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削りすぎ、盛りすぎ、やりすぎ。セイコー「こだわりすぎた腕時計展」をレポート

MAR. 22, 2026 08:00
Text : 青木淳一
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セイコーウオッチのデザイナーが「既存の概念にとらわれないデザインの在り方と可能性」を腕時計を通じて提案する「power dsign project」。その4回目となる「こだわりすぎた腕時計展」が3月29日まで開催中だ。その展示作品と見どころを紹介しよう。

  • 会期:2026年3月29日まで開催中。時間は11時~20時(会期中は無休、入場は19時45分まで)
  • 入場料:無料
  • 会場:東京都港区青山 LIGHT BOX STUDIO
  • 「こだわりすぎた腕時計展」の会場となっているLIGHT BOX STUDIO

    「こだわりすぎた腕時計展」の会場となっているLIGHT BOX STUDIO

腕時計の“一要素”に、こだわりすぎた腕時計大会、開催!

セイコーウオッチは、置き時計、腕時計の製造で140年の歴史を刻む。時計の製造には、切削、研磨、といった外装からムーブメント、そしてインデックス、カレンダー、針など、多岐にわたる高度な技術と表現が詰まっている。

今回の展示では、こうした各要素の中から、ひとつにこだわった(というか、思いっきり偏重した)腕時計をセイコーウオッチのデザイナーたちが製作。興味深くも個性(アク)の強い、各自の趣味に走り過ぎたモデルが一堂に会した。

  • 今回のテーマとなった7つの要素と、それぞれを担当したセイコーウオッチのデザイナーの方々

    今回のテーマとなった7つの要素と、それぞれを担当したセイコーウオッチのデザイナーの方々

切って削って形を出した「切削痕」

  • 「切削痕」にこだわりすぎた腕時計。まさに「削ったまま」の姿

    「切削痕」にこだわりすぎた腕時計。まさに「削ったまま」の姿

デザイナーは助田直哉氏。

助田氏「金属を切削して形を出し、その跡を研磨せず、そのまま残したモデルです。磨かずに残すと、光を当てたときにギラギラする。ここをあえて残して、見せ場としています」

  • ギラつく時計本体。ケースもダイヤルもインデックスも、セイコーロゴまで、すべて切削で作られている

    ギラつく時計本体。ケースもダイヤルもインデックスも、セイコーロゴまで、すべて切削で作られている

助田氏「製作には9種類のエンドミル(編注:フライス盤やマシニングセンタで使用される回転切削工具)を使って削り出しています。そうして削っていった軌跡の流れを、そのまま模様としました」

  • 使用したエンドミル。実際は9種類を使って削り出している

    使用したエンドミル。実際は9種類を使って削り出している

助田氏「りゅうずもケースバックも同じように作っています。尾錠も遊環も。上から垂直に削っていくので、こんな段差になるのですが、これをあえて大きく取って、削っていることを特徴的に見せるデザインになっています」

  • ピラミッドのような立体感。切削したままではエッジが鋭すぎるので、さらに0.15ミリのエンドミルで面取りをしている

    ピラミッドのような立体感。切削したままではエッジが鋭すぎるので、さらに0.15ミリのエンドミルで面取りをしている

  • ケースバックも、もちろん切削。バンドは切削機械の動力伝達ベルトがモチーフ

    ケースバックも、もちろん切削。バンドは切削機械の動力伝達ベルトがモチーフ

  • 尾錠と遊環も、ケースと連続したイメージの図形

    尾錠と遊環も、ケースと連続したイメージの図形

美しく滑らかな「球面」

  • 「球面」にこだわりすぎた腕時計。ケースは大きめながらレディースウオッチだ

    「球面」にこだわりすぎた腕時計。ケースは大きめながらレディースウオッチだ

デザイナーは石原悠氏。

石原氏「単純に言うと、9センチの玉を切り取った形状ですべて構成した、シンプルな形の時計です。ガラス、ベゼル、ケース、りゅうずガードをすべて同じ曲面で構成、表面をツライチにしました。それは裏にもつながっていて、横から見ると、完全にシンメトリーです」

  • この時計の異質さが最も表れているサイドビュー

    この時計の異質さが最も表れているサイドビュー

石原氏「普通の時計にあるラグなどの出っ張りがないので、よりアイコニックであまり見たことないバランスになりました。ムーブメントには、小さな機械式を搭載しました」

  • 使用しているダイヤルと針、ムーブメント。意外にも自動巻き

    使用しているダイヤルと針、ムーブメント。意外にも自動巻き

石原氏「こちらは放射状に入ってる筋目が中心にいて、で、表面がいて、最後にこの円周上に筋目が入ってるという、仕上げを分けたモデル。もうひとつ、すべて鏡面で仕上げたモデルも作りました」

  • 研磨の仕上げ分けをしたモデル。ベゼルのスロープごとに仕上げを変えている

    研磨の仕上げ分けをしたモデル。ベゼルのスロープごとに仕上げを変えている

石原氏「このような短い曲げ針は近年あまり見かけなくなりましたがが、それをあえてやることによって、コンパクトなサイズのギリギリを攻めるなど、とにかく球面にこだわりました」

  • 高級モデルで使われる曲げ針の技術で、球面に沿った針を実現した

    高級モデルで使われる曲げ針の技術で、球面に沿った針を実現した


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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