MM総研は5月16日、2022年度通期(2022年4月~2023年3月)の国内携帯電話端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。スマートフォンの出荷は2,985.1万台に下落し、3,000万台を割り込んだ。オープン市場で販売するSIMフリーモデルの割合はわずか8%止まりで、いまだ9割超がキャリア経由で販売されていることも分かった。

  • スマートフォン出荷台数が3,000万台を下回ってしまった。スマホ自体の価格上昇に加え、物価高騰を受けてスマホの買い替え需要が減少したこと、過度な値引き販売が減ったことがおもな要因としている

スマートフォン出荷台数が3年ぶりに3,000万台を下回る

2022年度通期の携帯電話出荷台数は3,193.3万台で、前年度比12.8%減となった。そのうちスマートフォンの出荷は前年度比11.8%減と落ち込み、2,985.1万台だった。物価高騰や端末値上げの影響により買い替え需要が減ったことが大きく、3年ぶりに3,000万台を下回った。5G対応スマートフォンは2,902.9万台を出荷し、スマートフォン全体の97.2%に拡大した。

  • 2022 年度通期の国内携帯電話総出荷台数の推移。フィーチャーフォン(ケータイ)を除くと、3,000万台を割ってしまった

アップル、メーカー別台数シェアで12年連続1位

メーカー別総出荷台数では、アップルが12連続で1位を獲得。総出荷台数も1,503.8万台と47.1%のシェアを誇っている。スマートフォンの出荷だけを見れば、50.4%と6年ぶりに過半数を占めた。次いでシャープが12.1%、FCNTが9.9%、ソニーが7.7%と続いている。

  • スマホの台数シェアはアップルが50%を超える圧倒的なシェアをキープ。2位はシャープが続く

オープン市場は237.4万台を出荷、全体の8.0%

MM総研は、MVNO、家電量販店、ECサイト、メーカー直販で販売するSIMフリースマートフォンをオープン市場と定義。このオープン市場での出荷台数は237.4万台で、割合は8.0%だった。依然として大半はキャリアを通じての販売が多いものの、前年度比は0.9ポイント増で構成比では増加した。

  • スマートフォンは大手キャリア(MNO)経由の販売が9割超で、SIMフリー販売はわずか8%にとどまる

オープン市場に限定したメーカー別出荷台数は、1位がアップルの137.2万台でシェア57.8%、2位がシャープの19.3万台でシェア8.1%、3位がシャオミの18.6万台でシェア7.8%と続いている。

携帯電話キャリア(移動体通信事業者)の出荷台数は、ドコモが1,109.3万台でシェア37.2%、ソフトバンク(ワイモバイル含む)が787.4万台でシェア26.4%、KDDI(au、UQ モバイルを含む)が730.5万台でシェア24.5%、楽天モバイルが120.5万台でシェア4.0%という結果だった。

2023年度通期のスマートフォン出荷予想は2,926万台

MM総研では、2023年度通期の総出荷台数は3,113万台になると予測。以降、毎年3,000万台前後で推移し、2026年3月末に予定しているドコモの3Gサービス終了後は、総出荷台数で3,000万台を割り込むとしている。なお、2026年度の3Gサービス終了後は、買い替え需要でスマートフォンの出荷台数が一時的に伸びるものの、3,000万台に乗せるのは難しいとしている。