サムスンは2024年7月10日にパリで新製品発表会を開催し、折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold6」「Galaxy Z Flip6」や、スマートウォッチなどを発表しました。その中で最も注目を浴びているのが新ジャンルのウェアラブルデバイスである「Galaxy Ring」です。指輪型のスマートリングと呼ばれる製品で、スマートフォンメーカーの本格的な製品としては最初のモデルとなります。
若干幅の広い指輪の形をしているGalaxy Ringですが、その形状には理由があります。リングの内側を見ると、マイクロセンサーが3つ搭載されているのです。これらのセンサーは心拍数や運動量など身体のデータを測定するもの。センサーの組み合わせで睡眠状態の記録・診断も可能で、健康的な生活を送るアシスタントとして使えるのです。
指先にはめると指輪そのものの装着感で、24時間つけっぱなしにしたまま使えます。サイズは幅が7mm、重さはリングのサイズによって異なりますが2.3gから3.0gとかなり軽量でこのリングの中にバッテリーやセンサーが入っているとは思えないほどです。写真を見ると指輪の片側に突起が見えますが、この裏側にセンサーが内蔵されており、指の内側にセンサーを合わせて装着することが推奨されています。バッテリーは連続して約7日間使用できるとのことなので、充電の頻度は週に1度程度。頻繁に指から取り外す必要もなく、スマートウォッチなどで健康管理がなかなか出来ない人も、Galaxy Ringなら継続して使うことができるでしょう。
カラーはゴールド、シルバー、ブラックの3色です。定番ともいえる色ですが、ゴールドのみ輝きのある表面仕上げとなっています。IP68の防水防塵に対応、また水深100メートル(10気圧)の防水にも対応し、これは海水(塩分濃度5%)に耐えられるとのこと。プールや海での使用も考えられています。
なおリングの太さは9種類あるので、自分の指の大きさに合わせて購入できます。購入時にはあらかじめプラスチック製のサイズ測定リングを入手し、実際に指にはめて大きさを決めてから注文する方法になるようです。この販売方式は他のスマートリングでも取り入れられているもので、実サイズのダミーリングで大きさを決められるため「受け取ったら自分のサイズと合わなかった」なんて心配もありません。
Galaxy Ringはスマートフォンのアプリ「Samsung Health」を使うことで、様々な生体データの管理や健康状態の把握が可能になります。睡眠、運動量、睡眠中の心拍数、睡眠中の心拍変動をAIが判定する「Energy Score」は身体の状態をスコア化してくれます。また「Wellness Tips」としてユーザー個人の健康状態に関するアドバイスなどのメッセージも受けとれます。ウォーキングやランニングを自動トラッキングする「Auto Workout Detection」や、日々の運動をリマインドする「Inactive Alert」など、活動量計としての機能も備えます。
なお充電台は透明なケースで、このままハンドバックやポケットに入れて持ち運ぶこともできます。ケースにはバッテリーも内蔵されており、ケースを充電しておけばGalaxy Ringを数回フル充電することもできます。ケースは背面にUSB Type-C端子がある他、ワイヤレス充電にも対応します。充電中の姿も美しく、Galaxy Ringはデジタル製品としてだけではなく、ファッションアイテムとしても使えるような仕上がりになっているのです。
Galaxy Ringは多くの機能は搭載しておらず、身体からのデータを取得し、アプリで管理するためのデバイスです。そのため医療機関や保険関連企業などと提携すれば、レンタルや無償提供という展開方法も考えられるでしょう。24時間身体に装着できるウェアラブルデバイスであり、新しいタイプの健康デバイスとしてGalaxy Ringには注目が集まっています。
なかなか魅力的なGalaxy Ringですが、現時点では日本での販売予定はありません。日本でもスマートリングは様々な製品が増えているだけに、日本人でもGalaxy Ringを使いたいと考えるユーザーは一定数いるでしょう。ぜひ日本での販売も検討してほしいものです。