東京倧孊(東倧)ず囜立倩文台は12月22日、ゞェむムズ・りェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の芳枬デヌタを甚いお、これたで134億135億幎前の遠方宇宙に存圚する3個の銀河が確認されおいた䞭、今回新たに134億幎前の宇宙に明るく茝く2぀の銀河たでの正確な距離を枬定するこずに成功したず発衚し、蚘者䌚芋を行った。

  • 今回、研究チヌムにより正確な距離が枬定された134億幎前の宇宙に存圚する銀河の1぀「CEERS2_588」

    今回、研究チヌムにより正確な距離が枬定された134億幎前の宇宙に存圚する銀河の1぀「CEERS2_588」。JWSTで取埗された3波長の芳枬デヌタを合成し、擬䌌的に着色された擬䌌カラヌ画像(赀倖領域の波長が取埗されおいるため、ヒトの目で芋られる可芖光の色ずは異なる)。(c)NASA, ESA, CSA, Harikane et al.(出所:プレス向け配垃資料)

同成果は、東倧 宇宙線研究所(宇宙線研)の播金優䞀助教らの共同研究チヌムによるもので、䌚芋には今回の研究を䞻導した播金助教が参加した。詳现は、米倩䜓物理孊専門誌「The Astrophysical Journal」に掲茉された。

  • 研究を䞻導した東倧 宇宙線研の播金優䞀助教

    研究を䞻導した東倧 宇宙線研の播金優䞀助教。播金助教は、12月4日に、120億130億幎前の遠方宇宙においお、SMBHを予想の50倍(0.2個の予想のずころ10個を発芋)も倚く発芋したずする䌚芋に続き、今回は134億幎前の宇宙に2぀の銀河の正確な距離の枬定に成功したずする䌚芋を実斜した。

宇宙で最初に茝いた「ファヌストスタヌ(初代星)」や、それらで構成された「初代銀河」などは、ただ人類が芳枬できおいない“宇宙の倜明け”の時代に存圚する最埌の芳枬察象ずされる。これよりも前の時代には、もはや氎玠やヘリりムなどのガスしかなく、倩䜓は存圚しない。これらを捉えるため、これたでもハッブル宇宙望遠鏡(HST)や、すばる望遠鏡などの地䞊の倧型望遠鏡を甚いお芳枬が詊みられおきおおり、その結果、134億幎よりも昔の宇宙に存圚するずされる銀河も数䟋ほど芳枬されたが、実は正確な距離がわかっおいなかったずのこず。ずいうのも、130億幎よりも前の時代に存圚する倩䜓たでの距離を蚈枬するのは容易ではないからだ。

  • 右端をビッグバン、巊端を珟圚ずした宇宙の進化の暡匏図

    右端をビッグバン、巊端を珟圚ずした宇宙の進化の暡匏図。今回、通算4個目ず5個目ずなる、134億幎前の宇宙に存圚するこずが正確に枬定された2぀の銀河が播金助教らによっお発芋された。播金助教は、初代銀河は136億幎前ごろに誕生したず掚枬しおおり、人類はそこたであず2億幎ず迫っおいる(出所:蚘者䌚芋プレれン資料)

初期宇宙の倩䜓を正確に蚈枬するためには、「宇宙論パラメヌタ」の銀河の埌退速床を衚す「ハッブル定数(H0)」ず、宇宙膚匵によるその倩䜓の埌退速床(地球から芋た時の遠ざかる速床)による固有の赀方偏移(z)のより正確な倀を求める必芁がある。ハッブル定数は珟圚、2015幎に発衚された倀が最新のもので、玄67.7km/s/Mpc(1メガパヌセク(箄326䞇光幎)ごずに毎秒67.7kmず぀銀河の埌退速床が速くなるずいう意味)である。

そしおzを正確に求めるには、その倩䜓たでの正確な分光デヌタが必芁ずなる。ずころがその宇宙膚匵の赀方偏移により、その銀河を発した時は玫倖線や可芖光線だったものが、130億光幎以䞊も宇宙を進んで地球たでやっお来る間に、宇宙膚匵で匕き䌞ばされお波長が近赀倖域や䞭間赀倖域にシフトしおしたうため、これたではその波長域での分光芳枬が難しかった。その理由には、それらの波長域は、倧気に吞収されおしたうため、地䞊ではずころどころの波長でしか芳枬できないこずがある。しかも、初期宇宙に存圚する銀河の明るさは2530等玚しかなく、肉県で芋える䞋限ずされる6等玚ず比范するず、玄4000䞇分の1玄40億分の1ずいう暗さになる。たた、ハッブル宇宙望遠鏡は可芖光での芳枬をメむンずしおおり、赀倖線は近赀倖域の1.7ÎŒm以䞊は察応しおいなかった。

  • 遠方銀河の芳枬は困難を極める

    遠方銀河の芳枬は困難を極める。宇宙膚匵による赀方偏移で、玫倖域の波長が可芖光を通り越しお赀倖域にたでシフトしおしたうので、赀倖域の感床が求められる。それに加え、遠方銀河のため、ずお぀もなく暗い。肉県で芋られる最も暗い6等玚の明るさに察し、画像䞭では1億分の1ずあるが、正確には25等玚は玄4000䞇分の1、30等玚に至るず玄40億分の1の暗さずなる(出所:蚘者䌚芋プレれン資料)

しかし、それもJWSTが科孊芳枬を開始したこずで状況が䞀倉。JWSTの最も感床の高い装眮「NIRSpec」は近赀倖域の波長0.65.3ÎŒmを捉えるこずができ、たさに革呜ずもいうべき高感床(埓来望遠鏡の101000倍)での分光芳枬が可胜だ。JWSTの芳枬デヌタは2022幎7月に最初の画像が公開されお以降、研究者なら誰でも利甚できるデヌタも公開されおおり、それらを甚いた論文はすでに日本からだけでも20本匱、䞖界ではおよそ2000本も公開されおいるこずからも、どれだけこれたでにない芳枬デヌタを取埗できおいるかがわかる。

そしおJWSTの芳枬から、134億136億幎前の最遠方宇宙に存圚する銀河の候補が倚数発芋されるようになった。そうした候補の䞭から、海倖の研究チヌムにより、玄134億幎前の宇宙に3個の銀河が確かに存圚するこずが発衚された。

それに続く圢で今回、播金助教を䞭心ずした研究チヌムは、同じく玄134億幎前の宇宙に存圚する可胜性のある2個の候補倩䜓を発芋。JWSTの分光芳枬デヌタが粟査された結果、その2倩䜓から氎玠による吞収(ラむマンブレむク)ず酞玠の茝線を、「99.9999以䞊の有意床」ずいう高粟床で怜出するこずに成功。その結果、それぞれの銀河たでの正確な距離が玄134.0億光幎(z11.04)、玄134億2000䞇光幎(z11.40)ず決定された。この2぀は、3個の銀河を発芋した海倖の研究チヌムが芋逃しおいたもので、しかもその3個の銀河よりも5倍以䞊も明るいずいう特城を備えおいた。

  • 今回、距離が決定された2぀の銀河の䜍眮(䞊パネル)ず分光スペクトル

    今回、距離が決定された2぀の銀河の䜍眮(䞊パネル)ず分光スペクトル(䞋パネル)。分光スペクトルにおいお、青の領域から巊偎は、氎玠による吞収(ラむマンブレむク)で、黄が酞玠の茝線。99.9999以䞊の有意床で怜出され、距離が正確に枬定された。(c)NASA, ESA, CSA, Harikane et al.(出所:プレス向け配垃資料)

なお今回発芋された2぀の銀河は、明確な酞玠の茝線が確認されおいるため(぀たり酞玠が存圚する)、初代銀河には圓おはたらない。初代銀河がファヌストスタヌのみで構成されおいるのなら、氎玠ずヘリりム(ず極めおわずかながらリチりム)以倖の元玠は怜出されないはずだからだ。宇宙の倜明けの時代に存圚する元玠は、ビッグバン元玠合成で生み出された3皮類のみしかなく、玄75の氎玠、玄25のヘリりム、そしお極めおわずかなリチりムずなる。酞玠は、ファヌストスタヌやそれ以降の星の栞融合によっお合成され、超新星爆発で星間空間にばらたかれた蚌になるのである。

たた今回2぀の遠方銀河が発芋されたこずで、新たに可胜ずなったのが、銀河(星)の数が理論予枬ず矛盟しおいるのかどうかずいう怜蚌だ。埓来の理論は、134億135億幎前の銀河の数は、最倧でも3個ず予想されおおり、その倀はHSTやすばる望遠鏡などの芳枬結果ずは矛盟しおいなかったずいうが、今回の芳枬では、5個ず予想より2個も倚いこずがわかった。しかも同時代の銀河候補はたださらに増えるこずが予想されおいるため、「宇宙の倜明けの時代は予想以䞊に銀河が倚く、明るく照らされおいた」こずが確認された結果、埓来の理論では説明が難しいこずがわかったずしおいる。

  • JWSTの芳枬開始たでに発衚されおいた理論モデルによる、134億135億幎前の宇宙における銀河の個数の予想

    青の棒グラフは、JWSTの芳枬開始たでに発衚されおいた理論モデルによる、134億135億幎前の宇宙における銀河の個数の予想。134億幎前の宇宙にあるこずが確定された銀河の数が今回2個远加されたこずで、どの理論をも䞊回るこずになった。しかも、ただこの時代に存圚する可胜性のある候補銀河は存圚するため、さらに赀のラむンは䞊ぞず䞊がる可胜性がある(䞊向き矢印はそのこずを衚しおいる)。(c)Harikane et al.(出所:プレス向け配垃資料)

銀河の明るさからは、星がどれくらいのペヌスで誕生しおいるのかを調べるこずができる。今回発芋された2぀の銀河も加味しお分析した結果、134億135億幎前の宇宙では、埓来モデルの予枬に比べお星の誕生率が4倍以䞊も高く、予想よりも短時間に次々ず星が誕生しおいるこずが明らかになったずいう。星が誕生するには星間ガスが十分に冷えおいる必芁があるが、星が誕生し出すず、今床は超新星爆発などによりガスが枩められるようになり、その結果ずしお星の誕生にブレヌキがかかる。しかし、そのブレヌキが理由は䞍明だが、どうやら働いおいない(働き方が匱い)ようなのだ。぀たりこのこずは、初代銀河を含む宇宙初期の銀河の圢成過皋が、埓来考えられおいた理論ずは異なる可胜性を瀺しおいるずする。

  • これたでに発衚されおいたモデルごずの各時代の宇宙党䜓の星の誕生率を衚した曲

    青の点線・実線・砎線は、これたでに発衚されおいたモデルごずの各時代の宇宙党䜓の星の誕生率を衚した曲線。133億幎前(赀方偏移z10)たでの芳枬結果(灰色)をうたく再珟できおいたが、今回134億135億幎前の銀河から蚈算された1幎あたりの星の誕生率(赀色)は、どのモデルの予想よりも4倍以䞊高く、短時間に次々ず星が誕生しおいるこずが刀明した。(c)Harikane et al.(出所:プレス向け配垃資料)

この星の倧量生成の仕組みずしお想像されるこずの1぀に、銀河の衝突・合䜓による「スタヌバヌスト」があるだろう。この時代の宇宙は珟圚よりもずおも小さかったため、小型であっおも銀河同士の衝突・合䜓が頻繁に発生しやすい状況にあったずされる。その結果、それぞれ銀河内の星間ガスも衝突しお圧瞮され、倚量の星が急速に誕生するスタヌバヌストが起きた可胜性も高かったこずが考えられるのである。いずれにしろ詳现は䞍明のため、今埌のさらなる研究による成果を期埅したい。