米OpenAIは7月9日(現地時間)、ChatGPTで業務タスクを実行するエージェント機能「ChatGPT Work」を発表した。接続したアプリやファイルを横断して情報を集め、ドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーション、Webアプリなどの成果物を作成する。ChatGPTを質問応答型のAIから、複数の手順を要する業務を支援する作業環境へ広げる取り組みである。
OpenAIは同日、最新のAIモデル「GPT-5.6」シリーズの一般提供を開始した。Workはこのモデルを基盤に動作する。同社はあわせてChatGPTのデスクトップアプリも刷新した。これまで独立していたCodexアプリは新しいChatGPTデスクトップアプリに統合され、アプリ内で「Chat」「Work」「Codex」を切り替えて利用できる。
Workは、OpenAIが開発者向けコーディングエージェントとして提供してきたCodexの技術を組み込んだ、一般業務向けのエージェント機能である。同社によれば、Codexは週間500万人以上が利用しており、うち100万人以上はソフトウェア開発以外の業務で活用しているという。OpenAIはこうした利用実態を踏まえ、営業、マーケティング、財務、業務オペレーション、データ分析など、幅広い職種に対応する機能としてWorkを投入した。
Workは複雑なタスクを小さな手順に分解し、必要に応じて数時間単位で作業を継続できる。OpenAIは活用例として、月次の予算差異分析、顧客調査結果をもとにしたマーケティング資料の作成、商談前の準備、会議アジェンダの更新、定期的なレポート生成などを挙げている。
プラグインにより、Slack、Microsoft Teams、Google Drive、SharePoint、各種メール/カレンダー、CRM、プロジェクト管理ツールとの接続が可能。ユーザーはプロンプト内で「@」を付け、参照先のアプリやツールを指定できる。
Chrome拡張もアップデート、ブラウザ「Atlas」は段階的終了に
デスクトップアプリでは、ローカルファイルやアプリを使った作業に対応する。内蔵ブラウザも追加され、Web上の情報収集、オンラインツールの操作、Google WorkspaceやMicrosoft 365のファイル確認などをChatGPT内で進められる。加えて「Computer Use」機能により、ChatGPTがユーザーに代わってクリック、入力、ファイル移動などの操作を実行できる。
Chrome拡張機能も更新され、ChatGPTをChromeのサイドバーから利用できるようになる。OpenAIはこれまで、Chromiumベースの単体ブラウザ「Atlas」を提供してきたが、Chrome拡張でブラウザ連携を実現する一方、Atlasブラウザを段階的に終了させる方針を明らかにした。AtlasユーザーにはChatGPTへの移行方法を案内するとしている。
ChatGPTの新機能として、成果物をインタラクティブなサイトやWebアプリとして共有できる「Sites」(パブリックベータ)が追加された。ライブダッシュボード、プロジェクトトラッカー、ローンチカレンダー、プロトタイプ、社内ポータル、インタラクティブレポートといった用途を想定しており、ChatGPT内で作成・テストした上で、URLを通じて社内外に共有できる。
新しいChatGPTアプリへの移行方法
ChatGPT WorkはWebとモバイルで、Pro、Enterprise、Eduプラン向けに提供を開始し、数日以内にPlusとBusinessにも拡大する。新しいChatGPTデスクトップアプリはMacとWindows向けに提供され、無料プランを含む全プランで利用できる。
注意点として、新しいChatGPTデスクトップアプリは、従来のCodexアプリをアップデートする形で提供される。従来のChatGPTデスクトップアプリは「ChatGPT Classic」に改称され、従来のChatGPTアプリの更新では新しいChatGPTアプリは導入されない。Codexアプリを使用してない場合、新しいChatGPTデスクトップアプリをダウンロードしてインストールする必要がある。



