KDDIは3月9日、KDDI大手町ビル(東京都千代田区)の敷地内において、国内キャリア初となる埋設型5G基地局の運用を開始した。

  • 埋設型5G基地局

    埋設型5G基地局

地面に穴を掘ってアンテナや無線機を埋め込むことで、鉄塔型やビル屋上設置型の基地局を展開できない場所でもエリア整備が可能になる。2018年から商用化に向けた検討を始め、2022年12月には電波発射に成功。また、開発と並行して2021年7月には、埋設型基地局を想定した内容となる総務省の電波防護指針の新制度が施行された。

特に景観への配慮が必要な美観地区などでの活用が期待されるほか、利用イメージ図を見ると最初の設置場所となった大手町のような都心部においても、従来型の基地局を補完するような使い方が想定されているようだ。

埋設型基地局によってカバーできる通信エリアは半径約50m。防水性の高い金属製の筐体に機材を収め、浸水への耐性を持たせた。アンテナが地中にあることから、副次的なメリットとして強風の影響を受けにくいという。

  • 利用イメージ

    利用イメージ

  • 構成図と筐体の外観

    構成図と筐体の外観