EcoFlowが、大容量&高出力の可搬型家庭用蓄電池「DELTA Pro Ultra」を発表した。これまでのポータブル電源よりも圧倒的に高出力&大容量の製品で、停電時でもエアコンをはじめ家庭内の家電がふだん通り使える。自宅に設置したソーラーパネルと連携させれば、日中に太陽光で充電し、夜間にためた電力を使うことで電気代を安く済ませられるメリットもある。別売の台車を装着すれば手軽に移動でき、災害などで自宅を離れなければならない状況でも自宅外に持ち出して、避難先やクルマで電力を供給できる。

価格は、インバーターが748,000円、バッテリーが825,000円、インバーターとバッテリーのセットモデルが143万円。1月18日から販売する。

  • 圧倒的な大容量&高出力のポータブル電源「DELTA Pro Ultra」。上がインバーター部、下がバッテリー部

EcoFlowが「次世代ポータブル電源」とうたう大容量&高出力モデル。製品は、電源制御や各種端子への出力を行うインバーター部と、6kWhのバッテリーを内蔵したバッテリー部で構成する。バッテリー部は最大5台まで増設でき、最大30kWhに拡張できる。バッテリーは積み重ねできるので、容量を拡張しても設置場所を取らずに済む。

  • ポータブル電源のエントリーモデル「RIVER 2」(上)と比べると、これだけ大きい!

  • 前面にはAC100V端子に加え、AC200V端子も備える

  • 上部には大型の表示パネルを登載。USB端子は表示パネルの下に用意する

バッテリー部はリン酸鉄リチウム電池で、24時間の連続使用も問題ない設計としている。バッテリーは、3,500回の充放電を繰り返しても80%超の容量を維持する。寿命の目安は10年。

定格出力は6,000Wで、瞬間出力は9,000Wと大きい。AC出力はAC100VとAC200Vの両方に対応し、AC200Vの一般的な家庭用エアコンも動かせる。これほど高出力ながら、ヒートパイプによる効率的な排熱機構を備えたことで、2,000W(2kW)以下の出力ならば騒音ゼロで使えるという(無音を保つのはおおむね30分前後とのこと)。

  • バッテリー部との接続端子は側面に用意。追加バッテリーも側面に接続していく

  • 充電状況の表示や操作ができるパネル「EcoFlow PowerInsight」もオプションで用意する(97,900円)

  • もし停電しても、これらの家電がふだん通り使えるのは頼もしい

充電は家庭のコンセントやソーラーパネルのほか、EV充電スポットでの充電にも対応する。自宅のソーラーパネルと連携させた家庭用蓄電システムとして使う場合、日中はソーラーパネル経由で充電し、夜間はためた電力を使い、足りなくなったら深夜の安い電力で充電する…という流れで電気代を最小限に抑えられる。

  • 自宅に設置する場合、配電盤などに接続する必要がある

家庭用の蓄電システムは据え置きタイプが主流だが、災害や火災などで自宅に住み続けることができなくなった場合、システムはそのまま置いていかなければならない。だが、DELTA Pro Ultraのようなポータブルタイプならば、システムを避難先やクルマなどに持ち出して電源を供給できる。DELTA Pro Ultraは、オプションで専用台車「EcoFlow Trolley」(価格は73,700円)を用意しており、手軽に移動できる。

  • 専用の台車「EcoFlow Trolley」を取り付けたところ。インバーター部とバッテリー部を合わせると80kg超になるが、台車があれば手軽に移動できる

製品の購入自体は個人でもできるが、自宅への取り付けや配線は電気工事士の資格が必要となるため、リフォーム会社に依頼しての購入や取り付けが一般的になる。

本体サイズは、インバーター部が690×481×214mm、重さは約31.7kg。バッテリー部が660×455×204mm、重さは約50.7kg。