaxy Z Flip4 Maison Margiela Editionはブランドのイメージをそのままスマートフォンにしたモデルです。たとえばMaison Margielaの製品を持っている人ならおなじみの、カレンダー式のタグが本体にあしらわれています。
製品パッケージやスマートフォン本体は、Maison Margielaの特徴であるピュアホワイトでマットな仕上げになっています。また着せ替え用のケースも2種類付属します。1つはMaison Margielaの代表的な技法である「Bianchetto」をモチーフにした手書きのキャンパス風のデザイン。もう1つはMaison Margielaの服やアクセサリーの外側に表現される、斜めの白い点で縁取られた長方形を形成する4つのステッチをあしらったもの。こちらには落下防止リングも取り付けられています。
カレンダータグはMaison Margielaのアイテムに付けられているもので、カレンダーの中で囲まれた数字がそのアイテムのカテゴリを表します。Galaxy Z Flip4 Maison Margiela Editionは「11」の数字に印が付けられていますが、これは「女性と男性のためのアクセサリーコレクション」を意味します。Margielaのおサイフやカードケース、ブレスレットや指輪などにはこの11の数字が記されているのです。Galaxy Z Flip4 Maison Margiela Edition付属ケースのスマホリングにも11の数字を入れるなど、うまい演出が施されています。
Galaxy Z Flip4 Maison Margiela Editionは2022年12月1日からフランス、韓国、香港など限定された国でのみ発売されました。価格は韓国で225万5,000ウォン(約23万6,000円)、香港では1万3,898香港ドル(約24万4,000円)と、各国でほぼ横並び。約24万円となっています。最近では10万円を越えるスマートフォンも多いことから、これくらいの価格ならなんとなく手を出せるかもしれません。
縦折り式のスマートフォンはコンパクトな大きさになることから、日々持ち歩くアクセサリのような感覚で使うことができます。そのためサムスンも歴代の「Flip」シリーズをファッション端末としてアピールしており、ブランドコラボも初代モデルから行っています。2020年にはThom Browneとコラボした「Galaxy Z Flip Thom Browne Edition」を投入。2021年には後継機となる「Galaxy Z Flip3 Thom Browne Edition」も発売しました。2022年には同社とのコラボは行われませんでしたが、ファッションアイテムということから同じブランドでの製品投入は短い期間に限定したのかもしれません。
一方、韓国ではFlipシリーズの販売が好調ということもあり、様々なコラボモデルが登場しています。通信キャリア、SKテレコム限定の「サンタ・マリア・ノヴェッラ」モデルは、天然ハーブを使った自然の癒しを与えてくれるフレグランスをイメージした豪華なパッケージが特徴。複数のフレグランスも付属するという本格的なものです。
また日本人とフランス人によるパリ発のブランド「MAISON KITSUNE」のGalaxy Z Flip4モデルも韓国では販売中です。ちなみにワイヤレスイヤホンのMAISON KITSUNEモデルは日本を含む各国で2021年に発売されましたが、スマートフォンは現時点では韓国のみです。
スマートフォンで動画を見ることが当たり前となった今、小さい画面サイズのモデルは敬遠される傾向にあります。しかしサイズの大きいスマートフォンはそれだけで存在感があることから、ファッションアイテムとしては使いにくいものです。その点、縦折り式のスマートフォンは小型ながらも開けば大画面が使えますから、「ファッション」「大画面」という相反する要求に応えることができるのです。サムスンは今後もFlipシリーズのブランドコラボを増やしていくでしょう。そして他のメーカーも縦折り式モデルに参入するときは、その手法を真似することが製品認知度を高めるアイディアの1つになるでしょう。