新MacBookとMacBook Proが出ました。CPUのクロックアップはともかく、注目すべきはMacBook Proに「マルチタッチトラックパッド」が採用されたことでしょうか。MacBookとMacBook Proの差を際だたせる新機能、と言っていいと思います。

さて、今回は「Front Row」について。ここ数年のMac ProとXserveを除くMacに標準装備のリモコン「Apple Remote」を利用する、iTunes / iPhotoのフロントエンド的機能を備えたアプリケーションだが、前述の新MacBookとMacBook Proには同梱されていない (オプション扱い) ことが判明。Apple Remoteなしで使えるにしても、どうなる、Front Row? ということで、急遽ピックアップした次第。

日本向けMovie TrailersをFront Rowで楽しむ

Apple Remoteの[MENU]ボタン、またはキーボードで[Command]+[ESC]キーを押すと起動する「Front Row」。使わなくても音楽や映像はiTunesやiPhotoで楽しめるが、フルスクリーンなところがイイ。Apple Remoteだけで操作できるよう、ユーザインタフェースが工夫されているところにも好感が持てる。

Apple TVにも同等のアプリケーションが収録され、常時フォアグラウンドで動作しているが、1点大きな違いがある。そう、iTunes Storeでの購入の可否だ。先日配布が開始されたApple TVのソフトウェアアップデートには、iTunes Storeへ直接アクセスして楽曲を購入する機能が含まれているが、Front Rowにはない。ビデオレンタルもできない(日本ではApple TVでも不可だが)。ビデオの"お試し版"なら視聴できるものの、Front Rowで「ムービー」→「劇場映画の予告編」を選択しても現れるのは米国のものばかり。せめて日本で上映予定のあるものを見せてくれ! と誰しもが思うはず。

そこで取り出しまするは「Front Row Trailers」。システム環境設定のペインとして実装されたこのフリーウェアを利用すれば、日本のMovie Trailersのページに掲載されているタイトルをFront Rowで視聴できる。まずは試してみよう。

Front Row Trailersペインで「Apple(日本)」を選択

Front Rowで日本のMovie Trailersのページに掲載の映画を楽しめる

各国の音楽トップ10を楽しむ

iTunes Storeで買い物できないFront Rowだが、音楽とビデオを約30秒間視聴することはできる。問題は、どちらも米国のiTunes Storeに設定され、変更できないことだ。ビデオは前掲の「Front Row Trailers」で変更できるが、音楽(各国のiTunes Storeのトップ10)には対応していない。

そこで紹介するのが、以下のコマンドライン。Front Rowのデフォルトデータベース(~/Library/Preferences/com.apple.frontrow.plist)に、各国のiTunes Storeに対応したIDを書き込むだけのものだが、かなり使える。筆者の横着な性質により、すべての国のIDを調べることはできなかったが、下表に挙げたものだけでも十分楽しめることと思う。

$ defaults write com.apple.frontrow MusicStoreFrontID 111111
$ killall "Front Row"

表: iTunes Store ID対応表 (筆者が確認したもの)

iTunes Store ID 国名
111111 デフォルト (アメリカ)
143442 フランス
143443 ドイツ
143444 イギリス
143447 フィンランド
143449 アイルランド
143460 オーストラリア
143461 ニュージーランド
143462 日本

ところで、日本のミュージックビデオ第5位(2月27日時点)に、どういうわけかa-ha(アーハ)の「Take On Me」がランキングされていた。このPVがよく流れていたのは1985年頃、もう23年も経つのだなあ、と感慨にふけることしばし。話によるとまだ現役らしく、2年ほど前にはヒット曲も飛ばしているとのこと。そういえば、他国のトップ10では、カイリー・ミノーグやマイケル・ジャクソンの名前を見かけたような。この調子で行けば、今年は80年代活躍組が復活しまくり、ついでにプログレとAORが流行る……ことはないか。

おフランスのトップ10ざんす

やっと見つけた日本のトップ10