2025年6月10日(現地時間)より、米Appleの開発者向けイベント「WWDC25」が開催されます。冒頭の基調講演は毎年新しいOSのアップデートが発表されることで注目を集めます。今年秋にリリースが予想される新iOSはどのようなものになるのでしょうか。現時点のウワサをまとめました。
iOSは「26」に! Apple IntelligenceでSiriが賢く?
まずは、確実性が高そうなウワサを3つ見てみましょう。
OSの命名ルールがバージョンから西暦へ?
現在のiOS最新版は「iOS 18」ですが、今年の秋リリースされるのは「iOS 26」になる見通しであることを、米Bloombergが報じています。命名ルールをバージョンではなく西暦準拠にするという方針によるもので、確実度の高い情報と見ていいでしょう。これはiOSだけでなく、今年リリースされる新しいOS群は一律に「macOS 26」「watchOS 26」などとなる予想です。
デザイン刷新で浮遊感&丸みのあるアイコンに?
iOSのUI(ユーザーインターフェイス)デザインは、10年以上にわたって比較的小規模な変更にとどまってきました。ロック画面やコントロールパネルなど、機能面の進化に伴って微妙な変更はあったものの、基本的にはiOS 7(2013年)以来のフラットデザインが継承されています。
それが今回、大きく変わるかもしれません。visionOSに見られるような丸みを帯びたアイコンや、半透明のレイヤー、フローティングのナビゲーションバーといった変化が予想されており、操作感にも変化がありそうです。
Apple IntelligenceとSiriの強化
iOS 18.4でApple Intelligenceが導入されたものの、正直なところまだまだ発展途上です。次期OSでは当然Apple Intelligenceの強化が予想されていますが、すでに搭載を予告されている機能がどこまで実現するのか、またさらなる発展があるのか、Appleの真価が問われるところです。
特にSiriは、新たなLLMモデル(大規模言語モデル)への移行による大幅な強化がウワサされています。LLMは、特定のタスクを学習する機械学習モデルとは違って、言語のパターンや文脈を包括的に理解し生成を行うことが特徴です。つまり、“全体的に賢くなる”可能性が期待されます。
すでに生成AI時代といえる状況になってしまった現在、iOSが追いついていけるのかどうか、今回のバージョンが正念場になると言えるでしょう。
Apple Intelligenceの恩恵が健康管理や日常の利便性に現れる?
このほかにも、健康機能や日常の利便性に関する機能のウワサがいくつか挙がっています。
健康管理のパーソナライズ
iOSにようやく食事記録の機能が追加されることになりそうです。「ヘルスケア」には以前から「栄養」の項目があるのですが、これまでは「あすけん」などの外部アプリが主な入力元になっていました。
また、健康管理に焦点を当てたAIコーチング機能が導入される可能性があります。ユーザーの健康状態やライフスタイルに基づいてパーソナライズされたアドバイスが提供され、より効果的で能動的な健康管理ができるようになるかもしれません。
バッテリー管理の最適化、AirPodsでリアルタイム翻訳など
バックグラウンド処理やアプリの挙動を最適化することでバッテリー寿命を延ばす、スマートなバッテリー管理機能の搭載がウワサされています。AI機能はバッテリー消費を増やす可能性があるので、新機能を活かすためにもバッテリー管理は重要なポイントになります。
また、AirPodsを使用したリアルタイムの翻訳機能が搭載されるとのウワサもあります。これについては「文字起こし+翻訳」になるとか、AirPodsオンデバイスで翻訳されるなどのウワサもあり、いずれも翻訳を要するコミュニケーションのリアルタイム性が高くなることが期待されます。
さらに、Apple Intelligenceの強化に伴って、メールアプリのスマート返信、写真アプリの検索改善、SafariのWeb要約などの機能が予想されています。カメラアプリについては、AI補助による自動フレーミング、ライティング調整、リアルタイムフィルターといった撮影機能の強化に関するウワサがあります。音声・ジェスチャー操作やリアルタイム音声解説、個人向けUIモードといったアクセシビリティの強化も実現が予想されています。
開発者向けベータは6月リリース、正式リリースは9月の見込み
新しいiOSは、イベントでの発表直後に開発者向けベータ版が提供開始される見込みです。正式リリースは新型iPhoneと共に9月に提供されると見られています。