今回は、ジョーシン浦和美園イオンモール店で大画面テレビの売れ筋を取材しました。大画面テレビは来年に五輪を控えていること、家電エコポイント制度から約10年経って買い替え需要が起きていること、そして10月からの消費増税前の駆け込み需要が相まって、全体的に盛り上がっているといいます。
最近の売れ筋について、同店でテレビ売り場を担当する主任の石原重紀氏は「家電エコポイント時代に37V~42Vのモデルを買われた方に、55V~60V型の4K液晶テレビや有機ELテレビが売れています。価格的に買い求めやすくなっているのと、ベゼルのスリム化や4Kによる最短視聴距離の短縮化などで現実的に導入しやすくなっている背景もあると思います」と分析します。
まず、大画面テレビへの買い替えを検討している人へのポイントを挙げてもらいました。
- 予算の目安は55V型以上の液晶なら15万円前後~。有機ELなら22万円強~あたりから考えたい
- 設置予定のスペースは、横幅と高さをチェックしてから来店するのが吉。選ぶサイズの幅が持てる
- 駆け込みラッシュで在庫が薄くなる心配があるので、購入のタイミングはできるだけ早めがベター
特に、購入のタイミングについては、消費増税のギリギリまで待ってしまうのはリスクが大きいかもしれません。「家電エコポイント制度の終了直前も駆け込み需要がすごかったですが、在庫切れが多発すると欲しいモデルが買えないばかりでなく、残っている商品の価格も下がりにくくなりました。まだ選択肢が十分にある時期に買い物するほうが何かとお得ではないかと思います」といいます。
それを踏まえて、同店における最近の売れ筋ベスト5を見ていきましょう。
※原稿と写真で掲載している価格は、2019年8月20日15:00時点のもの。価格や在庫は日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:55V型有機ELの「BRAVIA KJ-55A8F」が旧世代ゆえの安さで人気
一番人気となっていたのは、ソニーの55V型4K有機ELテレビ「BRAVIA KJ-55A8F」です。1世代前の2018年モデルということで、在庫限定で税込み21万3840円の特価となっていました。
「画面全体から音が出る仕組みになっていて、映像だけでなく音質も評価が高いです。普通なら30万円以上するモデルが、型落ちということでここまで安く買えるため、勢いよく売れていますね」
主流の大画面テレビを安く購入するなら、いまは税込み15万円前後の55V型4K液晶あたりから探せるといいます。「そこからプラス6万円程度で有機ELテレビが買えるならそっちにしたい、というニーズはあるでしょうね」
第2位:15万円で手に入る60V型「AQUOS 4T-C60AM1」
続く2位に入ったのは、シャープの60V型4K液晶テレビ「AQUOS 4T-C60AM1」です。4K衛星放送などのチューナーは内蔵しませんが、コストパフォーマンスを重視しつつなるべく大画面化したいという層に支持されていると思います。税込み価格は15万984円。
「10年前と比べて額縁がかなり薄くなっていますし、60V型ならそのまま置けてしまう家庭はけっこう多いんですよ。BSなどの4K放送は見ないけれど、地上波放送をできるだけ美しく見たい、ブルーレイディスクで4Kを楽しみたいという人に好まれています」
第3位:底値で買えるもうひとつの型落ち55V型有機EL「VIERA TH-55FZ950」
3位は、パナソニックの55V型4K有機ELテレビ「VIERA TH-55FZ950」。「BRAVIA KJ-55A8F」と同じく生産終了となっている在庫限りのモデルで、税込み価格は21万5784円でした。
「こちらも、有機ELテレビを底値で入手したいという人に注目を集めているモデルです。型落ちですが、こうしたモデルが買えるチャンスがあるという意味でも狙い目なんですよね。パナソニックの色味などを気に入っている人に買われていきます」
第4位:音質と大画面を求める人に人気の「AQUOS LC-60UH5」
4位には、シャープの60V型4K液晶テレビ「AQUOS LC-60UH5」がランクインしました。税込み価格は21万3840円となります。
画面左右のスピーカーと背面のウーファーによる「アラウンド スピーカー システム」を採用し、液晶テレビのなかでとりわけ高音質と評判です。「横からでも真正面からでも同じいい音が楽しめるので、臨場感を重視する人に好まれています。聞きやすさを重視する人にもお勧めです」
第5位:テレビ好きな人に指名買いされる「BRAVIA KJ-65A9G」
5位に入ったソニーの65V型4K有機ELテレビ「BRAVIA KJ-65A9G」は、税込み56万1384円以下という値付けで、上位4モデルとは一線を画す価格帯となっています。ソニーの2019年フラッグシップシリーズに属する主力モデルです。
「音質も映像も最新鋭ということで、クオリティ重視でテレビを選ぶ方に指名買いされることが多い製品です。37V~42V型からの買い替えというのはほとんどなく、元々その世代の大画面を好んでいた方が買い替えされている印象です」
はみ出し情報…追加で音質を上げたい人に人気のサウンドバー「HT-X8500」
大画面テレビの周辺でヒットしているアイテムとして、石原氏はソニーのサウンドバー「HT-X8500」をピックアップしました。税込み価格は4万3070円。
「音が画面の下からしか出ない構造のテレビを買う際に、サウンド全般を強化して臨場感を高めたい、と一緒に購入する方が多いですね。サブウーファーなしで低音やサラウンド感が強化できるので、省スペース需要を満たしながら音も豊かにできるのが魅力です」
著者プロフィール
古田雄介
フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007~2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『死とインターネット』(Kindle版)、『ここが知りたい! デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。