ハーマンインターナショナルは、JBLブランドで初めてハイレゾワイヤレス再生に対応した完全ワイヤレスイヤホン「JBL LIVE BEAM 3」を6月7日に発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は28,050円。カラーはブラック、シルバー、ブルー、パープルの4色展開。

  • JBL LIVE BEAM 3(パープル)

  • ブラック、シルバー、ブルー、パープルの4色展開

LIVE FREE 2」(2022年発売/15,950円)の後継で、「完全ワイヤレスイヤホンの“新スタンダード”」と位置づける新機種。2023年にJBLがハイエンド機として投入した「TOUR PRO 2」(33,000円)の最大の特徴である、ディスプレイ付き充電ケースなどの要素を盛り込み、さらにJBL初のハイレゾワイヤレス対応機としてLDACコーデックにも対応するなど、上位機を凌駕するハイスペック機に仕上げた。SBC、AACもサポートし、さらに今後のアップデートでLE AudioのLC3にも対応予定。

  • 「完全ワイヤレスイヤホンの“新スタンダード”」をめざした新機種

  • 内覧会で実施していた、標準のSBCコーデックとハイレゾワイヤレス再生(LDACコーデック)で同じ曲を聴き比べるデモ。SBCでは平板で狭く感じられた音が、LDACではより豊かで濃密なサウンドに変化する印象だ

  • LIVE BEAM 3(ブラック)。上位のTOUR PRO 2ゆずりのディスプレイ付き充電ケースが付属

充電ケースにはTOUR PRO 2と同じ、カラー表示対応の1.45型ディスプレイを備え、音楽再生操作や音量調整、ノイズキャンセリング(NC)機能や外音取り込みのオン/オフといった操作面もほとんど変わらないとのこと。TOUR PRO 2ではケース本体側に画面があったのに対して、LIVE BEAM 3は上ぶたに画面を搭載しており、開いたときに表示向きが180度入れ変わるローテーション機能を新たに組み込んでいる。

  • LIVEシリーズ初の“スマート充電ケース”。上ぶたにディスプレイを搭載しており、指で触れてイヤホンの各種操作が行える

  • 左が新機種のLIVE BEAM 3、右が現行のTOUR PRO 2。ケースの形状やサイズ感は異なるが、画面サイズは同じ

ディスプレイは発売時点から日本語対応で、音楽再生操作や音量調整、アクティブノイズキャンセリングや外音取り込みといった各種操作が、スマホアプリやイヤホン本体に触れることなく充電ケースから行える。画面の壁紙も好きなものに変えられる。デモ機を比べてみた限りでは、LIVE BEAM 3のほうが画面の最大輝度が若干上がり、明るくなったように見えた。細かい点では、日本のユーザーの声に応えてストラップホールを新たに備えている点も進化ポイントだ。

  • LIVE BEAM 3(左)とTOUR PRO 2(右)のイヤホンを取り出したところ

  • メディア向け内覧会でお借りした実機は、アプリ上で英語→日本語に言語変更する必要があった

LIVE BEAM 3は、軸があるショートスティックタイプのデザイン。JBLの完全ワイヤレスイヤホンで培ってきた、人間工学に基づくデュアルオーバルシェイプデザインを採用し、装着感を高めながら自然な密閉感によるパッシブノイズキャンセリングを追求。アクティブノイズキャンセリングと音質の向上にも寄与するという。専用アプリ「JBL Headphones」には、聴覚検査のような仕組みで聴力を計測し、ユーザーの耳に再生音を最適化するパーソナライズ機能をバージョンアップした「Personi-Fi 3.0」を備えている。

  • LIVE BEAM 3(左)とTOUR PRO 2(右)のイヤホンを並べてみると、同じショートスティックタイプでも質感やデザインに違いが見られる

  • イヤーピースを外してみるとこんな感じ。イヤーピースの接続部はLIVE BEAM 3が楕円形、TOUR PRO 2は真円と、ここにも違いが見られる

  • JBL Headphonesアプリのメイン画面は、製品のカラーリングに合わせた配色になっている

  • パーソナライズ機能「Personi-Fi 3.0」をオンにしたところ。ユーザーの耳に合わせて、聞こえづらい部分を音を持ち上げるといった処理を行う

再生時間は、ノイキャンオン時はイヤホン単体で約10時間、充電ケース込みで約40時間(ノイキャンオフ時は単体約12時間、ケース込みで約48時間)。10分の充電で4時間音楽を聴ける、急速充電機能も備える。

短時間ながら、ハーマンインターナショナルからお借りした実機を使ってサウンドを確かめてみた。歌モノやジャズ、クラシックなどあらゆる楽曲を、低域から高域までバランスの取れた音で聞かせてくれ、見通しの良さや音の粒立ち感など表現力の豊かさも上位機ゆずり。振動板にPU + PEEK素材を採用した、10mm径のダイナミック型ドライバーが功を奏しているようだ。JBLでは、剛性に優れた樹脂であるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)と柔らかいPU素材の組み合わせで、低音の力強さと中高音域のクリアさ、伸びやかさを追求したJBLシグネチャーサウンドを追求したと説明している。

  • LIVE BEAM 3の内部構造

ノイキャン機能は内外のノイズを抑え込むハイブリッドタイプ。オンにしたときは“耳栓感”がやや強く感じられ、ここは評価が分かれそう。といっても電車の騒音やバスのエンジン音といった、出先で気になる低域ノイズはしっかり消し込んでくれる印象だ。

アンビエントアウェアと呼称する、いわゆる外音取り込みに関しては、イヤホンを外した状態と付けた状態で聞こえる音にさほど違いがなく、取り込み精度の高さを実感。普段筆者が好んで使っているボーズの完全ワイヤレスイヤホン「QuietComfort Earbuds II」(QC Earbuds II)と比べてみても、かなり高い完成レベルだと感じた。

ただ、付属のイヤーピースは表面がさらりとしたシリコン製で筆者の耳にあまりなじまず、自分としてはめずらしくLサイズへの交換が必要だった(JBL製品に限らず、最初から取り付けられているMサイズのイヤーピースのままで事足りることが多いのだが……)。

なお、JBLではLIVE FREE 2と同じソラマメのようなBudsタイプの「JBL LIVE BUDS 3」(発売日・価格共に未定)を2024年中にも日本市場へ投入する予定で、メディア向けの内覧会ではモックアップを参考出展していた。耳へのフィット感を高めたいユーザーから注目を集めそうだ。

  • JBL LIVE BUDS 3の参考出展

  • LIVE BEAM 3と同じカラー展開になるようだ

LIVE BEAM 3の購入者を対象に、カメラストラップなどでおなじみの「ARTISAN&ARTIST」(アルティザン&アーティスト)ブランドのオリジナルハンドストラップと、充電ケースのディスプレイを保護する専用フィルムをセットでプレゼントする、数量限定の先着プレゼントキャンペーンを実施。5月30日から6月30日までの間に対象店舗(JBL正規販売店)で購入し、所定の応募フォームから申し込むと、製品カラーにあわせたオリジナルハンドストラップとディスプレイ保護フィルムを提供する。応募受付期間は発売日の6月7日から7月7日23時59分までだが、賞品はなくなり次第終了となる。

  • ARTISAN&ARTISTのオリジナルハンドストラップを付けたLIVE BEAM 3の展示