Apple Storeが日本上陸20周年の節目を迎えた11月30日、旗艦店のApple 表参道で特別なToday at Appleセッション「エクスクルーシブ:STUTSスペシャルライブ」が開かれました。本格的なライブハウスのように衣替えした店内のステージに登壇した音楽プロデューサーのSTUTSさんは、トークもそこそこに力強いビートの12曲を演奏。運よく会場入りできた観客は若年層がほとんどで、ふだんのToday at Appleとはガラリと装いを変えた異色のセッションとなりました。Apple Store20周年の記念日に、Apple Storeはこれからの20年もさまざまな人が集う場所として変化を続ける、というアップルの意思を感じました。

  • Apple Store日本上陸20周年の記念日となった11月30日、Apple 表参道で異色の無料ライブを実施した音楽プロデューサーのSTUTSさん

ほぼライブ一色、異例のToday at Appleセッション

若手の実力派音楽プロデューサーとして活躍するSTUTSさんは、MacやiPadなどのアップル製品をライブや楽曲制作で愛用していることで知られています。7月には、ガールズバンドのCHAIさんとともにToday at Appleセッションに登壇し、iPad版のLogic Proを用いたリミックス楽曲制作に挑戦。手拍子やかけ声のサンプリングの際、手持ちのiPhoneを取り出して録音し、AirDropでiPadにサッと転送するなど、アップル製品の使いこなしぶりが話題になりました。

  • Apple 表参道の特設ステージに現れたSTUTSさん。この6月には、あの武道館で単独公演を実施して満員御礼になるなど、若年層を中心に多くのファンを抱える実力派アーティストだ

そんなSTUTSさんの特別な無料ライブイベントが、Apple Store日本上陸20周年にあたる11月30日にApple 表参道で開かれました。イベントは、Today at Apple「エクスクルーシブ:STUTSスペシャルライブ」で、Today at Appleのセッションながらクリエイティブを学ぶ場というふだんの内容からガラリと変わり、ほぼライブ一色の内容となりました。

開始時間になって店内の明かりが落とされると、スポットライトで照らし出されたステージに立つSTUTSさんが明るく浮かび上がり、ライブがスタート。1曲目の「intro orbit」を皮切りに、STUTSワールド全開のパワフルなビートがApple 表参道を揺らします。

  • 店内の照明が落とされ、アップルマークだけが白く光るApple 表参道。この一夜限りの特別なライブ会場に変身した

  • トークはそこそこにライブがスタート。STUTSさんと観客との距離がとても近く、参加した150名にとっては極上のひとときとなった。観客は手持ちのiPhoneで撮影しながらライブを楽しんだ

STUTSさんのライブは、フィンガードラムをメインで利用するスタイル。今回も、AKAIのサンプラー「MPC LIVE 2」を中心に据え、愛用の14インチMacBook Proやキーボードも併用しながらサウンドが奏でられました。今回のライブはスマートフォンでの撮影が許可されたので、運良く会場に入れた150名の観客は愛用のiPhoneで撮影しながらライブを楽しみました。

  • 穏やかなトークとは打って変わり、演奏中は激しいフィンガードラムの指さばきに圧倒される

  • 演奏の中心となったのが、AKAIのサンプラー「MPC LIVE 2」だ。手前にはSTUTSさんの14インチMacBook Proが見える

  • STUTSさんのパワフルなビートに、表参道を通りかかった人もしばし歩みを止めて聴き入っていた

5曲を歌い上げたところで、ゲストボーカルとして北里彰久さんがサプライズで登場。STUTSさんとのコラボシングル「パノラマ」など2曲を熱く歌い上げてくれました。さらに、ライブ後半にはラッパーのJJJさんが登場し、「Changes」など2曲のコラボ楽曲を披露。2人のボーカルとの息の合ったセッションに、会場のボルテージは最高潮に達しました。

  • ゲストボーカルとして2曲を熱唱した北里彰久さん(右)

  • 同じくゲストボーカルとして2曲のラップを熱唱したJJJさん(中央)

予定の45分間を少しオーバーしてライブは終了。特別なライブを目の前で堪能できた来場者は、興奮冷めやらぬ表情でしばしの余韻を楽しんでいました。ちなみに、ライブは参加申し込みの開始からほどなくして150席が満席になったそう。今回のライブ、オンラインでの配信予定はないので、Apple 表参道でライブを楽しめた人は相当ラッキーだったと思います。

  • 熱いライブが終わったあと、来場者とともに愛用のiPhone 15 Proで自撮りを楽しむSTUTSさん。フィンガードラムのように、iPhoneのシャッターも軽快に連打していた

セットリストは以下の12曲でした。11月22日にリリースしたばかりの「パノラマ」をはじめとする楽曲は、Apple Musicで配信しています。

「エクスクルーシブ:STUTSスペシャルライブ」のセットリスト

  • intro orbit
  • Back & Forth
  • Pretenders
  • One
  • Floating in Space
  • Daylight Avenue feat.北里彰久
  • パノラマ feat.北里彰久
  • Presence
  • 夜を使いはたして
  • Voyage feat.JJJ
  • Changes feat.JJJ
  • Seasons Pass

これからの20年も変化を続けるApple Store

Apple Storeの店頭で開かれるTodat at Appleは、iPhoneやApple Watchの初歩が学べるセッションから、iPhoneを使った撮影やiPadでの作曲などが実践形式で学べるワークショップなど、学びやクリエイティブの内容がほとんどで、今回のような純粋なライブのみのセッションはきわめて異例といえます。このような新趣向の特別セッションを、Apple Store日本上陸20周年の記念日にあえて実施したことは、「これからの20年は今までと同じことを繰り返すのではなく、新しいこともやっていきます」というアップルの意思の表れではないかと感じました。

数年前からApple Storeを「人が集う場所」として再設計しているアップル。新たな形で新たな人を引き寄せるべく、これからもさらなる変化を見せてくれそうです。