KDDIと弓削商船高等専門学校は12月14日、災害発生時における船舶型基地局の設置に関する連携協定書を締結した。同校の練習船「弓削丸」(ゆげまる)を災害時の通信エリア復旧に活用する。

  • 船舶型基地局(画像は他船に設置済みの設備)

    船舶型基地局(画像は他船に設置済みの設備)

船舶型基地局とは、KDDIが災害時の携帯電話エリアの復旧手段のひとつとして運用している設備。衛星回線をバックホールとするau基地局を船上に設置し、島や沿岸部の迅速な一時復旧を行う。陸上用の可搬型基地局などと比べ、被災による交通網や電力網の遮断などの影響を受けずに展開できるメリットがある。

すでにKDDI子会社の海底ケーブル敷設船「KDDIオーシャンリンク」など4隻に設置されており、2018年の北海道胆振東部地震、2019年の台風15号の際に運用実績がある。先述の協定では、船舶型基地局の設置・運用のほか、KDDIが用意する災害用物資の搬送(Wi-Fiスポット、充電スポット、水、非常食、基地局復旧機材など)にも弓削丸を有効活用するとした。

  • 練習船「弓削丸」。なお、船舶型基地局を設置するのは現在運用されている3代目弓削丸ではなく、後継の新造船となる

    練習船「弓削丸」。なお、船舶型基地局を設置するのは現在運用されている3代目弓削丸ではなく、後継の新造船となる