ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチなどのデジタルガジェットに採用されている「Bluetooth(ブルートゥース)」は、iPhoneにとってもなくてはならない通信規格。AirDropなどiPhoneの主要機能とも深く関わっているため、つねにオンにした状態で利用することが推奨されます。

そのBluetooth、1台のiPhoneで複数のBluetoothデバイスと接続(通信)できるかという問いに対しては、可能だけれど最大同時接続台数は「7台」と「ほぼ上限なし」という2つの相反する答えがあります。順を追って説明してみましょう。

「最大7台」は、1台のマスターに対し最大7台のスレーブという取り決めがあるBluetooth 3.xまでの仕様です。Bluetooth 3.x以前(Bluetooth Classic)の規格に従うマウスやキーボード、イヤホンといったデバイスは、ここに含まれます。通信帯域の制約上、実用的には3、4台が上限とされますが、同時接続は可能です。

ただし、Bluetooth 3.x以前に対応したイヤホンやスピーカーなどのオーディオ機器は、オーディオ再生に利用されるプロファイル「A2DP」の仕様により、配信側と受信側が「1対1」に限定されます。音の出力先をイヤホンからスピーカーに変更する場合は、イヤホンとの接続を解除したうえでスピーカーに接続するという手続きを行うことになります。

「ほぼ上限なし」は、iPhoneが対応するもうひとつのBluetooth規格「Bluetooth LE」の仕様です。Bluetooth 4.x以降でサポートされるこの規格は、消費電力がとても少なく、理論上の同時接続台数も2の31乗と桁違いです。同時接続可能な台数はIC/ソフトウェアの性能に左右されるため、実際にはそれほど多くのデバイスは接続できないものの、接続台数の上限を気にせず使えるはずですよ。

  • iPhoneに複数のBluetooth機器を同時接続できますが、いくつかの制約があります