シャープから発売になる「AQUOS R9」は同社のハイエンドモデル「Rシリーズ」の最新機種です。これまでの機種同様にライカ監修のカメラを搭載しており、写真の撮影性能に大きな魅力を持ったスマートフォンでもあります。
本体カラーはグリーンとホワイトの2色展開。定番のブラックなどはないものの、どちらも落ち着きある色合いで万人向けと言えます。
AQUOS R9の性能はチップセットがクアルコムのSnapdaragon 7+ Gen 3を搭載、ディスプレイは6.5インチでバッテリーは5,000mAhを内蔵します。他社のフラッグシップモデルと比べるとスペックはやや抑えられていますが、ハードな使い方をしなければ不満が出ることは無いでしょう。
カメラは5,030万画素の広角に加え、超広角も5,030万画素と実力ある性能を有します。レンズはライカのヘクトールで、ライカブランドならではのカメラ性能と言えます。実はライカのカメラを搭載するスマートフォンはこのAQUOS R9だけではなく、日本では他にライカから「Leitz Phone 3」、シャオミから「Xiaomi 14 Ultra」も発売されています。
Leitz Phone 3はM型ライカ風のファインダー表示で撮影できる、ライカの製品らしい仕上げです。またXiaomi 14 Ultraは5,000万画素カメラを4つ搭載するハイエンド機で、グリップとカバーを装着するとデジタルカメラのような外観になります。この2機種に対してAQUOS R9はバランスの良いデュアルカメラを搭載し、本体はデザイナーの三宅一成氏がデザインを手掛けました。自由曲線を使ったカメラバンプはどことなく暖かみを感じさせるデザインであり、人に寄り添ったスマートフォンという印象も与えてくれます。この3機種はそれぞれ「ライカの製品」「高性能カメラフォン」「デザインフォーカスモデル」と特徴が分かれていますが、ライカカメラのスマートフォンが3機種も販売されているのは、実は世界でも日本だけです。
そのカメラは写りがいいのはもちろんで、5,030万画素のカメラは集光量が31%広がったことで暗所撮影にも強くなりました。ProPix liteと呼ぶ画質エンジンとAIにより、シーンに応じた最適な撮影も可能にしてくれるとのこと。また食事などを撮影したときにどうしても写ってしまう影を自動的に消す機能もあります。これはSNSに日々写真をアップしている人にはうれしい機能でしょう。
他にも日常的に便利なAI機能も備わっています。電話がかかってきても出られないとき、AIが録音文字起こしと要約を行ってくれる機能は使い勝手が良さそうです。たとえば移動中、会議中、授業中などに電話がかかってきても、なかなか出ることはできません。AQUOS R9の伝言アシスト機能を使うと、電話に出られなかった時に相手にメッセージを話してもらい、それを録音するだけではなく文字にしてくれるのです。後からメッセージを聞きなおさなくても、画面上の文字をパッと見て内容を判断できます。しかもそれだけではなく、長い要件の場合はAIが数行の文字に要約してくれるので、さらにわかりやすく読むことができます。
会議が多い日に多数のメッセージが入ったり、授業中に大事な連絡を受けなければならないときなど、あとから録音をすべて聞き返すのも大変です。また中にはセールス電話などあまり重要ではないメッセージが入っていることもあるでしょう。AQUOS R9なら画面を見るだけで電話に出られなかった時の相手からの連絡を簡単に見ることができるわけです。
AQUOS R9の進化は他にもあり、スピーカー音質の性能アップも大きな特徴です。新型のスピーカーモジュールは性能を高めながら小型化を実現しており、スマートフォンの薄い本体に収まる大きさながら音量は2.5倍も向上しています。映画や動画配信サービスを視聴したり、自分で録画した動画を見るのもより楽しくなるでしょう。
日常的に本体を保護するケースも、本体カラーと同色のものが提供されます。ケースの裏側はマイクロファイバー裏地となっており、本体を傷つけることもありません。ライカのカメラにAIを使った様々な機能、そしてデザインに優れたAQUOS R9は、スマートフォンを使う喜びをさりげなく与えてくれる製品と言えるかもしれません。