日本ではiPhoneの便利機能をフル活用できない...確かに、搭載されている機能の一部に制限が設けられているiPhoneは存在します。具体例を挙げつつ説明してみましょう。

たとえば、Appleの生成AI機能「Apple Intelligence」は、2025年3月現在日本語環境では利用できません。すでに米国など英語環境向けには機能が提供されていますが、日本語対応に時間を要したものと推測されます。実際、2025年4月初旬リリース予定のiOS 18.4では日本語のサポートが計画されています。

ネットワークインフラの影響もあります。米国以外の国・地域では5Gミリ波の本格利用置が進んでおらず、ここ日本でも現状5Gトラフィックの大半はSub6と呼ばれる700MHz - 3.5GHz帯で占められています。その点を考慮したのか、最新モデルのiPhone 16シリーズでも日本向けは5Gミリ波での通信に対応していません。

超広帯域無線通信のUWB(Ultra Wide Band)も、フル活用できない機能のひとつです。iPhone 15シリーズ/iOS 17では、探すアプリに「正確な場所を見つける」機能が追加され、UWBを利用することで位置情報を共有している人物の正確な現在位置を探し出せるようになりましたが、日本では法規制の関係で利用できないのです。

15シリーズ以降のiPhoneは、第2世代UWBチップ「U2」により正確な位置の検出が可能になりましたが、日本でUWBの屋外利用は周波数帯が7.25G - 9GHz帯に制限されており、米国(3.1G - 10.6GHz)ほど広くありません。公式発表はないものの、「正確な場所を見つける」機能は米国基準で実装されていると考えられるため、規制緩和されないかぎり日本での利用は難しそうです。

  • 「正確な場所を見つける」など、日本では利用できない機能も存在します