1月もそろそろ終わり。今年こそ運動習慣を身につけようとトレーニングを始めたみなさん、進捗はいかがでしょうか。継続のモチベーションが下がり気味なら、iPhone+Apple Watchによる計測データの「見える化」がサポートしてくれるかもしれません。

Apple Watchの「ワークアウト」アプリを使ってランニングやウォーキングを計測すると、iPhoneの「フィットネス」アプリに結果が保存され、日々の記録を振り返ることができます。ここまでは当たり前ですが、実はそれだけではありません。計測されたさまざまなデータをもとに、日々の活動の積み重ねの成果を視覚的に示してくれる仕組みがあるのです。

今回は「毎日」「短期」「中長期」に分けて、運動継続のモチベーションアップに役立つ「見える化」機能の活用法をご紹介します。

「毎日の達成度」を「コンプリケーション」で見える化

1日の活動量を表示するのが「アクティビティリング」。特に赤で示される「ムーブ」(消費カロリー)は、運動習慣を身につけるなら気にしておきたい指標です。

このアクティビティリングをApple Watchの文字盤に常駐させ、毎日の目標達成を目指しましょう。「アクティビティ」文字盤を使うか、コンプリケーションにアクティビティリングを配置するのがおすすめです。

  • 文字盤のコンプリケーションにアクティビティリングを配置。さまざまなスタイルから選択が可能。1日の活動量をチラ見でチェックできます

  • iPhoneの「Watch」アプリを開くと、「文字盤ギャラリー」の中に「アクティビティ」文字盤があります。これを使えば大きなアクティビティリングで進捗をチェックできます

目標達成までの残りが見える化されると、「今日はもう少し運動しよう」「せめて階段を登ろう」といった努力がしやすくなります。

とはいえ、「月曜はジムが休み」「土曜は多めに運動して日曜は休みたい」などさまざまな都合で、誰もが毎日一定量の運動ができるわけではありません。その場合は、曜日ごとにムーブゴールを変更することも可能です。

  • アクティビティリングを開き画面を上へスワイプ。[ムーブ]の画面で[+/-]をタップ。[1日あたりのゴールを変更]→カレンダーアイコン→[スケジュール]の順にタップ。変更したい曜日をタップしてゴールを設定

自分の都合に合わせてゴールを設定することで、小さな達成感を積み重ねることができます。まずは“今日1日”の目標達成を目指しましょう。

「短期の実績」を「トレーニングの負荷」で見える化

毎日の運動は、どの程度身体に影響しているでしょうか。「トレーニングの負荷」で、過去1週間の頑張りをチェックしてみましょう。

トレーニングの負荷は、watchOS 11で「アクティビティ」アプリに追加された新しい項目です。直近7日間のトレーニングの負荷が28日間のトレーニングの負荷と比較してどの程度だったのかを示すものです。評価は「かなり下」「下」「一定」「上」「かなり上」の5段階。トレーニングを続けて、ゆっくりと右肩上がりになるのが理想です。

  • 「トレーニングの負荷」を見るには、「アクティビティ」を開き、リング右上のアイコンをタップ。過去7日間の負荷の状態がわかります

「かなり上」が続くと疲労やケガの恐れがあるのでやりすぎには注意。逆に「かなり下」が続いてしまうと体力低下の恐れがあります。

筆者の記録を例にすると(下図)、体調を崩したり仕事が忙しかったりして日課のウォーキングができない日が続くと、あっという間に負荷レベルが低下しています。しかし、再開すればゆっくりですが元に戻ります。

  • iPhoneの「フィットネス」アプリでは、「トレーニングの負荷」をより長いスパンでチェックできます。日々の評価だけでなく、白い線(28日間の平均)にも注目を

人それぞれ、いろいろな事情で運動できない日があることは仕方ありません。ついサボり癖がついてしまうこともあるでしょう。しかし、大事なのはそのままやめてしまわないことです。少しずつでも再開すれば、グラフの白い線は徐々に上向きになるはずです。

「中長期の成果」を「トレンド」で見える化

短期的な実績の積み重ねは、確実に中長期の成果に結びつきます。それを実感できるのが「トレンド」の指標です。

トレンドはiPhoneの「フィットネス」アプリの機能の一つ。過去90日間の計測値を過去1年間と比較して、どのように変化したかを示します。ブレの多い日々の記録ではなく、平均した長期的な数値で比較するため、現在の傾向が「上向き」なのか「下向き」なのか、適切な評価が得られます。

  • 「フィットネス」アプリを開き「トレンド」をタップ。各項目の矢印が上向きなら努力が実っている証拠。下向きの場合は改善のためのアドバイスが表示されます

もう少し具体的な評価が欲しいなら「ヘルスケア」もチェックしてみましょう。トレンドにも入っている「心肺機能」の数値を、ヘルスケアでより詳しく見ることができます。

  • 「ヘルスケア」アプリを開き、[ブラウズ]タブ→[呼吸]→[心肺機能]の順にタップ。中長期的な推移や平均値との比較が表示されます

心肺機能とは「最大酸素摂取量(VO2 max)」のこと。運動時に体が消費できる最大酸素量のことで、値が大きいほど有酸素運動と持久力のレベルが高いことを示します。ランニングやウォーキングなどの有酸素系の運動を継続している方なら、この値が上向くことで自分の努力を実感できるでしょう。

1日ごとの「アクティビティリング」、1週間ごとの「トレーニングの負荷」、1〜3か月ごとの「トレンド」や「ヘルスケア」をチェックして、運動習慣の継続に役立ててください。