今年の1月に50周年を迎えたアイオーデータ(旧アイ・オー・データ機器)。Windowsよりも前のPC-98時代からさまざまな周辺機器を世に送り出しており、アイオー製品にお世話になった人も多いはず。そこで、PC&デジタル業界で長年活躍してきたライターさんに、思い出に残っているアイオー製品を挙げてもらい、選んだ理由や気に入っていたポイントなど、当時のエピソードを振り返ってもらいました。今回は、長くマイナビニュース編集部で活躍したライターの林利明さんです。
アイオーデータ創業50周年おめでとうございます。1980年代初頭からパソコンにハマった筆者、NECのPC-9801/9821が事実上の日本標準となって以来、周辺機器といえば多くのアイオー製品とともにありました。
今回、思い出のアイオー製品ということで記憶をさかのぼってみると、PC-98シリーズ用のメモリに始まり、外付けHDDや光学ドライブ、液晶ディスプレイ、USBメモリ、USBディスプレイアダプタなどたくさん浮かびます。やはり「パソコンの周辺機器」がほとんどで、自分がアイオー製品に求めてきたのは良い意味でいわゆる“コモノ”なんだなぁと思います。
「1つは選べないよー」と編集部の担当I氏に相談したところ、いろいろと許しをもらったので、1990年代に特にお世話になったソフトウェアを取り上げることにしました。アイオーのPC-98シリーズ用のメモリ製品やHDD製品に付属していた「VMM386.EXE」というメモリマネージャーと、「DC10.EXE」というキャッシュドライバーです。
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当時の愛機はPC-9821As2からAs3でした。写真は筆者の私物。過去のPC-9800シリーズと完全な互換性を保ちつつ、Windows時代に対応した歴史に残る名機です(Windowsを快適に使うにはグラフィックスボードなどの追加が必要でしたが)
当時はWindowsの普及前。OSといえばMicrosoftのMS-DOSでした。PC-98シリーズとMS-DOSの環境は空きメモリ容量の管理がとても厳しく、自分で設定ファイル(CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BAT)をチューニングしてメモリの空き容量を限界近くまで確保しないと、動かないアプリケーションやゲームがそこそこあったのです。
で、MS-DOS 5.xの時代に、自分の環境でもっとも性能を発揮してくれて、安定していたメモリマネージャーがVMM386.EXEというわけ。本当に限界までチューニングするなら競合他社やフリーソフトウェアのメモリマネージャーを利用する手もありましたが、自分の環境ではVMM386.EXEがベストでした。以下のような記述に見覚えのある往年のユーザーは多いのではないでしょうか。
DEVICE=A:\DOS\HIMEM.SYS
DEVICE=A:\DOS\VMM386.EXE /UMB
DOS=HIGH,UMB
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PC-9821Asシリーズの内蔵3.5インチHDDは、HDDケースに入れてセットする方式。複数のHDDケース+HDDを用意しておくと、サポート外ですが異なる環境を簡単に使い分けられました。当時はPC-98メインのライターだったので、とても重宝しました
一方のDC10.EXEは、HDDや外付けストレージのデータを読み書きするときに、より高速なメモリをキャッシュとして利用するためのドライバーです。MS-DOSに付属していた標準のキャッシュドライバーと比べてDC10.EXEは圧倒的に優れていて、HDDの読み書きが劇的に速くなったことを覚えています。少しマニアックな話題を挙げると、MS-DOS 5.x環境でのDC10.EXEは、UMB(メインメモリとは別の領域)へ常駐させたときの安定動作に定評があり、メインメモリの空き容量確保にも貢献してくれたものです。
現在、「パソコンの周辺機器」はだいぶ範囲が狭くなりました。1台のノートパソコンとクラウドがあればコト足りるという人も多いはず。そんな時代だからこそ、過去からずっと、ユーザーにちょっとした、あるいは大きな便利をもたらしてくれる製品を手がけてきたアイオーデータの今後に期待しています。



