データ移行ツールの「クイックスタート」が登場してからというもの、iPhoneからiPhoneへの乗り換えはだいぶラクになりました。新旧iPhone双方でiOS 12.4以降が動作していればOK、あとはWi-FiとBluetoothが有効なことを確認し、新iPhoneの「こんにちは」画面から指示どおり作業すれば完了です。

とはいうものの、そこにはいくつか落とし穴が。そのひとつが交通系ICカードの移行で、やや面倒な手続きが必要です。iOS 16時点でのSuicaを例にすると、旧iPhoneでWalletアプリ(Apple Pay)に登録したSuicaを削除し、その後新iPhoneで「以前ご利用のカード」を登録しなければなりません。PASMOについても同様で、クイックスタート完了後のひと手間が必要です。

iOS 17では、この旧端末で利用していたカードを新端末で登録し直す作業が不要になりました。クイックスタートで交通系ICカードを選択すれば、Suicaなど交通系ICカードはそっくり引き継がれます。チャージした残高もそのまま、定期券情報も旧端末のままです。

ただし、旧端末がiOS 17以前だったり、なんらかの理由で登録済のカードとして目当ての交通系ICカードが表示されなかったりした場合は、手動での登録作業が必要です。旧端末側で目当ての交通系ICカードを削除し、その後新端末側で以前使用していたカードの中から選んで登録しましょう。残高などの情報はインターネット上のサーバでしっかり保管されているので、慌てる必要はありませんよ。

  • 「クイックスタート」でデータ移行作業を行えば、交通系ICカードの情報もしっかり引き継がれます