「Windows 10ミニTips」は各回の作成時点で最新のWindows 10環境を使用しています。

「ファイル履歴」が保存する世代バックアップデータは既定で"無期限"のため、バックアップ用のストレージ容量がいくらあっても足りなくなってしまう。だが、いざという時に必要なデータを探し出せるのが、ファイル履歴のいいところ。そこで、一定期間を過ぎたバックアップデータを手動で削除する方法を紹介する。

バックアップデータ量は増加傾向?

第103回で紹介したように、バックアップデータの保持期間は最短1カ月から無期限まで選択可能だ。本来「ファイル履歴」は、操作ミスなどで誤った情報を上書きした、もしくは削除してしまったファイルなどを復元するための機能である。

それだけに、バックアップ保持期間が1カ月程度では短く、かといって1年間もため込むと結構なストレージ容量を占有してしまう。筆者のメインPCは1年間データを保持する設定で運用しているが、ファイル数は約90万、容量も約437GB(ギガバイト)に達している。

筆者の環境では、他のPC上に共有フォルダーを作成し、ファイル履歴のバックアップ先として使用しているが、結構なサイズである

利用スタイルによってバックアップデータ量は異なるものの、ストレージの空き容量をひっ迫する一因となるのは確かだ。そこで、手動でバックアップファイルを削除する方法を覚えておこう。

コントロールパネルから削除する

バックアップデータの整理はコントロールパネルベースの「ファイル履歴」から実行するのだが、検索ボックスから何度から試してみたものの、直接呼び出す方法が見つからなかった。そのため少々冗長ながら、下図に示した手順を実行する。

タスクバーの検索ボックスに「ファイル履歴」と入力し、検索結果の「バックアップの設定」をクリック/タップ

「設定」が起動したら、「その他のオプション」をクリック/タップ

「バックアップオプション」から、「詳細設定の表示」をクリック/タップ

「古いバージョンのクリーンアップ」から起動する「ファイル履歴のクリーンアップ」ダイアログから、削除するバックアップデータの期間(※1)を選択できる。

※1
最新のもの以外のすべて / 1カ月以上前 / 3カ月以上前 / 6カ月以上前 / 9カ月以上前 / 1年以上前 / 2年以上前

「古いバージョンのクリーンアップ」をクリック/タップし、ドロップダウンリストから削除する期間を選択してから、「クリーンアップ」ボタンをクリック/タップ

対象となるファイルがない場合は、図のようなメッセージが現れる

こちらは別PCで実行したものだが、対象となるファイルがある場合は削除処理を行ってから、図のように完了を示すメッセージが現れる

コマンドラインから削除を実行する

バックアップデータの削除は、Windows 10が用意する「FhManagew.exe」とオプションを組み合わせることで、コマンドラインからも実行可能だ。例えば、「最新のもの以外のすべて」を削除する場合は「FhManagew.exe -cleanup 0」と実行する。

[Win]+[X]キー→[A]キーと順に押すか、スタートを右クリック/長押しし、<コマンドプロンプト(管理者)>をクリック/タップ

コマンドプロンプトに「FhManagew.exe -cleanup 0」と入力し、[Enter]キーを押す。これでクリーンアップを実行し、直近以外のバックアップデータを削除できる。「OK」ボタンをクリック/タップしてダイアログを閉じよう

ポイントは「-cleanup」の後に続く数値。これは「日」を意味しており、「1カ月以上前」は「30」、「3カ月以上前」は「90」、「6カ月以上前」は「180」、「9カ月以上前」は「270」、「1年以上前」は「360」、「2年以上前」は「720」を指定すればよい。また、オプション「-quite」を追加すれば、クリーンアップ完了時のダイアログを抑制できる。

阿久津良和(Cactus)