米Qualcommは10月17日(現地時間)、次世代のWear OSソリューションに対応する「RISC-V Snapdragon Wear」プラットフォームの開発で、ウェアラブル端末に関するGoogleとの協力関係を拡大することを発表した。同社はRISC-Vベースのウェアラブル・ソリューションを米国を含む世界規模で商品化する計画で、この発表はWear OSプラットフォームの新たな展開というだけではなく、初のRISC-Vベースのコンシューマデバイス向けプラットフォームが登場し、Armベースのソリューションが採用されている分野に今後RISC-Vが食い込んでいく可能性としても注目を集めている。

RISC-Vは、非営利組織によって管理されるオープンスタンダードな命令セットアーキテクチャ(ISA)だ。オープンソースであり、誰でもその設計仕様に自由にアクセスして、拡張やカスタマイズできる。ライセンス料がかからず、プロプライエタリなArmに比べてコストを抑えられる傾向があり、組み込みシステム、IoTデバイス、エッジコンピューティング、一部のサーバーなどで成長している。2020年9月にNVIDIAによるArm買収合意が発表された際に(2022年1月に買収計画を断念)、中立性が失われることを恐れた半導体メーカーの受け皿として注目された。また、急成長しているAI分野も、透明性とワークロードの高度化によって高速で効率的なプロセッサが求められることから、RISC-Vの今後の大きな可能性になっている。

Googleは昨年、「RISC-V Summit」においてRISC-Vに最適化したAndroidの開発を推進し、Armと同様に重視していく考えを示した。一方、Qualcommは5年以上にわたってRISC-Vに投資しており、RISC-Vマイクロコントローラを「Snapdragon 865」など商用プラットフォームに統合している。また、今年8月にRobert BoschなどとRISC-Vの世界的な普及を促進する新会社への共同出資に合意した。

Qualcommは発表の中で、「オープンソースのISAであるRISC-Vは、全ての企業に完全なカスタム・コアを開発する機会を提供し、イノベーションを促進します」としている。Wear OSにRISC-Vベースのウェアラブルソリューションをもたらす拡張フレームワークによって、エコシステム内のより多くの製品が低消費電力で高性能なカスタムCPUを活用できるようになる。QualcommとGoogleはその価値を踏まえてSnapdragon Wearプラットフォームへの投資を継続し、RISC-Vベースのウェアラブルソリューションの実現を目指す。