秋のAppleスペシャルイベントが、いよいよ9月15日午前10時(現地時刻。日本では16日午前2時)に開催されます。例年、iPhoneの新モデルが発表されることで注目の集まるイベントなのですが、今回はどうも様子が違うようです。発表内容に関するウワサをまとめました。
YouTubeの配信ページに「Series 6」の文字発見
今年6月のWWDCと同じように、今回も現地に人を集めるのではなく、事前に収録された動画をライブ配信する形で実施される模様。すでにYouTubeにはライブ配信用のページが用意されています。
このページのソースコードを見ると、メタデータに「Series 6」の文字が含まれることが明らかになりました。プレゼンの内容にApple Watchの新モデル「Series 6」が含まれることは確実と考えて良さそうです。
iPhoneは10月発表、11月発売か? OSは先行リリース?
では、iPhoneについてはどうでしょうか? Appleは7月に行われた投資家向け決算説明会の中で「(9月下旬に発売された2019年と比べて)2020年はその数週間後にずれ込むこととなる見込み」を示しています。これを信じるなら、今回のイベントとは時期が一致しません。ウワサでは「発売は10月か11月」という見方が濃厚になっています。
また、より具体的に「10月12日に再びイベントを行って新型iPhoneを発表、同じ週に予約を開始し11月に発売。同時にAppleシリコン搭載の新型Macも発表される」という予想も出ています。主力製品投入の遅れによるマイナスを、期待される新製品で巻き返したい、という思惑を想像させる説として説得力があります。
一方、iOSは本体に先立って最新版「iOS 14」がリリースされると見込まれます。Apple Watchの新モデルに合わせて新しいwatchOSが出るはずなので、それと連動するiOSも最新版にアップデートされる必要がある、というわけです。
新型iPhoneはどんなモデルになる? 現時点のウワサ
ということで、今回の発表会で新型iPhoneが登場する可能性は低いと考えられますが、どんなモデルになるのか現時点でのウワサをまとめてみました。
名称については、「11 S」になる可能性は低そうなので、以下「12シリーズ(仮)」にてお届けします。
無印とPro、各2サイズの4モデル?
2019年のiPhoneは、iPhone 11/11 Pro/11 Pro Maxの3モデル3サイズでしたが、12シリーズは4モデル3サイズになるとウワサされています。
この情報によると、12 Pro Maxは現在の11 Pro Maxよりもさらに大きな6.7インチスクリーンに。ただし、ノッチが小さくベゼルも狭くなるという話もあるので、本体サイズはそれほど変わらない可能性も考えられます。
その他、デザインに関してはこのようなウワサが出ています。
- 全モデルOLED搭載(現在はProのみ)
- フォルムは基本的に現行モデルを引き継ぎ、やや薄型化
- その分カメラの出っ張りが目立つ形状に
- カラーはProシリーズのミッドナイトグリーンがなくなり、ミッドナイトブルーが追加
- コネクタはUSC-Cをスルーして無線充電のみになる可能性も
カメラにはLiDAR搭載
2020年3月に発売された新型iPad Proは、カメラ性能が大きな進化のポイントでした。特に注目されたのは光の反射を測定して空間を把握するLiDARスキャナーが搭載されたことです。
これによって、カメラのオートフォーカス性能や、ポートレートモードの背景と被写体を区別する能力の向上が期待されますが、Appleの一番の狙いはARではないかと考えられます。まだ一部のゲームやエンタメ領域のものですが、デバイスが空間を瞬時に把握できれば、人の行動のサポートや連携機器の制御等に活用することも可能でしょう。
5Gは使える地域限定?
今年、日本でも商用サービスが開始された携帯電話の5G通信。すでに5G対応スマートフォンはいくつも発売されており、今年はiPhoneも対応することが確実視されていますが、問題はそれが「ミリ波」か「Sub-6」か、ということです。これは使用する周波数帯の違いです。
5Gのメリットとして挙げられる「超高速通信・超低遅延・多数同時接続」は、ミリ波の特徴です。ただし、電波の届く範囲が狭く、まだ環境整備も十分ではありません。
一方のSub-6は、4Gの技術を転用できるため環境は整えやすく、障害物にも強いのですが、速度や同時接続数ではミリ波に及びません。ちなみにNTTドコモの5Gサービスでは、技術的な通信速度は受信最大4.1Gbpsですが、推定通信速度は410Mbps~779Mbpsを想定しています。
12シリーズは基本的にSub-6のみ対応で、Pro Maxのみがミリ波とSub-6の両対応になるのではないかと言われています。それもエリア限定で米国・韓国・日本のみ、というウワサも出ています。ただし、日本で本領を発揮できるのは現時点ではまだ限られたエリアになりそうです。
ここまでの情報を総合すると、サイズ的にもスペック的にも(SEを含めて)幅広いユーザー層をカバーする布陣が見えてきます。今回のイベントでは発表されない可能性が高そうですが、先の動向も含めて注目です。