連絡先アプリの登録者リスト画面で対象とする人物を長押しすると、「メッセージ送信」や「電話」などのアクションにくわえて「コピー」という選択肢が現れます。それをタップし、メモ帳かなにかへペーストしたところ、末尾が「VCF」のファイルが現れたのですね?

この機能は、iOS 16で追加された「連絡先エクスポート」です。ペーストして現れた「<名前>.vcf」はvCard形式のファイルで、中にはコピーした人物の連絡先データが含まれています。vCardに対応したアプリでそれを開けば連絡先データをエクスポートできる、「ほかのスマートフォンやパソコンでも読み取れるよう汎用フォーマットに変換した連絡先データ」というわけです。

VCFファイルの内容は、「BEGIN:VCARD」から始まり「END:VCARD」で終わるプレインテキストです。そこには「N:海上;忍;;;」や「item2.ADR;type=WORK:;;一ツ橋1-1-1 ;千代田区;東京都;100-0003;日本」などの形式で名前や住所が記され、画像データもテキストに符号化される形で収録されています。だから文字情報だけでなく、顔写真やイラストもあわせて移行できます。

VCFファイルはiPhoneからエクスポートするだけでなく、読み込み(インポート)も可能です。従来も、iPhone同士であれば「連絡先を送信」機能で連絡先データを直接受け渡しできましたが、iOS 16からはAndroidやWindowsでも利用されているvCardを直接扱えるようになったため、活用範囲が広がりました。これからは、相手がどのようなスマートフォン/パソコンを使っていようとも、VCFファイルを使えば、スムースに連絡先データを交換できますよ。

  • 連絡先をコピー&ペーストするとできる「○○.vcf」とは