ファーウェイは三つ折り型のスマートフォン「Mate XT Ultimate Design」を世界市場に向けて発売します。このモデルは2024年10月に中国で発売された直後から大きな話題となり、約40万円の価格ながらも世界中から注目を集め、一時は100万円以上で転売されるほどでした。グローバル向けの価格は約50万円とスマートフォンとは思えない金額ですが、これまでのスマートフォンの使い方を大きく変える、エポックメーキングな製品であることは間違いありません。

  • 世界販売が決まったMate XT Ultimate Design

画面を左右に折りたたむスマートフォンは、すでに多くのメーカーが販売しています。Mate XT Ultimate Designもそれらと同様に、完全に折りたたんだ状態では一般的なスマートフォン同様、縦長画面を使うことができます。この状態であれば使い勝手は普通のスマートフォンです。なお今回紹介する写真は一部が中国モデル、一部がグローバルモデルとなります。どちらもソフトウェア以外は全く同一の製品です。

  • 折りたたむと6.4インチ画面のスマホになる

但し、本体の厚みは12.8mm、質量は298gあるので、この状態のまま使うと「厚くて重いスマートフォン」と感じてしまうかもしれません。しかし、Mate XT Ultimate Designは他のスマートフォンにはない最大の武器があるのです。それは画面を完全に開くと、10.2インチの大きな画面を持つタブレットに変形するのです。

  • 開けばタブレットになる

この大きさのタブレットを持ち運ぶ場合は、カバンやケースに入れるのが一般的でしょう。しかし、Mate XT Ultimate Designは、本体のヒンジ2か所を折りたためば、普通のスマートフォンの大きさになってしまうのです。この可搬性の高さは他のどんな製品でも実現できません。「ポケットに入るタブレット」それがMate XT Ultimate Designの大きな特徴なのです。

  • 完全に折りたたむと厚みがあるが、開けばタブレットになるのが魅力

タブレット画面ならプレゼン資料や表計算のデータもPCと同じような感覚で操作できるため、外出先でもPCいらずで仕事もできます。ワイヤレスキーボードをカバンに入れておけば「どこでもオフィス」も可能になるのです。また大きな画面にアプリを分割表示させることで、写真のように「正方形+スマホ」という2画面表示が使いやすいと感じました。この正方形画面は現在市販されている2つ折りのスマートフォンの画面サイズです。

  • 分割画面表示も見やすい

Mate XT Ultimate Designの画面を完全に開かず、ヒンジ1つだけを開けば市販の2つ折りスマートフォンと同じ大きさにもなります。混んでいる電車の中で大きい画面を使いたいときなどは、この形状にして使うのがよさそうです。

  • 2つ折りスタイルにもできる

さらに、この2つ折りスタイルの変形として、1か所だけ曲げたディスプレイをL字型に開き、そこを底面として机やテーブルの上に置けば、スタンドいらずで自立します。リラックスした姿勢で動画を見るときなどはこのモードにするのが便利だと感じます。

  • スタンドモードなら本体を立てることができる

このようにMate XT Ultimate Designは、「スマートフォン」「2つ折りスマートフォン」「10.2型タブレット」と3つの形状で使うことができ、さらに本体を自立させることもできます。1台四役をこなすスマートフォンやタブレットは、このMate XT Ultimate Design以外に存在しないわけです。50万円を超える価格は高いものの、利用シーンに応じて最適なスタイルで活用できる製品となれば、その価格にも納得できる部分があるでしょう。

  • 世界で唯一無二の存在だ

本体の仕上げも価格に見合った高級感があります。ボディーカラーは赤または黒。フレームはゴールドに仕上げてあります。革風仕上げの背面には製品名の入ったプレートも貼り付けられています。なお三つ折り機構だけに目が奪われてしまいますが、完全に開いたときの厚さはわずか3.6mm。タブレットとして世界最薄サイズなのです。

  • 価格にふさわしい本体の仕上げ

Mate XT Ultimate Designは残念ながら日本での発売のアナウンスはありません。しかしここまで特徴的な製品であれば、日本でも購入したいと考える人は一定数いるかもしれません。ファーウェイは日本でスマートフォンを商品展開していないものの、タブレットは販売しているため、Mate XT Ultimate Designを出そうと思えば出せるはずです。世界中に驚きを与えた特徴的な製品だけに、販売は難しくとも展示会などで積極的に公開してほしいものです。

  • 日本でも多くの人にこの技術に触れてほしい