iPhoneの裏側にある黒丸とは、LiDARスキャナーでしょうか? カメラレンズのように出っ張っているわけではなく、LEDライトのように白っぽくもない、一見ただの黒い丸ですから、何に使うかピンとこないのも当然です。
LiDAR(Light Detection and Ranging)は、照射したレーザー光が反射し戻ってくるまでの時間を測定するで対象物までの距離を測るセンサー技術です。iPhoneではiPhone 12 Pro/Pro Max以降のProモデルに搭載され、ポートレート撮影の背景ぼかしや夜景撮影、暗い場所でのオートフォーカスなどに活用されています。
iOSに標準装備のアプリ「計測」も、LiDARを活用しています。カメラを向けて指定した点と点の間をかなり正確に計測できるため、天井付近など手が届かない場所の長さを測りたいときに役立ちます。引っ越し先の部屋の寸法を正確に測りたい、箱が宅配便の規定サイズに収まるか測りたい、といった場面に有用です。
なんといってもユニークなのは、身長を一瞬で測定できることです。計測アプリを起動し、リアカメラを対象の人物に向ければ、一瞬で身長の計測が完了し人物の頭頂部付近に表示されます。現在では学校の健康診断で廃止されている座高の計測も可能です。
ただし、測定範囲は直線で約5メートルと限定的です。ガラスのように光を透過/反射する材質はレーザー光が正確に戻ってこないため、計測精度が低下しがちという短所もあります。手ブレにも弱いため、計測するときはできるだけゆっくりとiPhoneを動かすことがコツです。
