米Appleは2月7日(現地時間)、プレビュー提供していたWindows用の「Apple Music」、「Apple TV」、「Appleデバイス」を正式リリースした。これらはポッドキャストを除いて、Windows用iTunesアプリの大部分の機能を引き継いでいる。2019年にAppleがMac用のiTunesを「Music」「ポッドキャスト」「TV」に分割してから5年、Windowsでも同様の移行が始まった。

これらの新しいWindows用アプリは、Microsoft Storeからダウンロードできる。動作環境としては、Windows 11またはWindows 10(バージョン19045以降)が必要。x64アプリのみで、Windows on Arm向けのネイティブアプリは用意されていない。

Apple Musicアプリでは、Appleの定額制音楽配信サービス「Apple Music」を利用し、音楽ライブラリを管理できる。Apple TVアプリは、映画やテレビ番組を購入またはレンタルしたり、ライブラリの管理に加え、Appleのオリジナルコンテンツを楽しめる定額制サービス「Apple TV+」の視聴が可能だ。

Appleデバイス・アプリは、Windows PCからAppleデバイス(iPhone、iPad、iPod、またはiPod touch)を管理するユーティリティ・アプリである。音楽、映画、テレビ番組をWindows PCからAppleデバイスに同期したり、Appleデバイスのバックアップや復元を行うことができる。また、AppleデバイスのOSをOTA(Over The Air)でアップデートするには内蔵ストレージの空き容量が不足している場合、Appleデバイス・アプリを使うことでデータなどを削除することなくアップデートできる可能性がある。

Appleはまた、「iCloud」アプリのデザインも一新した。よりクリーンで、Windows環境に適合したデザインになっており、セットアッププロセスも改善されている。

Macとのシームレスな連携には及ばないものの、近年Windows PCでのAppleデバイスの使い勝手が着実に向上している。Appleは自社のサービスをWindowsやAndroidなど競合するプラットフォームにも拡大することで、様々なデバイスを使用するユーザーに対し、SpotifyやDropboxなどの互換性の高いサービスではなく、Appleのエコシステム内にとどまる選択肢を提供している。