シャープは6月12日、東京医療センター、神奈川工科大学、東京都島しょ部の利島(としま)村役場および利島村社会福祉協議会と共同で、利島村在住の軽度・中等度難聴者の協力により、耳あな型補聴器「メディカルリスニングプラグ」を活用したオンラインフィッティングの有用性を検証する実証研究を開始することを発表した。実証期間は6月16日~12月上旬を予定。

  • 左:メディカルリスニングプラグ(MH-L1-B)、右:東京都利島

メディカルリスニングプラグは、スマホにインストールした「COCORO LISTENING」アプリを利用して、専門の有資格者がいるサービスセンターによる遠隔地からのオンラインフィッティングが可能な補聴器。

今回、実証研究用に神奈川工科大学が開発した「聴力検診アプリ」により、専用機器がない場所での聴力検診が可能となる。6月中旬に利島で同アプリを用いた聴力の集団検診を実施し、その結果をもとに実証研究に参加する難聴者を募り、参加者に同機を貸与する。

参加者は、サービスセンターによるオンラインでの調整やサポートを受けながらメディカルリスニングプラグを約半年間使用。12月上旬に聴器使用時の聴力を測定するとともに参加者へのヒアリングを行い、補聴器使用やオンラインフィッティングの効果を確認する。また、難聴が認知機能の低下に影響するとの報告があることから、6月と12月の検診時に認知機能検査も併せて実施する。

各者の役割は、シャープがメディカルリスニングプラグおよびオンラインフィッティングサービスの提供、オンラインによる島民の使用サポート。神奈川工科大学 上田麻理准教授は「聴力検診アプリ」開発、利島村役場と利島村社会福祉協議会は現地での島民のサポート。研究責任医師は、東京医療センター感覚器センター 聴覚障害研究室 神崎晶室長。