iPhoneがいわゆる"ガラケー"と大きく異なる点のひとつは、OSのアップデートができるということ。OSとは、人間でいうと基本的な運動能力のようなもの。これに対して、アプリはスポーツの種目のようなものと考えられます。iPhone本体は筋力や持久力などの"基礎体力"といったところでしょう。

基本的な運動能力があるから、サッカーや野球など特徴の違う様々なスポーツにも対応することができます。新しい種目を追加しても、iOSの運動能力を考えて作られているから大丈夫。そして、基本的な運動能力が上がれば、より良いプレーができるようになります。

新しいOSの登場にそんな期待を持って、世界中のアップルファンが週明けに行われるイベントに注目しています。今回は、これまでのOS=基礎的な能力の変遷をザックリまとめてみました。

基本的な見た目はこの時からほぼ同じ、1.0

リリース日 2007年6月29日 初代iPhoneに搭載。ハードウェアのキーボードを搭載せず、マルチタッチジェスチャで操作するインタフェースは画期的。PC向けのWebサイトがそのまま閲覧できることも、当時のモバイルとしては他に類を見ないものでした。日本ではNTTドコモが2007年冬モデルに23機種もの端末を発表するなど、ニーズの多様化に対応するあまり似たような端末が並ぶといった状況が続いていた頃です。

初めて日本にやってきた2.0

リリース日 2008年7月11日 日本でも発売が開始されたiPhone 3Gに搭載。App Store機能が追加され、その後のアップデートでバッテリー性能の向上や、地図機能の強化、ストリートビュー対応、メール機能の利便性向上などが行われました。開発者向けのキットが提供され、たくさんのアプリが世界中の開発者によって作られるようになりました。

ぐっと実用的になった3.0、iPad専用版も登場

リリース日 2009年6月18日 iPhone 3GSに搭載。本体のスペックが強化されたために、OSの機能も大幅に向上。Spotlight(デスクトップ検索)機能、アプリのプッシュ通知機能、アプリ上でのコピー&ペーストなど100以上の機能が搭載されました。2010年4月のiPad発売時には、iPad専用バージョン「3.2」もリリースされました。この頃、Android1.5を搭載したスマートフォンが出始めます。

本体デザインも変わり、高機能化が進んだ4.0

リリース日 2010年6月21日 iPhone 4に搭載。iPhone 3G/3GS、iPad/iPad 2、iPod touch(第2世代以降)向け。マルチタスクやフォルダ機能、FaceTimeなどの新機能に対応。HDR写真撮影やAirPrint対応など、通話・通信系以外のプラスアルファの機能が増えてきました。iPod touch第2世代とiPhone 3Gは、4.3以降のアップデートで対応機種から外されることになりました。

PCなしで使えるようになった5.0

リリース日 2011年10月13日 iPhone 4Sに搭載。iPhone 3GS/4、iPad/iPad 2、iPod touch(第3世代以降)で利用が可能。通知センターやiCloud連携、Twitter連携などが追加されましたが、PCに接続せずに使い始められるようになったため、新規ユーザーのハードルがより下がりました。その後の5.1アップデートでは、日本語版のSiriが使えるようになりました。

上がる一方だった評判をマップで落とした6.0

リリース日 2012年9月19日 iPhone 5に搭載。iPhone 3GS以降、iPad2以降、iPod touch第4世代以降で利用が可能。それまで使っていたGoogle Mapsの地図情報を自社開発したものに切り替えたことで、地図アプリに大きな混乱がもたらされました。その後徐々に改善され、使うと危険という状態は脱しています。Siriの機能充実やFacebook連携、Passbookアプリ搭載などの新機能もありましたが、(マップ以外は)iOS 5からの順当なブラッシュアップという印象でした。

そして、7.0……?

今回のイベントでは新しいiOSが発表されることが期待されています。デザインの大幅な変更や、Mac向けに提供されている機能との連携、いろいろなセンサーとの連動など、様々な憶測が半年も前から飛び交っているような状態です。実際、何が出てくるかは分かりませんが、今お手元にあるiPhoneでも新しいOSが無料で使えるようになるはずです。ぜひ携帯の"進化"を体験してみてください。