ファーウェイのスマートウォッチ「WATCH GT」シリーズから、「WATCH GT Cyber」が3月23日に登場しました。この製品の最大の特徴は、手軽に「ケースの着せ替え」ができること。これまでにないスタイルの新スマートウォッチ、興味津々で使ってみました。
-
「HUAWEI WATCH GT Cyber」の「ミッドナイトブラック」。ディスプレイ部分（スマートウォッチ本体）とケース（ベゼル、ウォッチボディフレーム、ベルトを含む）のセットで市場想定価格は32,780円。スマートムーブメントがセットになっているのは「ミッドナイトブラック」のみ
ケースを着せ替えられる風変わりなウォッチ、ネジやリューズも変更
最近のスマートバンドやスマートウォッチは、ベルト部分を交換して、イメージチェンジできるタイプが増えています。それらと「WATCH GT Cyber」との違いは、交換できるのがベルトだけでなく、文字盤外周のベゼルやネジのリューズにも及ぶこと。
「WATCH GT Cyber」では、ベゼル／ウォッチボディフレーム／ベルトが一体化した「ケース」から、本体（ディスプレイ部分。ファーウェイでは「スマートムーブメント」と呼称）を取り外して、好きなケースを付け替えられることが魅力です。
-
交換できるケースは（右から）、ムーンホワイト、シーブルー、ゴールデンブラック（各8,580円）、スペースグレー（5,280円）。いずれも市場想定価格
ただ最初は、ケースを交換すると言っても、ベルトの交換と同じようなものだと思っていました。でも実際に交換してみると、ウォッチのイメージがガラリと変わったのでビックリ！
交換できるケースは、ムーンホワイト、シーブルー、ゴールデンブラック、スペースグレーの4色。なお、本体（スマートムーブメント）を購入すると、ミッドナイトブラックカラーが標準で付いてきます。
交換用のケースにシーブルーを選んだところ、標準ケースのミッドナイトブラックが見た目にガッチリしたアクティブなタイプなのに対して、シーブルーに交換した後は、洗練されたモダンなイメージになりました。
-
シーブルーのケースセットに変更したところ
交換も実に簡単で、取り外しはケース部分を固定しながらディスプレイ部分の本体をグッと押すだけ。同じようにディスプレイを差し込むだけで、別のケースに交換できます。ネジ部分のリューズも交換できるところに、着せ替えのこだわりを感じました。
-
本体（スマートムーブメント）を手首側へ向かって押すとベゼルから外せます
-
リューズ取り外しツールを使って、リューズの交換もできます。リューズは嵌め込み式
-
ミッドナイトブラックとシーブルーを並べてみると、ケースのイメージの違いがよくわかります
文字盤だけでなくホーム画面もバンドに合わせて変えられる
着せ替えは見た目だけでなく、ウォッチ全体のテーマにも及びます。リューズを押して表示されるホーム画面のアイコンが、いろいろなイメージに変更できる点が新鮮です。
筆者は普段、日常ユース向けの「HUAWEI WATCH GT3」を使っていて、表示は「クラシック」というスタイルになっているのですが、「WATCH GT Cyber」では表示を「スポーツ」「デジタル」「エレクトリック」「アイボリー」「エバーブルー」「ファンタジー」など、テーマに合わせた色やデザインのアイコン群にまとめて変更できます。
-
ウォッチ全体のテーマを変更できます
-
筆者が使い慣れた「クラシック」スタイル
-
「アイボリー」スタイル
-
「ファンタジー」スタイル
文字盤も実に多彩で、その数は5,000種類以上。有料のものはストアで購入でき、無料の文字盤も豊富に用意されています。気に入ったものをダウンロードして「マイ文字盤」に登録しておけば、ディスプレイをタップすることで手軽に変更可能。スマホで着ている服の写真を撮って、そのイメージを文字盤にカスタマイズすることもできます。
-
「WATCH GT Cyber」対応の文字盤
-
無料の文字盤も充実
-
文字盤の変更もディスプレイをタップするだけと手軽
ワークアウトが充実、「ルートバック」など登山に役立つ機能も
着せ替えだけでなく、バッテリーの持ちのよさにも魅力を感じました。バッテリーの持続時間は通常使用の場合は約7日間で、ヘビーユースだと約4日間とのこと。
そこで5泊6日の旅行時に念のために充電器を持って行ったのですが、結果的に旅先で充電する必要はありませんでした。スマートウォッチは旅行時、うっかり充電器を忘れがちですが、この持ちの良さなら安心です。
-
ウォッチを近づけると磁力で自動的に吸着する磁気充電タイプ
ディスプレイは1.32インチと大きく、文字もクリアで見やすいです。強化ガラスなので海や山で使っても安心できました（防水性能は5ATM）。筆者の趣味は登山なので、来た道をそのまま戻る場合、道をそれると教えてくれる「登山のルートバック機能」、気圧が急激に変化すると知らせてくれる「悪天候アラート」が付いているのも魅力的だと感じました。
ワークアウトメニューも100以上と充実。エリプティカルやローイングなど、スポーツジムにあるトレーニング機器のメニューもあるので、たいていのスポーツに対応しています。
-
ワークアウトメニュー。100以上も用意されています
モニタリングは睡眠、心拍数、血中酸素レベル測定、ストレスと、基本的な項目を備えています。スマホを見なくても、ウォッチだけでモニタリング結果の概要がわかるのが便利でした。
-
睡眠モニタリング
-
心拍数モニタリング
-
血中酸素レベル測定
-
ストレスモニタリング
-
専用のアプリだとさらに詳しい情報が確認できます
バッテリー持ちのよさや基本機能に大満足！ リューズの紛失には注意
……と大きな不満はなく、全体的には満足度の高かった「WATCH GT Cyber」ですが、あえて難点を言うなら、本体（スマートムーブメント）購入時に標準で付いてくるケースが「ミッドナイトブラック」だけというのがやや残念。
予算が許せばシーブルーをベースに、アウトドアシーンでスペースグレーに変える使い方ができればうれしかったところ。スマートムーブメント購入時に好きなケースが最初から選べれば、より自分好みの着せ替えができるウォッチになりやすいのにと思います。
また、ケースの着せ替えをする構造上、リューズがやや外側に出っ張り、ドアの角などに引っかかりやすかったです。実はこの引っかかりのせいか、使用している間に、ミッドナイトブラックのリューズが外れてなくなってしまったのでした……。リューズだけの販売はないので、同じリューズが欲しければケースを買い直す必要があります。幸いシーブルーのリューズがあるので、今はそれを使用しています。
メーカーに確認するとリューズに外れは非常にレアケースとのことでしたが、筆者のように外れることもあるので注意しておくことをおすすめします。
とはいえ、このような着せ替えができるのは非常に楽しい機能だと思います。筆者は仕事ではシーブルーを使い、海や山に行く時はミッドナイトブラックにチェンジして、ウォッチでも気分転換しています。今後、さらにケースのバリエーションが増えることに期待しています。
