6月10日(米国時間)に「Android 16」の正式版がリリースされ、対象となるPixelデバイスからアップデートの提供が始まった。さらに6月のPixelの機能アップデート「Pixel Drop」で、大切な人とのつながりを深める「Pixel VIPs」や Gboardで利用できる生成AIステッカー作成、「Expressive Captions」、アクセシビリティ機能の強化など、多様な機能追加が行われる。

「Pixel VIPs」は、家族や親しい友人など大切な人物をVIPとして設定できる新しいウィジェット機能である。連絡先アプリから利用でき、ホーム画面に設置することで、登録したVIPとの最近の通話やメッセージ(WhatsAppにも対応)、共有されたリアルタイムの位置情報、誕生日や記念日などのイベントを素早く把握できる。「おやすみ時間モード」中でもVIPからの通知が届くように設定することも可能。対応機種はPixel 6以降。

キーボードアプリ「Gboard」からPixel Studioの生成AI技術を用いてカスタムスタンプを作成できる。「黒目のジェリー状のアボカド」のようにイメージを指示するプロンプトを入力し、感情を選択すると、その場でスタンプが生成される。メッセージのやり取りを中断することなく、ユニークなスタンプを通じて会話を盛り上げられる。

また、まもなく登場予定の新しいGoogleフォト編集ツールでは、AIによる編集提案やワンタップ補正が導入される。写真の内容に応じて最適な編集ツールが提示され、簡単かつ効率的に写真の見栄えを向上させられる。

「Expressive Captions」は、動画内の音声から話者の感情や話し方のニュアンス(ささやき、あくび、言葉の引き延ばしなど)をリアルタイムで解析し、字幕に反映させる機能である。ライブ配信や字幕非対応のコンテンツでも利用可能であり、アクセシビリティ向上への貢献も期待されている。利用できるのはAndroid 15以上を搭載したPixel 6以降の機種で、当面は米国、カナダ、英国、オーストラリアにおいて英語での提供となる。

Android 16を搭載したPixel 9以降のデバイスでは、LE Audioに対応した補聴器との連携が可能となった。通話の受信や補聴器プリセットの切り替え、環境音の音量調整などをPixelの設定画面から直接操作できる。

視覚支援アプリ「拡大鏡」で「ライブ検索」機能が利用可能になった。写真を撮ることなく、周囲の情報をリアルタイムで確認できる。たとえば、レストランでメニューにカメラをかざし、特定の料理名を入力すると、メニューがスキャンされ、該当するものが見つかると端末が軽く振動し、該当箇所がハイライト表示される。

Pixel 8aおよびPixel 9以降の機種に、充電と使用パターンに基づいてバッテリーの健康状態を視覚的に示すインジケータが追加される。バッテリーの劣化状況を把握しやすくなり、使用方法の見直しや交換時期の判断に役立てることができる。