スマートフォンのモバイル通信を他のデバイスに開放し、インターネットへ接続できるようにする「テザリング」は、直接セルラー回線に接続できないパソコンやタブレットを外出先で利用するとき便利な機能です。iOS 13が動作するiPhoneでテザリングを準備する場合、『設定』→「インターネット共有」の順にタップし、「ほかの人の接続を許可」スイッチをオンにします。

しかし、「ほかの人の接続を許可」スイッチをオンにしている間は、設定したiPhoneの名前をSSID(Wi-Fiアクセスポイント名)としてWi-Fiネットワークに公開されます。言い方を変えれば、見ず知らずの人のスマートフォンでも、Wi-Fiの電波が届く範囲にいれば、「○○○のiPhone」などといった名前が接続可能なSSIDとして表示されてしまうのです。

自分の名が晒されているようでイヤだという場合は、「ほかの人の接続を許可」スイッチをオフのまま利用しましょう。テザリングを利用できる端末は、iOS 8/iPad OS 13/OS X 10.10以降が動作するApple製品、かつ同じApple ID(ファミリー共有で許可した家族を含む)でサインインしている端末に限られますが、見ず知らずの人のWi-Fi機器に自分のiPhoneの名前は表示されなくなります。

このような使い方が可能になる理由は、クライアント(MacやiPad)からの要求でテザリングを開始できる「インスタントホットスポット」にあります。同機能に対応している端末には、iPhoneの名前が「インターネット共有」のアクセスポイントとして表示されるものの、対応しない端末には表示されないからです。ふだんインスタントホットスポットでテザリングを開始している場合には、「ほかの人の接続を許可」スイッチがオフでも困ることはないでしょう。

ただし、いちどテザリングを開始すると、「ほかの人の接続を許可」スイッチは自動的にオンになってしまいます。面倒でも、テザリング終了後にはスイッチを手動でオフするしかありません。

  • テザリングでiPhoneの名前を他人に見せたくありません!

    「インスタントホットスポット」に対応したApple製品を利用していれば、「ほかの人の接続を許可」スイッチがオフでも困りません