警察庁は、110番通報した人がスマートフォンなどから事件・事故などの現場の映像を送れる「110番映像通報システム」を4月1日から本格導入する。

  • 「110番映像通報」警察庁が4月から本格導入

警察官が現場に到着する前に、視覚的に状況を把握することで、110番通報に迅速かつ的確に対応できるようにすることを目指す仕組み。本実施に先がけて2022年10月1日から全国の警察で試行運用しており、2023年2月28日までの5カ月間に計2,293件の映像を受理。容疑者の検挙や、行方不明者の発見・保護につながる事例もあったという。

2,293件の内訳は、映像(動画)が262件、画像(静止画)が383件。保存ファイルのうち映像が139件、静止画が1,509件。通報事案では、保護や救護に関わるものが約48%(1,107件)、各種情報が約18%(414件)、交通関係が約16%(374件)で8割を超えた。実施件数の上位3県は、神奈川県警が412件、愛知県警が262件、兵庫県警が242件。警察庁では、以下のような効果的活用事例があったとしている。

  • 駐車車両からガソリンを窃取しようとした状況を目撃した被害者から被疑者の画像を受理し、検索中に発見し検挙した
  • 駐車場内において当て逃げされた被害者が撮影していた被疑車両の画像から、被疑者を割り出し検挙した
  • 行方不明となった児童の画像を母親から受理し、検索中に発見し保護した

なお、試行運用では通信指令室の担当者が口頭でアクセスコードを通報者に伝えて入力を求めていたが、利便性向上のため原則不要にするとのこと。

  • 110番映像通報システムの使用方法イメージ(出典:警察庁の広報資料より)