HUAWEIは2月18日、マレーシア・クアラルンプールにてグローバル向けの新製品発表会を開催。3つ折りスマートフォン「HUAWEI Mate XT ULTIMATE DESIGN」の海外発表をはじめ、大画面タブレット「MatePad Pro 13.2」、日本でも発売した「HUAWEI FreeArc」が登場。加えてスマートバンド「HUAWEI Band 10」の公式情報も飛び出しました。今回ファーウェイ主催の取材ツアーで発表会に参加し、現地で「HUAWEI Mate XT ULTIMATE DESIGN」実機を見てきました。

  • HUAWEI Mate XT ULTIMATE DESIGN。カラーはレッド、ブラックの2色。2024年9月に中国で発売していたが、今回グローバル展開が発表された

  • HUAWEI Mate XT ULTIMATE DESIGNの特徴

  • ラインナップとグローバル価格。発表時点の発売国はマレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、香港、カンボジアとなる

[取材協力:ファーウェイ・ジャパン]

「HUAWEI Mate XT ULTIMATE DESIGN」は10.2型ディスプレイを搭載した三つ折り可能なスマートフォン。開いた際の厚みは3.6mmで、折りたたみ式スマホとして世界最薄をうたっています。

【動画】HUAWEI Mate XT ULTIMATE DESIGN。背面に2つのヒンジを搭載し、全て折りたたんで一般的なスマートフォンサイズ、1つ折りたたんで小型タブレットサイズ、全て広げて10型タブレットサイズの3種類の画面サイズでコンテンツを閲覧できる(冒頭のみ音が出ます)

  • ディスプレイは山折り・谷折りに対応

  • 背面には2つの精密ヒンジを搭載。背面向かって左側が谷折り、右側が山折りに対応し、逆方向へは曲げられない(実機を長く触っているとたたむ方向を間違えそうになることがあった)

2024年9月に中国で発売済みの製品で、今回グローバル展開が大々的に発表されました。当初の発売国はマレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、香港、カンボジアという6つの国・地域。価格は16GBメモリ・1TBストレージで3,499ユーロ。1ユーロ158.73円で換算した場合(2月19日時点のレート)、日本円にして約55万5,391円とフラッグシップクラスの価格となります。主な特徴は以下の通り。

  • 世界最薄の折りたたみスマホ
  • 内側・外側に曲げられる精巧なヒンジ。画面も両方の折り方に対応
  • 画面の開き具合に応じて表示をシームレスに切り替え
  • カメラは50MPメイン/12MP超広角/12MP望遠/8MPフロント(5.5倍光学ズーム/50倍デジタルズーム対応)
  • 66W急速充電

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画面は3K解像度で高精細。シングル(6.4インチ、閉じた状態。2,232×1,008ドット)、デュアル(7.9インチ、2,232×2,048ドット)、トリプル(10.2インチ。完全に開いた状態。2,232×3,184ドット)の3つに折りたため、形状に応じて自動で表示を最適化します。

HUAWEIのHead of Productを務めるAndreas Zimmer氏は「HUAWEI Mate XT ULTIMATE DESIGNは3つの異なる表示でコンテンツを見られる世界で唯一のスマートフォン」と特徴を紹介しました。

カメラモジュール外装は、80層に鍛造した鋼のインゴットから78段階の加工を施し、22日かけて完成させたとのこと。カラーはレッドとブラックの2色で、いずれも背面に皮のような質感のヴィーガンレザーを使用しています。

たたんだ時のサイズは156.7×73.5×12.8mm、重さは298g。数値的には重い部類のスマホですが、タブレット状態へ展開すると画面の視覚的な広さもあいまって重たさを感じることは少ないです。

なお、HUAWEI Consumer Business GroupのCMO、Alex Huang氏は同発表会の終了後に「日本は高価格帯のデバイスも求められる市場。今後日本でスマートフォンの再展開も検討する」と話しました。HUAWEI Mate XT ULTIMATE DESIGNを名指ししたわけではなく、また本機の搭載OSはHarmonyOSでGoogle Playは非対応となりユーザーを選ぶところもありますが、例えば今回の“三つ折り”など無二の特徴を持つ製品が多い同社スマートフォンの国内展開に期待したいところです。

【動画】折り曲げた状態のディスプレイと、本体外装をじっくりチェック(冒頭のみ音が出ます)

  • 画面を開いた“トリプルディスプレイ”状態の背面

  • 折りたたんだ状態(W73.5×D12.8×H156.7mm)では一般的なスマートフォンと同程度のサイズになる。カメラは背面(折りたたんだ状態)の3分の1ほどを占め存在感がある

  • ビーガンレザーは滑らかな触り心地。カメラ部分は八角形のStar Diamondデザインで、カメラ周囲を囲むリング状のパーツは80層の鋼鉄から78の工程を経て22日かけて完成させるという

  • カメラ周囲を囲むパーツの工程説明。写真にはないがもとは20gほどとなる80層の鋼鉄の塊から加工をスタートし、78の工程を経て1つのパーツが完成する

  • ヒンジに使われている精密なパーツ。ヒンジのコア部品には強度の高い鋼が使われ耐久性に配慮。加えられた力に応じて開け閉めできるマルチドライブ技術も備える

  • 10.2インチへ広げた“トリプルディスプレイ”状態でマイナビニュース +Digitalを表示。画面占有率は92%、アスペクト比は16:11。対応アプリの分割表示も行える

  • 左のヒンジを山折りし、“デュアルディスプレイ”状態で表示したところ。一般的な2画面スマートフォンの表示サイズで、十分見やすく感じる。表示は画面の折りたたみ状態により自動で変化し、きびきび切り替わる

  • 右側のヒンジを谷折りし、最左のディスプレイを“シングルディスプレイ”状態で表示したところ。トリプルやデュアルの表示に比べると窮屈だ

  • トリプル状態のまま端末を90度回転させたところ(サイドが上部になり、やや縦長で表示されている)。仕事の資料などコンテンツによっては縦長の方が見やすいかもしれない縦横の表示切替も自動で行われる

  • OSはHarmonyOSを採用。充電インタフェースはUSB Type-C。IPX8の防水性能を備える