iPhoneには自由に名前を付けることができます。セットアップ完了時点では、「◯◯のiPhone」という名前が設定されていますが、「設定」→「一般」→「情報」→「名前」画面で変更できます。その際、ローマ字やかな・漢字のほか、絵文字を使用することも可能です。
ここでいう絵文字とは、Unicode(世界中の文字に対し番号を割り当てた対応表の国際標準規格)で規定された小さな図柄「emoji」を指します。コンピュータで扱うイラストは、大量のバイトデータや線画データの集合体であり、それなりのファイルサイズになりますが、emojiはさまざまなマークやシンボル、動植物などの図柄が規定され、同じemojiをサポートするコンピュータ間で共通利用できます。
しかし、どのコンピュータ/スマートフォンでもまったく同じ図柄が表示されるかというと、そうではありません。emojiは表示に使われる機器やソフトウェア、フォントによって多少デザインが異なるのです。iPhoneから送信したemojiを多用するメッセージをAndroidで受信すれば、その違いに気づくはずです。
iPhoneに付けた名前は、テザリングやBluetoothペアリングを開始するとき、ほかのコンピュータ/スマートフォンに表示されます。emojiは表示環境によって多少の差があるわけですから、同じemojiフォントを使用するApple製品の場合はまったく同じでも、他社製品の場合にはその限りではありません。
特にBluetoothペアリングの場合は、表示の違いが大きくなります。Bluetoothの仕様書には、デバイス名はUTF-8(Unicodeの符号化方式の1つで文字を短いデータで表現できる利点がある)で表現するという規定がありますが、すべてのBluetooth機器が絵文字フォントを用意しているわけではなく、用意がない場合はその部分だけ欠落して表示されます。
つまり、iPhoneの名前には絵文字を使用できるものの、意図どおり表示されるかどうかは他の機器次第、ということになります。絵文字をサポートしない機器のことを考慮すると、使用するとしても名前の一部にとどめて名前全体を絵文字で表現することは避けるべき、といえるでしょう。