• 新生G TUNEのゲーミングデスクトップPC

    新生G TUNEのゲーミングデスクトップPC

マウスコンピューターが1月31日、同社のゲーミングPCブランド「G TUNE」をリブランドした。製品コンセプトを現代のシーンに合わせて刷新し、ブランドロゴも新たなデザインへと変更した。あわせて新生G TUNEの口火を切る新製品として、新設計の筐体を採用し、Blackwell世代の最新GPU「NVIDIA GeForce RTX 5080」も搭載するゲーミングPCを発表した。同社社長や製品担当者が登壇した発表会の模様をお伝えする。

  • 「G TUNE」リブランドにあわせ、同社の軣秀樹社長が登壇した発表会が催された。新しいコンセプトや新製品の披露目が行われている

2025年は130%の成長を目指す、新生「G TUNE」のコンセプト

マウスコンピューターの軣秀樹社長は冒頭、G TUNEが昨年20周年を迎えたことを紹介。この節目に出荷台数が前年比130%で成長するなど、ゲーミングPCに注力する背景を話した。そしてゲーミングシーンも、PCゲームユーザーの爆発的な増加や、配信などゲームプレイそのものではなく周囲にも及ぶ楽しみ方のひろがりなど、G TUNE立ち上げ時のPCゲーム黎明期にくらべ進化、多様化していることに触れ、今回、ブランドのコンセプトを含めてG TUNEをリブランドすることを宣言した。

  • G TUNEの20年の歩み

  • この20年、ゲーミングシーンも大きく様変わりした。何より、現代ではゲームはPCで遊ぶものという認識が一般化した

  • 新生G TUNEのブランドコンセプト。ゲームの楽しみ方の多様化もあり、「すべてのプロフェッショナルを応援する」という文言が掲げられている

リブランドではG TUNEのロゴも刷新。新コンセプトにあわせて新製品も発表した。新しいG TUNEロゴは、これまでのG TUNEロゴが備えていた切れ味、シャープさは引き継ぎつつも、力強さと品格を追加したものだという。軣社長は、「マウスコンピューターのパソコンは、"期待を超える"ことを標榜している。新しG TUNEでも"期待を超える"パソコンを展開していく」と今後の意気込みを述べている。新生G TUNEのもと発表された新型ゲーミングPCは、「G TUNE FZ」と「G TUNE FG」のデスクトップ型2シリーズで、ともに新設計の筐体に、最新CPU、そして話題のNVIDIA製GPU、Blackwellこと「GeForce RTX 5080」を搭載している。

  • 新しいG TUNEロゴ

  • グッズ展開なども想定した新ロゴのバリエーションも

  • 従来ロゴの切れ味、シャープさは残し、シンプルで品のあるロゴへと刷新

  • こちらが従来のG TUNEロゴ

発表会では、NVIDIAの日本代表兼米国本社副社長の大崎真孝氏もゲストとして登壇した。大崎氏は、新生G TUNEの展開において「マウスコンピューターの品質と信頼性に、GeForceがあわさることで、最先端パフォーマンス、映像体験が実現することを確信している」と期待を語った。

  • NVIDIAの日本代表兼米国本社副社長の大崎真孝氏が登壇。ゲーミングPCの普及がAIの民主化にもつながるという視点を述べる

  • G TUENが採用したBlackwell世代GeForceの特徴。AIで性能を向上させ、グラフィックスを強化するニューラルレンダリング技術のDLSS 4など新技術が盛り込まれている

また大崎氏は、「近年はGPUについて(経済安全保障やAI投資が特に注目されていることから)データセンターやエンタープライズ系の話をすることが多かったが、クリエイターやゲーマー、そういったコンシューマーにとどくことこそが、AIの革新、民主化を進めていくと考えている。GeForceがコンシューマーユーザーの手に届くことは、我が国、日本にとっても重要なことだと考えている」との見解を述べた。

RTX 5090搭載機も予定、GPU需給ひっ迫も部材確保は「大丈夫」

ところでBlackwell世代のGPUは、世界規模で争奪戦が起こっていることから、需給が非常にひっ迫している。先月末にグラフィックスカードの発売があったが、例えば秋葉原では、買い求める人々が殺到してトラブルに発展する事態も発生してしまっている。

そこで気になるのがGeForce RTX 5080を搭載する新型G TUNEの供給体制だ。まずは発売に際して初期需要には間に合う十分な数を確保しているとのこと。実際1月31日の発売後から状況を見てみると、(現在、大作ゲームタイトルの発売を間近に控えゲーミングPC全体への需要が増し、出荷まで通常より期間がかかりがちになっているが)おおむね購入可能な状態であることが確認できている。また、今後さらに品薄傾向になると見る向きもあるが、マウスコンピューターの購買担当者は、Blackwellの継続的な確保についても「大丈夫」と一言、回答している。

なお今回の新型G TUNEはGeForce RTX 5080を採用しているが、より上位の「GeForce RTX 5090」についても開発中で、今回の新型G TUNEの筐体設計は将来を見越したマージンがとってあることもあり、近日中に発売のアナウンスができる見込みであるとしていた。

実機をチェック、将来の高性能化も見据えた新設計の「G TUNE」

  • GeForce RTX 5080を搭載する新型G TUNE、Core Ultraベースの「G TUNE FZ-I9G80」と、Ryzenベースの「G TUNE FG-A7G80」のスペック概要

  • 新型筐体を採用するG TUNEのラインナップ一覧。Radeonモデルも用意している

  • メインのエアフロー。水冷ラジエーターは360mmの上面設置で、設計上はフロントにも360mmを追加できるようにしている。ファンは最大7基まで搭載可能

  • メンテナンス性の高さも特徴。底面と側面の吸気溝には水洗いできるダストフィルターも設置されている

新型G TUNE、G TUNE FZ/FGの製品概要については、こちらのリンク先の製品リリース記事を確認していただくとして、発表会の会場で、実機に触れる機会があったので、本体の新しいギミックなど細かく紹介しておこうと思う。

  • 「G TUNE FZ-I9G80」と「G TUNE FG-A7G80」、共通の新設計筐体を採用。筐体の本体はガラスとスチール、フロントパネルにはアルミ素材が使われている。カラーリングはブラックというよりはグレー基調

  • 吸気を担うとともにデザインの特徴にもなっているスリット状のフロントパネル。アルミの素材感がしっかり出ている

  • フロントにはヘッドホンホルダーを装備。普段は収納されていて、引っ張ると出てくる。ばねが仕込まれており、使っていないときは自動で収納される

  • 横幅が抑えられたボディだが、今どきは貴重になった光学ドライブも搭載可能

  • トップに端子類。使っていないときはスライドカバーで隠せる&保護できる機構を備えている

  • 内部。安心のVGAステイも装備。ライティングのLEDはファンが発光するタイプではなく、LEDバーが仕込まれている。落ち着いた間接照明のような演出。LEDの色は赤のみだが、物理ボタンで明るさ調整可能で、オフにすることもできる

  • 電源ユニットは下部のシュラウド内に収まり分離されている。電源分離タイプだがこの配置としたことで横幅が抑えられており、デスク上に設置してもスペース確保が容易なのがうれしい

  • 底面にはダストフィルター。"足"にもデザインがあるあたりにコダワリを感じる

  • コダワリと言えば、ヘッドホンホルダーのフックのところにもLEDロゴ。オミットせず製品化したのは開発担当者の努力の賜物か。見た目だけでなく、暗いところでもフックを操作しやすい機能性も