2019年12月27日、埼玉県にある大宮ソニックシティにて「Shadowverse World Grand Prix 2019(SWGP2019)」の「GRAND FINALS」が開催されました。SWGPは、2018年、プロゲーマーのふぇぐ選手が優勝して100万ドルを獲得した大会。その賞金額の高さから、一躍メジャーイベントになりました。2019年も優勝賞金は1億1,000万円と、国内eスポーツ大会では最高額を誇ります。

  • SWGP2019の会場になった大宮ソニックシティ。天井が高く開放感があり、ステージも観やすい

地方eスポーツのヒントとなるか?

SWGP2019に出場する選手は24人。世界各地で行われる大会で好成績を残した選手が出場資格を手に入れます。そのうちGRAND FINALSに進めるのは8人で、25日に行われた予選で最終決戦に進むメンバーが決められました。

今回GRAND FINALSに進んだ日本人プレイヤーは、Yabasa選手、Pazuu選手、jupi選手の3人。そのほか台湾のyoyo選手とsasamumu選手、中国のZeNX選手、アメリカのAzureCloud選手、韓国のTsubaki選手がGRAND FINALSに進出しました。

ファイナリストを見ると、2018年と比べてかなり国際色が豊かになった印象です。『Shadowverse』が世界的に広がりを見せ、日本以外のプレイヤーの実力が高くなっているのでしょう。

決勝大会は先述した通り、大宮ソニックシティにて実施されました。この施設は、大宮駅からほど近く、繁華街のなかにあるので、アクセスも良好。また、劇場型のアリーナなので、観客席がすり鉢状になっており、ステージの見やすさは平場に椅子を設置した会場に比べて段違いです。もちろん、常設のシートなので、座り心地もよく、長時間観戦することの多いeスポーツにおいて大きなメリットがあるでしょう。都心から1時間圏内の場所ですし、北関東や東北からも足を伸ばしやすいのではないでしょうか。

また、今回は、埼玉県やさいたまスポーツコミッションが後援となり、大宮ソニックシティも共催として参加しています。eスポーツで地方創生を目指す自治体が増えつつある現状で、SWGP2019ほど大きな大会が埼玉県で行われたことは、地方eスポーツ界への後押しになるかもしれません。

会場のロビーでは、埼玉県観光PRブースも展開しており、埼玉県の名産品と『Shadowverse』のコラボ商品が並んでいました。

  • 埼玉県観光PRブース。『Shadowverse』とコラボした埼玉銘菓の十万石饅頭は、午前中で売り切れるほどの人気に

  • シャープのAQUOS ZERO2が体験できるコーナーも

会場は入場規制が出るほどの盛況ぶり

前回のSWGP2018は、幕張メッセで「グラブルフェス2018」「サイゲームスフェス」などとの同時開催でした。正直なところ、現地の盛り上がりはそこまでではなかった印象です。しかし、今回のSWGP2019は、前回大会でふぇぐ選手が100万ドルを獲得したことへの話題性もあってか、大いに盛り上がっていました。単発イベントにしてファンの分散を防いだこと、テレビCMを放送して十分な周知を心がけたことも、成功の要因の1つかもしれません。

実際、会場は約2,000席とeスポーツイベントとしてはかなり多い席数ながら、立ち見が出るほどの来場者数を記録。途中から入場規制をするほどの盛況ぶりでした。年末とはいえ、平日の開催でこれだけ集客できたのは、eスポーツでは異例なのではないでしょうか。

  • 約2,000席はすべて埋まり、一部立ち見が出るほど。最後は入場規制まで行われました

大会自体は、3人残った日本人選手のうち2人が1回戦で姿を消してしまう状況のなか、最後の1人であるjupi選手が気を吐き、決勝戦まで勝ち進みました。対戦相手は台湾のsasamumu選手。決勝戦はBO5(先に3勝した方が勝利)で行われましたが、2勝2敗のファイナルラウンドまでもつれ込む拮抗した試合展開で、どちらが優勝してもおかしくない状況のなか、接戦を制したsasamumu選手が1億1,000万円を手にしました。

  • 見事優勝を果たしたsasamumu選手

SWGPは今回で3回目。賞金額1億1,000万円での開催は2回目です(前回は100万ドル表記)。日本人選手の2年連続1億円獲得を見たかった気持ちもありますが、海外選手が優勝することで、国産タイトルである『Shadowverse』の人気や知名度が上がるかもしれません。もちろん、勝負ごとなので、実力で勝利をもぎ取ったsasamumu選手には、惜しみない賞賛を送りたいと思います。

  • 賞金は1億1000万円。2018年のドル表記から円表記に変わることで、キリのいい1億になるかと思いきや、当時のレート換算の1億1,000万円のままでした

会場では、次回のSWGP2020の開催も発表されました。出場権をかけた予選大会についても発表がありました。『Shadowverse』の大会は韓国、台湾、米国&欧州、東南アジア&オセアニアの各エリアでも引き続き行われます。より国際色豊かな大会になることを期待したいところです。

  • SWGP2020のロードマップ。世界各国からグランプリ目指して熱戦が繰り広げられます

  • 『Shadowverse』のアニメ情報も会場で公開

  • アップデート情報も。オンラインランクのグランドマスターが4段階になり、シーズンごとのリセット条件などが発表されました