- 特徴1:失われつつある文化遺産を3Dのデジタル映像に変換して残すプロジェクト
- 特徴2:360度撮影ドローン「Antigravity A1」や360度カメラ「Insta360 X5」を活用して撮影
- 特徴3:テクノロジーの難しさを感じず誰でも扱えるようにした
360度カメラを搭載したドローン「Antigravity A1」を手掛けるAntigravityが、文化遺産を3Dのデジタル映像に変換して残すグローバルプロジェクト「Project ETERNAL」を発表した。360度撮影ドローンや360度カメラと3Dガウススプラッティング(3DGS)技術を組み合わせ、没入型の3D体験ができるデジタルコンテンツとして記録・保存する。
Project ETERNALは、Antigravity、Insta360、文化遺産保護NGOのCyArkが連携して進める、世界規模の文化遺産保存イニシアチブ。ユネスコの世界遺産だけでなく、個人にとって思い入れのある特別な場所を、自由に探索できる3D体験型のコンテンツとして記録・共有することを目指す。
プロジェクトでは、360度の空撮が可能なAntigravity A1と3DGSを使い、撮影した映像を3Dモデル化する。360度カメラにより一度の撮影で全方位データの取得が可能なので、シンプルな旋回飛行だけで3Dガウススプラッティングに必要な高品質素材が得られる。
最初の取り組みとして、イタリアのチヴィタ・ディ・バニョレージョとポンペイを対象にして撮影を実施する。チヴィタ・ディ・バニョレージョは、幻想的な景観から映画「天空の城ラピュタ」のモデルの一つともいわれ、「天空の町」として知られているが、浸食や地滑りにより崩落が進んで「死にゆく町」とも呼ばれている。世界記念物基金(WMF)の「危機に瀕した建造物100選」にも選定されている。
あわせて、思い出の場所を撮影して応募できるUGCキャンペーンも開始する。参加者が思い出の場所を撮影し、3Dモデルとして生成したものを共有できる。特に優秀な作品は表彰される。
テクノロジーの難しさを感じず誰でも扱えるようにした
今回のProject ETERNALを開始した背景について、Antigravity CEOのMichael Shabun氏は「これまで、映像は一瞬を記録するものだったが、3D再構築の技術やガウシアン・スプラッティング技術により、空間や体験を保存できる時代になった。その一方で、世界各地では文化的価値のある景観や場所が変化したり失われつつある。テクノロジーを使って、世界の記憶を最善の形で保存する試みとして、今回のプロジェクトを開始した」と語る。
3Dガウススプラッティングの活用は、扱うデータ量の多さや演算能力の高さ、撮影の安定性など、高い要件が必要となる。それを克服するため、Michael Shabun氏は「飛行制御やアルゴリズムの最適化で撮影やデータ収集を容易にしたほか、データ処理も最適化して時間も削減した。生成したコンテンツを簡単に閲覧・共有できる仕組みも整えた」としている。

