春の新生活シーズンを迎え、まず検討すべきはスマートフォンの購入でしょう。内閣府が公開している「令和3年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によれば、2021年の青少年のスマートフォン所有率は、小学生が53.4%、中学生が80.8%、高校生が98.7%にまで高まっています。つまり、中学や高校に入学するにあたってスマートフォンを用意するのは、もはや当たり前といえます。

そうなると悩ましいのが「iPhoneとAndroidのどちらを買うべきか」ということ。もちろん、ユーザー自身の好みやICT機器に対するリテラシーの度合い、家族の利用状況などによっても、その答えは変わってきます。しかし、もし悩んだら「iPhone」を選んでおく方がベターといえます。本稿では、その理由について解説していきましょう。

  • 進学時に欠かせないスマートフォン、ちょっと高いけれど学生こそiPhoneを選ぶべき理由がある

実はiOS端末は「コスパが良い」

iPhoneの一番のメリットは「コストパフォーマンスの高さ」です。「え、iPhoneの値段って高いよ!」と思う人もいると思いますが、これはOSアップデートがサポートされる期間の長さを考慮しての結論です。中学や高校、大学の3年間や4年間に同じ端末を使い続けるならば、OSアップデートの対象期間が長い方が結果的にお得になるという理屈です。

Androidスマホは、OSアップデートが保証される期間は端末メーカーや機種によって2~4年でバラついており、かなり差があります。セキュリティサポート(OSの脆弱性などを改善するためのソフトウェアアップデート)は4~5年ほど提供されることもありますが、OS由来の最新機能が使えるのは、一部のブランドを除くとせいぜい2~3年にとどまります。

一方、iOSを搭載するiPhoneは、発売後5~6年はアップデートが適用されます。2022年秋にリリースされた最新の「iOS 16」でアップデートの対象から外れた旧機種は「iPhone 6s」がありますが、iPhone 6sは実に2015年発売の機種です。つまり、発売から7年間も最新OSにアップデートできたわけです。最新OSへのアップデートが可能な端末の一覧は「iOS 16 や iPadOS 16 に対応しているデバイスの一覧」で確認できます。

  • iOS 16 や iPadOS 16 に対応しているデバイスの一覧

リテラシーが高くなくても選びやすい、失敗しない

iPhoneを選ぶメリットとしては、スマートフォンの仕様について詳しくなくても、端末の選択で失敗することがほぼない、ということも挙げられます。

Androidスマートフォンはさまざまなメーカーが展開しており、10万円を超えるハイエンドモデルから2万円程度で買えるエントリーモデルまで存在します。しかし、低価格の端末は、ディスプレイやカメラ、スピーカー、防水性能、非接触決済などの機能や装備が省かれたり低い場合もあり、安いからと購入したら欲しい機能や装備がなかった…なんてことにもなりかねません。

一方、iPhoneは店頭で新品が買える現行モデルならば、どの機種を選んでもきれいに撮れるカメラや決済機能、防水性能、最新アプリも問題なく対応するチップなど、十分な体験が保証されているので、安心して選べます。チェックすべきは、パネルサイズや大きさ、重さ、価格ぐらいのもの。「画面が大きい方がいい!」「本体は小さく持ちやすい方がいい」「できるだけ安く済ませたい」といった単純な理由で選んでも、失敗にはつながりません。

  • 現在買えるiPhoneはこれだけパネルサイズの違いがあるが、どれを選んでも基本性能は大きく変わらないため、「画面が大きい方がいい」「本体は小さく持ちやすい方がいい」といった理由で選んでも性能や装備の面で後悔しない

AirDropでのデータ共有が便利

そのほかにも、iPhoneゆえのメリットはいくつもあります。例えば、Apple製品同士でデータを簡単に共有できる「AirDrop」(エアドロップ)の存在は有名です。AirDropを使うことで、写真や動画などのデータ、閲覧しているWebサイトなどを、ワンタッチでiPhoneを使っている友人や家族にワイヤレスでシェアできます。

  • AirDrop機能の使用イメージ

Androidも、2020年8月にAirDropと似た「Nearby Share」(周辺ユーザーとの共有)機能を追加しているので、対応するAndroid端末同士であれば同様にデータを共有できます。また、OS間を問わずワイヤレスでデータ共有ができるサードパーティ製アプリも存在します。しかし、これらを踏まえても、標準機能でさまざまなデータが手軽に共有できるのは、iPhoneの重視すべきメリットといえます。

実際、MMD研究所が2022年4月に実施した「2022年5月スマートフォンOSシェア調査」の結果によると、10代男性の70.1%、20代男性の57.0%、10代女性の84.1%、20代女性の70.2%が、普段使いのメインのスマートフォンとしてiPhoneを利用していることが分かっています。つまり、友人が10人いたら、7~8人はiPhoneユーザーなわけです。大多数の人と手軽にデータの共有ができることは、新生活において力になってくれるでしょう。

MacやiPadとの連携機能も魅力

クリエイティブな作業に挑戦していくなかでiPadやMacに手を伸ばすとき、iPhoneなら機器間での連携がしやすい、という点も見逃せません。

例えば、Appleデバイス間でコピペを連携できる「ユニバーサルクリップボード」機能は便利です。iPhone側でコピー操作を行い、iPadやMac側でペースト操作をすると、iPhone側でコピーした文字列などがiPadやMac側でペーストされます。

  • ユニバーサルクリップボードの使用条件などは公式のヘルプページで確認可能だ(https://support.apple.com/ja-jp/HT209460)

ほかにも、移動中にiPhoneのWebブラウザーアプリ「Safari」で閲覧していたWebサイトを、学校や自宅に着いてからMacやiPadのSafariで確認できるといったブラウザー関連の連携や、iCloudを通じたメモ帳やリマインダーの連携、決済機能の連携など、さまざまな機器間の連携機能が揃っています。

ケースが充実している

iPhoneは1つの機種のユーザー数が多いため、ケースなどのアクセサリーがとても豊富で、好みに合うアクセサリーが見つけやすいのもポイント。ケースをいくつも購入して気分や服装に応じて変えるのも、iPhoneならではといえます。

iPhoneの現行ラインナップをおさらい

最後に、iPhoneの現行モデルのランナップをおさらいしておきましょう。Appleの公式サイトで取り扱っているのは「iPhone 14 Pro Max」「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Plus」「iPhone 14」「iPhone 13」「iPhone 13 mini」「iPhone SE(第3世代)」「iPhone 12」の8モデルです。

最新シリーズは「14」のナンバリングが付いている製品です。上位の「Pro」シリーズの2機種は望遠カメラを備えているので、趣味や仕事で写真や動画の撮影にこだわりたい場合、選ぶ価値はあります。ただし、価格はかなり高額ですので、学生向けとしてはハードルが高いかもしれません。

  • 「iPhone 14 Pro」(左)と「iPhone 14 Pro Max」(右)

一方、Proのつかない「iPhone 14」でも、標準カメラとデジタルズームを組み合わせれば、普段使いなら十分満足できる画質で撮影できます。性能と価格のバランス感もよく、スタンダードな選択肢となるでしょう。

両手持ちでゲームや動画を満喫したい人は、画面サイズの大きい「iPhone 14 Plus」が断然注目です。ただし、衣類のポケットなどには収納しづらいサイズ感で、手の小さな人は扱いづらさを感じるかもしれません。画面の大きさやサイズを店頭で確認してから購入するのがよいでしょう。

  • 「iPhone 14」(左)と「iPhone 14 Plus」(右)。新色のイエローもこの2機種だけのメリットだ

「iPhone SE(第3世代)」は、Touch IDの指紋センサーを搭載する唯一のモデル。ほかの機種に比べて画面サイズはひと回り小さくなります。同機種は、62,800円~という価格の安さは学生向けとしても魅力ですが、最小構成の64GBモデルではアプリ管理やOSのアップデートが難しく、長期運用がしづらいデメリットがあります。数千円高くなりますが、126GB以上のモデルを選ぶとよいでしょう。

  • 「iPhone SE(第3世代)」

「iPhone 13」や「iPhone 12」は、現在も併売されているスタンダードモデルの旧機種です。特に「iPhone 12」は、92,800円~という価格で入手可能。ただし、こちらもストレージ容量には注意です。なお、新世代モデルの方がバッテリー持ちが改善されているので、その点は理解しておきましょう。

「iPhone 13 mini」も2021年に発売されたモデルです。こちらは本体サイズの小ささが特徴。最新の14シリーズでは廃止されたラインですが、手のサイズが小さく、なるべくコンパクトモデルを選びたい人ならば要検討です。

  • 「iPhone 13 mini」(左)と「iPhone 13」(右)

おもな仕様をまとめると以下のようになります。