フックアップは、伊IK Multimediaのパラフォニック・デュアルフィルター・アナログ・シンセサイザー「UNO Synth Pro X」の受注を開始した。実勢価格は85,800円。

  • 「UNO Synth Pro X」

「UNO Synth Pro X」は、IK Multimediaと伊Soundmachinesとの共同開発により、2018年にリリースされたモノフォニックのアナログシンセサイザー「UNO Synth」の第3世代モデル。

オシレーターは3基で、三角波、鋸波、パルス波間をモーフィング可能。パルス波ではパルス幅も調整できる。オシレータ2/3をオシレータ1にハード・シンクさせるSYNC、オシレータ1にてオシレータ2/3の周波数をモジュレートするFM、オシレータ1にてオシレータ2をリング・モジュレートし、TUNEをずらすことでメタリックなサウンドを生成可能なRINGなど、モジュレーション系の機能が充実。ノイズ・ジェネレーターも装備する。

フィルターは、2ポールのOTAマルチモード・フィルターと「Prophet 5 rev.4」への採用で話題になったデイブ・ロッサム設計SSIチップによる2/4ポール・ローパス・フィルターを搭載。2機のフィルターは直列、並列接続でき、SSIフィルターではセルフ・オシレーションも可能となっている。

エンベロープはADSR式を3基搭載。各エンベロープとも、アタック、ディケイ間をループするLOOP、通常はモノ/レガートなどボイス・モードに従うリトリガーを強制指定するRETRIG機能を装備する。

LFOは2基で、サイン波、三角波、鋸波、矩形波、ランダム、ランダム、サンプル・アンド・ホールド、ノイズを選べる。RateはシーケンサーにSyncさせることもでき、リトリガーの有無、フェード・タイム/カーブの調整も行える。16スロットのモジュレーション・マトリックスでは、LFO、エンベロープ、フィルターなどのあらゆるパラメータをソース/デスティネーションに指定可能なので、複雑に変化するテクスチャーを生成できる。

23個のツマミ、オクターブ・シフト可能なキーボードなどのボタンから30を超える機能にダイレクトにアクセスできる。フィルター/エフェクトの前もしくは最終出力段階へのパススルー接続を選択可能なAUDIO INのほか、USB、MIDI、CV/GATE入出力端子も装備しているので、ラップトップ・コンピュータ、MIDIキーボード、ユーロラック・モジュラーなど、手持ちの機材とUNO Synth Pro Xとの接続が行える。

エフェクトはアナログ・オーバードライブ、2種類のモジュレーション(ヴィンテージ・コーラス/ユニヴァイブ)、5種類のディレイ、ホール/プレート/シマー・リバーブと、10種類のスタジオ・エフェクトを利用可能な3つのスロットを内蔵。オーバードライブ以外のエフェクトはセンド/リターン接続なので、バイパスすれば100%アナログな信号経路を保持できる。

64ステップのパラフォニック・シーケンサーも装備。リアルタイム・レコーディング、ステップ入力可能な音程情報だけでなく、本体ツマミの動き、モジュレーション・マトリックスでアサインしたCV/GATE情報など、最大48種のパラメータの動きを記録して、オートメーションを実行させられる。リアルタイム演奏には、アップ、ダウン、ランダムなど10モードから選べるアルペジエーターも用意。アルペジエーター演奏中にREC+PLAYボタンを押せば、シーケンサーでリアルタイムにレコーディングすることもできる。

プリセットは256種類。エディットした音色はユーザー・プリセットとして保存可能となっている。モノ、レガート、3和音の演奏が行えるパラフォニックに加え、有名なベースライン・マシンのふるまいを再現したベースライン・モードが選べるようになった。ベースライン・モード選択時は、通常20kHzまで調整可能なカットオフ周波数が5kHzあたりまで制限され、ベース音にフォーカスしたフィルターの操作を楽しめる。あわせて、アクセントの量、アクセント・エンベロープのディケイ・タイムの調整が行える。

さらに付属の「UNO Synth PRO X Editor」を使えば、Mac/PCの大画面で詳細なエディットが行える。16スロットのモジュレーション・マトリックスも一覧表示され、各ソース、デスティネーションの選択も、一覧メニューからクリック一つで操作可能。UNO Synth PRO X EditorのLIBRARIAN画面では、自作のプリセットをカテゴリー・フォルダ分類して表示するリストと、UNO Synth PRO X本体のプリセットを表示するリストが並んで表示されるので、次のライブなどプロジェクトに応じてUNO Synth PRO X本体に送るプリセットを選択することができる。UNO Synth PRO X Editorにはスタンドアローン版だけでなくプラグイン版も用意されており、DAWのトラックにMIDI CCでオートメーションの記録にも対応する。

サイズはW333×D150×50mmで、質量は800g。給電は付属の専用ACアダプターまたは、USB端子から(5V/1.5A=7.5W以上)行う。